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コメント
2件
今回もやっぱめちゃ面白くて最高です!!ありがとうございます
読了しました!10話、めっちゃ重かったですね…。シードの「嘘を嘘と見抜ける長年の付き合い」って関係性がまず好きだし、通話越しに察する「近くに誰かおる」とか、弐十くんの熱と「いつも通りに見えるだけ」って描写が生々しくて息が詰まりました。あと「弐十くん監禁したいんか?」ってストレートに聞くシードも、ちゃんと止める大人な立ち位置で良いバランス。ニキの「断られたらどうしよう」が甘えじゃなくて本当に切羽詰まってるのも伝わってきて…。これは続きが気になる!
『連絡遅くなった。強盗が入ったっぽい。解決済み』
ニキから届いた連絡。スマホの画面を見つめたまま固まってしまう。
なんだその説明は、雑すぎんじゃろ。というか、嘘としか考えられん。
強盗が入った?まぁ、わからんくもない。
連絡が遅くなった?強盗の対応でそれも理解できる。
解決済み?はぁ?人に突然配信させといて?そもそも強盗が家に入ったのに、それが一日で解決するはずがない。
イライラしながらニキと通話を繋げる。
「なに、シード?俺いm」
「嘘言うのも大概にせえよ」
「…….噓じゃないけど?なんか証拠でもあんの?」
「ニキ、こっちは別に弐十くん本人に聞いてもええんじゃよ」
何年一緒におると思っとんじゃ此奴は、確かに、配信者としてのニキとの付き合いは短い。だが、ニキいう人間との付き合いはメンバーの中で最も長いのは他の誰でもない俺だ。
「…….シードって、今実家暮らしだよね」
「急に何?」
「いいから、答えて」
「そうじゃけど」
「なら、東京で、俺らと一緒に住まん?」
「はぁ?」
「じゃないとなんも話せない」
「おま、ほんとふざけんのもええ加減n」
「シード」
ただ、名前を呼ばれただけなのに、その1音に様々な感情が押し込められとるような気がした。
「わかった、ええから、一緒に住んじゃけえ、話して」
「ちょっとだけ、まってて、」
ニキの声が少し遠くなり、誰か別の人と話しているかのような声が電話口から、わずかに聞こえてくる。
近くに誰かおんのか?
場所の移動でもしたのか声の響き方が先ほどまでと違う。
「…….知らない男がおった、弐十ちゃんの上に覆いかぶさってた」
「そ、れは、」
そういった理由であれば、ニキが始め誤魔化したことも理解できてしまう。
「弐十くんは、大丈夫なん?」
「…….今熱出ちゃったから寝てるけど、——いつも、通りに、みえるよ。あくまで俺たちには、だけど」
いつも通りに”見える”なぁ、
「怪我は?」
「結構、酷そうに見えたけど、ちゃんと見たわけじゃないから分かんない」
「ほうか、病院は?」
「行って、ない」
「なんで」
「…….」
「弐十くん、今熱あるんじゃろ?悪化するようじゃったら、救急車呼べよ」
「うん、」
発熱するほどの怪我、かぁ、それも他者に説明することが、言い訳が難しいような怪我ねぇ。本当に、いつも通りに見えるだけの様らしい。少なくとも表面上はの話じゃけど。
「今周りに他の奴らおるんか?」
「別の部屋に、キル、とキャメ、ボビーがいる」
「ほーん、何で一緒に住むって考えになったん?」
煙草に火を点けて心を落ち着かせる。
「なんで、だろう。なんか、色々あって分かんなくなってきちゃった」
「ほーん、俺とニキと弐十くんで住むん?」
「キルちゃんとキャメとボビーも、ほんとは、シードには伝えるはずじゃなかったから、5人だけの予定だったけど」
「もう、どこに住むかとかあらかた目星は着いとるんか?」
「一応?」
ニキ、焦っとんな。結構小心者の此奴が何も考えんで行動している。そのことからも、被害は結構、重大なのかもしれない。——というか、
「警察はなんて説明したん?」
「…………..」
やけに沈黙が長い。まさかとは思うが、これは、
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「呼んどらんの?」
