新年明けましておめでとうございます!👏✨
クリスマスの次は新年…新年の次は冬休みの終わり…というたった2週間の冬休みの中で多くのイベントが盛りだくさんな中、慌てながら作ったので本領を発揮する余裕がなく上手くできませんでしたが、短い時間の中で自分の思いを書き留められたのでそれは良かったかな、とあてんしょんものっけてない私が前提の話を語っております。頑張るつもりなのでオールオーケーってことで勘弁してください🥺
あてんしょん
○凪玲 1ページ
○黒玲 2ページ
○千玲 3ページ
○小話
○ページごとにカプが異なる
○キャラ崩壊、捏造、口調迷子注意
○このカプの混ぜ方が非常に難しかったので、それぞれ小話としてまとめさせて頂きました。ページ指定をして読み手の皆さんの好きなカプを読めるように区切らせていただいております。
それでもよければどうぞ!⬇
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幸せの味【凪玲】
○成人済
○W杯優勝後
○玲様サッカー引退後
○捏造、キャラ崩壊、口調迷子注意
凪視点
その日は丁度、俺の恋人である玲王が入社1年であるにもかかわらず部長に昇格した記念日だった。つい数年前、部長になれたと嬉しそうに抱きつきながら報告してきてくれた可愛い恋人の笑顔を、ふと思い出してカレンダーをぼーっと眺める。確か昨日玲王は『今日はなるべく急いで帰るけど、飯作る時間ないから悪いけど外食でいいよな?時間もあんま取れないから凪、予約頼むぞ!』と忙しない様子で会社に呼ばれて再び出社しに会社へ戻って行ったのだ。
なので凪にとっては玲王と会うのは約1日ぶりなのだ。ブルーロックを脱獄し、同棲した次の日に気持ちだけでもと婚約指輪もどきを買ってお互いに薬指につける。そんな小さなことでも大きなことでも2人が揃うだけで同じくらい幸せな気持ちになれる、誰がどう見ても砂糖を煮詰めたような空間であまっあまに過ごしてきたふたりが、数年ぶりに離れ離れの1日を過ごしたのだ。玲王に関しては凪の知らない人間と恋人である凪を差し置いて一夜を共にしているのだ。しかも今日に関しては玲王の記念日で祝日だと言うのに肝心のレオはまだ会社でせっせと働いている。かく言う俺は玲王と仲睦まじく同棲している我が家で昨日の玲王のことをぼんやりと思い出していた。
残業で疲れてヘロヘロでいるだろうに、外食をさせて他人の視線を気にしてリラックスできない、わざわざ家に帰ってきてからまたでかけるなんて、負担でしかない作業を疲れ切っている玲王にやらせていいものか…と恋人を想う俺は思い悩んでいた。だが考えるのも面倒になってきたのでさっさと解決したい俺は、何かとお世話になっている人物へと電話をかける。
『はいよー、お前から連絡なんて珍しいな、なんか用か?』
「ねぇお嬢、今日レオの記念日なんだけど昨日から会社に残って残業してるのに、レオったら『外食するから予約しといて』なんて言うんだよ?絶対疲れてるし気遣わせるようなこと俺させたくないのにさ」
『おい早い早い、まだ2分もたってねぇのに本題さっさと話すやつがあるか、挨拶も返してねぇし』
「うん、ごめん。で、続きなんだけど外食以外でレオのこと祝ってあげたいんだけどどうしたらいい?普段働きっぱなしで疲れてるから、こんな時くらいレオにゆっくりしてもらいたいんだ」
そう真剣に千切に告げると、電話越しに『はぁ…』と疲れきったため息が聞こえてきたと思ったら千切は自信満々に告げる。
『いいか?外食がいやなら家で食えばいい。デリバリーなんかしたら玲王は礼金として金を出すだろうし、カップ麺なんて以ての外だろ?だとしたらお前ができるのはひとつ。それは…』
玲王視点
「ただいま〜」