「…….そう、」
「ふー、」
肺一杯に吸った煙を細く吐く。この調子だとしたら、もしかすると弐十くんに提案もしていないのかもしれない。
「弐十くんに説明はしよったんよな?」
「した、けど、」
「納得せんかったん?」
「というか、意味わかんない、みたいなこと返された」
なんとなく想像がつきそうな感じがする。
「だから、今から納得してもらうような理由を考えるつもり」
「……前、弐十くん、事故物件に住んでみたいって、言っとったじゃろ。それ、絡めたらええじゃない?」
何度か弐十くんが言っていたことを伝える。
「6人が住める大きさの事故物件?しかも物全部持って引っ越すほど?」
どうやら、一定期間だけのことかと思ったら随分と長期的な計画らしい。
「お前ら、弐十くんのこと監禁でもしたいんか?」
「…….ちがう、よ?」
随分と言いよどんだな、此奴。友達の中から犯罪者が出るのは勘弁したいし、俺も真剣に考えるとするか。
「素直に心配じゃけえ、一緒に住まん?って伝えてみたらええじゃないん?」
「したところで、何でって返されるのが目に見えるじゃん!」
「お前ら少し先走りすぎやないん?ちゃんと思っとること言わんとなんも伝わらんじゃろ?」
唐突に一緒に住もうと言われただけじゃ、そりゃ弐十くんも意味が分からないと言うだろう。現に俺も同じようなことを思った。
「…….そう言って、断られたら、どうしよう」
「そりゃあその時考えりゃあええんじゃないん?ややこしく考えすぎなんじゃよ」
駄目だったらその時に考えればいい。それに、多分じゃけど弐十くんはこちらが本気でお願いしたら、そのくらいの願いなら断らん気がする。
「そっか、ダメだったらそん時また、考えればいいのか、」
あ、なんか良くないことを教えてしもうたかもしれん。ま、ええか。此奴らに心配されるようなことをした弐十くんが悪い。
「シード今広島?」
「そうじゃよ」
「俺たちいま○○ホテルにいるから来て!」
「え、今から?」
「そう、交通費出すから」
「わかった、すぐ行く」
本当はこれからパチンコに向かう予定だったから、今から東京まで行くのはほんのちょっとだけ面倒。だが、交通費が出るというのなら話が別だ。あわよくばメシもおごってもらえるかもしれない。それに、弐十くんのことも気になる。
弐十くんとの付き合いは別に全然長くない。1年と少し。他の奴らに比べると、なんも知らん。人の心がないのは知っとるが、こうい自体の時、どういう反応をするのか、本当にいつも通りなのか、それともニキ達だからそう見えてしまっているのか想像もできん。じゃけぇ、直接会いに行く。
財布と家の鍵、スマホをポケットに突っ込んで家を出る。
電車に乗って、スマホの画面を見返す。”連絡遅くなった。強盗が入ったっぽい。解決済み”というニキの連絡にはりいちょ君からの”よかった、弐十ちゃん怪我とかしてない?”なんて、のんきそうな返事が書かれていた。18号さんは弐十くんへの心配の言葉が、はとねんからは18号さんと同様に弐十くんへの心配の言葉、それに加えてニキ達への心配の言葉が書かれていた。
これからの自分ことを考えて、なんも知らん奴らはお気楽そうでええのう。なんてことを思う。
ネットの反応は思っていたよりなんもない。弐十くんの配信について言及しちょる投稿は調べれば何個かあるが、炎上と言うほどでもない。
俺が機材トラブルって説明をしたのもあんのかもしれんけど、それ以上に、今朝、超大物芸能人が不倫して何ならその相手との子供がいる。なんてとんでもないニュースが上がった影響だろう。ネットなんてそんなもんじゃろ、所詮リスナー達にとったら他人事。
男が覆いかぶさってた、ねぇ?すべて終わってから知った俺には未遂であったことを祈ることしかできん。けど、ニキ達の過剰なまでの反応を見るにそうではないのだろう。
ながい、なが~い移動時間を経て東京にたどり着く。
タクシーを呼んでニキに言われたホテルの名前を告げる。
タクシーから降りてホテルを見上げる。
なんというか、
「彼奴ら、成金すぎんじゃろ。」
上を見すぎていたくなった首を擦りながらそう呟く。