いつもなら恋人である凪からの「おかえりレオ、お疲れ様。」なんて俺をいたわるような言葉がかえってくるはずなのに、今日という日に何故か凪からの返事はかえってこない。毎年恒例でこの日は凪が俺の昇進した記念として、面倒くさがり屋の彼なりに尽くしながら祝ってくれる俺にとって幸せな日だ。なのに肝心の凪は『おかえり』も、お出迎えもお帰りのハグもくれないのだ。
凪がプロサッカー選手として毎日頑張って、心身ともに成長し少なからず疲労しているのはわかってはいるが、毎年欠かさず祝ってくれた今日という日に恋人からの言葉がないとダメージはでかい。虚しさで泣きそうになりながらも、部屋は明るく人がいる気配を感じるので涙をグッと堪えてできるだけ笑顔を作ってリビングへと足を運ばせる。リビングの前の扉の前に立ち、どんな惨状が待っていようと絶対に泣かないし怒らないし、喧嘩しない。と、覚悟を決めリビングの扉をギィ…と開くとそこには_
「レオ!!」
「な…ぎ?」
そこには机にこれでもかと盛られた料理の山が並べてあった。
「レオおかえり。ごめんね、集中してて返事返せなかった」
「え、いや、それは別にいいけど…これは?」
「あー…うん、これ?」
俺が凪にテーブルの上に並べられた綺麗な色とりどりな料理をチラリと見て、この料理の説明を求めると凪は俺様子を伺うようにちらりとこちらを見て、首に手を当てて照れくさそうにそっと口を開いた。
「レオに喜んで欲しくて頑張って作った。」
「…!これ全部凪がか?!」
「うん、まぁね…でもレオみたいに上手く作れなかった。玉ねぎとか均等に切れないしじゃがいもは煮くずれしちゃうしで全然思ったようにできなくて柄にもなく焦っちゃった」
彼の指先を見てみると、小さい切り傷が沢山つけられて絆創膏がこれでもかと貼られているし、絆創膏が足りなかったのかそのまま放置されている切り傷も少なからずある。普段料理は俺が動けない朝にトーストを焼いたり、野菜をちぎってサラダを作ったりしかやったことの無い凪、面倒くさがりで誰かのために動くなんて考えられないとよく言われている凪が、まさか自分のためにここまで頑張ってくれていたのかと思うと胸が張り裂けそうなほど嬉しくなる。
「凪!!」
「!」
俺は堪らず首に手を当てて恥ずかしそうに話していた凪に抱きつき、ギュゥッと思いっきり抱きしめた。凪がここまで自分を大切にしてくれていたなんてあまり感じたことがないからか、嬉しさで涙が込み上げてきそうになるが余計な心配かけたくないし、なによりこの幸せな空間を壊したくない一心で瞳の縁に溜まった涙が収まるまで顔を隠すように凪に抱きつく。
「レオ、俺頑張ったよ。嬉しい?」
凪は俺にすり…とほほを擦り付けながら幸せそうな声色で俺に問いかける。ちらりと横目で見た彼の頬は、いつもよりか色づいて首までほんのり染まっていた。その光景がどうにも幸せで、嬉しくて、とてつもなく大好きだ。
「ありがとう凪、大好きだ…」
「! うん。俺もレオのこと愛してる」
凪が作ってくれた料理はちょっとしょっぱかったり、薄かったり、具材の大きさがバラバラだったりと普段食べないような味と食感がした。俺が作ったのと自分が作った料理を比較して食べた彼はやはり上手くできなかったことにしゅん…と落ち込んでいる様子だったが、どれも凪が俺のために丹精込めて作ってくれたのだと思うと、いつか食べた大好物のイチボよりかも、いつかの誕生日に連れていかれた三ツ星シェフの豪華で華やかな料理よりかも沢山の幸せな味がした。
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君をずっと見てきた【黒玲】
○2次選考の時間軸
○國神脱落後
○捏造、キャラ崩壊、口調迷子注意
黒名視点
「なぁ黒名、俺サッカーやめた方がいいのかな…」
「え」
2次選考中のチーム部屋、俺と玲王しかいないその空間で、 ブルーロック内でもなかなかの美貌と頭脳を持ち合わせているとうわさの玲王の口から出た言葉に耳を疑った。このブルーロックにいるヤツらの中に「サッカーを辞めたい」なんて言うやつは0.01%にも満たないほどありえないものなのに、俺の目の前にいる人間はそんなありえない言葉を口にしている。玲王の言葉に混乱しているとその様子に気づいた玲王は申し訳なさそうな顔を作る。
「ごめんな、急にこんな困ること言っちまって。」
「い、いい。別に…でもなんで突然?」
「……。俺さ、相棒がいたんだ。そいつは面倒くさがりでぼーっとしてて、何に対しても無気力で。でもサッカーの天才で…そいつに会った時に俺の世界は退屈だったのが楽しくなっていったんだ…」
相棒の話をする玲王はどこか楽しげで、どこか悲しげでそれでいて寂しそうに笑う。なんて返して、なんて慰めればいいのかまだ人生経験の浅い俺には何も分からないから、ただ玲王の話しを頷きながら黙って聞くしかない。玲王も何も言えない俺にあえて何も言わずただ話していく。俺も何も言わずに玲王の話をただ聞いていく。
「そいつとブルーロックに来て、ずっと一緒にいようって約束したんだけどさ…別の、俺以外のやつがそいつのサッカーを彩らせて、別のヤツにそいつを取られてこのザマ…情けねぇよな。監獄で出会った大切な友人も俺と組んだせいで負けてここから去った…もう、誰も俺のせいで辛い思いをして欲しくねぇ…」
そう言う玲王はぎゅ…と自分で自分を抱きしめるように体育座りをして固く座る。今までどんなにサッカーが下手でも、どんなにブルーロックの環境が辛くても自主的にこのブルーロックを去った人間は一人もいない。そんな中俺の目の前にいる人間は、そのありえないうちの一人になろうとしかけている。今の玲王は確かに目は虚ろだし生気はまるでなく、人間ではなく人形のようにただサッカーに無理矢理つがみつかされている。
こんな精神状態の玲王に体力的にも精神的にも過酷なサッカー、しかもこのブルーロックでの生活をやらせるには酷な話だとも思う。だが、俺には玲王にサッカーをブルーロックをやめて欲しくない理由がある。それは皮肉にもこの御曹司である御影 玲王に恋心を抱いてしまっていることだ。ブルーロックで出会い、サッカーを伝って知った玲王のこと。ブルーロックが結びつかせてくれた俺と玲王の運命を易々と逃したくはなかったのだ。
なので俺は「大丈夫、大丈夫。今の玲王は少しスランプ気味なだけ、すぐ調子取り戻す。」と軽く抱きしめて調子のいいこと言って玲王を励ますという段取りを脳内で再生して、シュミレーションをしっかり行っていざ実践といったところで玲王に揃っと近づく。玲王にそろっ…と近づいてぎゅ…と抱きしめると彼はウルッ…と涙で潤ませた瞳であざとくも上目遣いでこちらをじっと見上げてくる。可愛い…と思いつつシュミレーションした言葉を連ねようと口を開こうとすると彼が口を開いてくる。
「黒名は優しいな…こうしてぎゅってされると安心する。」
へへっ…と涙で潤ませた瞳を薄めて笑う彼は儚くとてもではないが、一般の高校生では有るまじき神々しさがただよっていた。あまりの神々しさに固まってしまい何も言え無くなりかけた時、なにかいわなくてはと気づいた俺はスゥーっと息を吐いて再生した言葉を玲王に向かっていった。
「もう大好きだ…」(大丈夫、大丈夫。玲王はちゃんと頑張ってる、夢をあきらめる必要なんてない。だから少し頑張ってみよう)
「……。え」
「え?」
「え、え?黒名、お前今なんて…、?」
「……。ごめん、俺今なんて言ってた…?」
「き、聞き間違えてなきゃ俺のこと『大好き』って…言ってたような…?」
「……」
死にたい…
とてつもなく今死にたい…慰めようとしたらミスって心の中の思いを告白してしまっていた。告白は告白でも告白の中の告白でもうやばい。もう脳内でも自分が何言ってんのかもわからん…嗚呼これは詰んだ、慰めるどころかこれから俺が自分自身を慰めなきゃいけない状態になりかねない状況になってきてしまった。今だけ玲王の記憶も俺の記憶もぶっ飛んでいかないかな…なんて取り返しのつかない妄想をひたすらに考えていると、俺の服の裾をくいくいと引っ張るものがあることに気づいて、そっちのほうに視線をむける。
「…なぁ、なんか言うことねぇの?」
そこには玲王が頬を真っ赤に染めて俺の裾を握っており、ぎゅん!と俺の心臓を鷲掴みにする勢いであざとく言い放っていた。
「……や、やり直しって受け付ける…ます?」
玲王の可愛さに惑わされて文章がおかしなことになっているような気がしなくもないが、そんなこと気にしている余裕なんて欠けらもないので無視して玲王の答えをじっと待つ。
「受け付けて、ます…」
「じゃ、じゃあ改めて言わせてください…」
「は、はい…」
どこか緊張に包まれる部屋に俺はドキドキしながら、脳内で何回も何回も思った言葉を、スゥ…と深呼吸を軽くして玲王に向ける。
「玲王は今までちゃんと頑張っていたからブルーロックやめなくて大丈夫、大丈夫。もし辛いことがあったら俺も手伝うからなんでも言ってくれ」
言えた……。やっと、やっと言えた…脳内で約3回ほど再生した言葉がやっと玲王に向かって言えた…それだけがただ嬉しくてグッ…とガッツポーズをとりたいのを我慢して脳内でガッツポーズをとりまくる。よっし!と思ったその時、自動ドアのはずの部屋の扉がガンッッッ!!!と嫌な音を立てて開き音のなる方へ思わず振り返る。
「チビ!!そこは告白しろよ!!!!!」
シューッ…とマイクを使って叫んだような声を上げた士道が開けた自動ドアが何やら痛々しい音がするが、それ以上に士道が明らかに重要なことを俺に言い放ったことに気づいた俺はバッッッと玲王の方を向き直り顔を見る、彼は恥ずかしそうに目尻に涙をためて頬を紅潮させ、言葉にならない悲鳴をあげると共に叫んだのだった。
「好きだっていい直せよ黒名のバカ!!!俺も好きだよ!!!」
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俺の1番の美容師さん【千玲】
○謎時空
○捏造、キャラ崩壊、口調迷子注意
千切視点
ココ最近のブルーロックではなぜかろくに髪をいじるやつもいないにもかかわらず、『ヘアアレンジ』が流行していた。きっかけは多分どこからか入ってきた雑誌だったと思う。
聞いた話によれば廊下の床に落ちていた雑誌を拾った蜂楽が談話室にみんなを集め、雑誌を皆で揃いも揃って見ていたそうだ。その時つい目に止まった『ヘアアレンジのやり方、これで男の子も夢中に!』という1ページのタイトルに目をやった乙夜がどの髪型が一番好みかという、修学旅行生の寝る前みたいな話し合いが始まり、あれがいいこれがいいといい感じに話し合っていたところで烏の
「そういえば、ヘアアレンジできるやつって女子からモテるらしいで」
姉のいる烏のその言葉は女子との関わりが滅多にない男子高校生の関心を引き立てるのには十分で、皆取り憑かれようにブルーロック内で長い髪のやつを見つけてはヘアアレンジをしてモテる練習をしているらしい。そんな話を潔から聴いた時は「烏のやつ冗談みたいに言ったのに、女性経験の少ない奴が多いせいで本気にされちまったんだろうな…」と、周りのヤツらの様子を聞いて終始呆れながら耳にした。
「では!!ここでこの1ヶ月のヘアアレンジグランプリを発表いたします!」
みんなすぐ飽きると思っていたそれは、意外にも長く続いてしまい今では月一で、ヘアアレンジ大会が開催されるまでになってしまった。勿論試験監は髪の長い俺と、オシャ、プラスで何故か強制的に髪を降ろおされた馬狼の3人がやるのが恒例である。監獄唯一の女性である帝襟さんでも良かったのだが、これ以上帝襟さんに迷惑をかけるのはさすがに失礼だろう…ということで俺たちへの迷惑を無視してヘアアレンジ大会が始まった。
このヘアアレンジグランプリの司会は乙夜で、楽しげにワースト順位からベストまでの上位五名をそれぞれ発表していくことになっている。ワースト順位TOP5に入ってしまったものは罰ゲームとして、1日交代で俺とオシャの髪のセットをやらされることになる。(俺がセットされた髪型が気に入らなかった場合、何回もやり直しをさせられるオプション付き)俺としては色々な髪型をチャレンジするし、自分で髪型を決めることの無い面倒さが省かれて楽なのでとても嬉しい。そんなワースト5名は罰ゲームで俺とオシャの髪セットをやらされる反面、ベスト5名は馬狼特性プリンを頂ける特典を持っている。しかし馬狼が作ってくれる時と作ってくれない時があるので、作ってくれるようにするには器用なやつを呼んだり、馬狼のテンションを上げて調子を良くするようなことをする人間が必要なのでまぁまぁ面倒なのだ。
それでも馬狼の特製プリンはそんな面倒さを捨ててもプラスでいられるほど美味いと、食べたものたちの大絶賛によりまだまだ活躍中だ。こんなことを考えていたら、乙夜が周りを見渡してニヤニヤしてきたので順位発表だろうと察知して乙夜の声に耳を立てて真剣に聞き入ることにした。
「えぇ、そんじゃあまずはワースト5位、4位、3位の発表です!ワースト順位に名前が入っているやつは前に出て皆にその自慢(笑)のお手手を見せてやってくださーい笑」
乙夜はニヤァ…と嫌な笑みを作って談話室に集まっているみんなの顔を見て反応を伺い、すぅ…と息を吐いてから順位発表を行う。
「えぇ…ワースト5位…。な、な、なんと!この人がランクイン!雷市 陣吾選手〜!」
「あ”ぁ???おいお前ふざけんじゃねぇぞ!!俺のどこがワースト5位なんだってんだ!」
「えー、では審査員の方々コメントを〜」
乙夜はいつも通りの返しに慣れた様子で審査員と呼ぶ俺たちの方を見てくるので、安定にコメントを返していく。
「いいか?お前の手つきはノットオシャ…だ。髪を縛りまとめる時、髪1本1本を繊細に扱ってなく毛が傷ついてしまう…よってお前は5位だ」
「あー…俺からは1つ。お前人の髪雑に扱いすぎ。あれは 痛むわ」
「…フン。丁寧に扱いやがれ」
オシャ、俺、馬狼の順で正当に順位コメントをつけていき雷市はグッとしてしまうが思う節があったのだろう、押し黙りクソッ…と呟いて胡座をかいて座る。落ち着いた雷市をみて乙夜は次のワーストの人間の名前を口にする。
「それではワースト4位の発表です。4位は〜…。ででん!なんと剣城 斬鉄選手でございます!」
「なっ!?俺がワースト4位…だと?」
「それでは審査員の方々、コメントを〜」
「お前はまずヘアアレンジのやり方というものを知らないのか?髪を結ぶと言ったらヘアゴムではなく食堂から輪ゴムを持ってきて縛ろうとするのが特にノットオシャポイントだな」
「俺はシンプルにパイナップルみたいな髪形にされたのがやだったわ」
「…。いくら馬鹿でもヘアアレンジくらいは勉強しろ」
またもや辛辣なコメントが斬鉄に降り注ぐが、そもそも髪をろくに結んだことがないのだろう。イマイチピンと来ていない様子からして次回もワーストに入ることがわかってしまい「嗚呼…」と同情のようなものが感じられてしまう。そんな斬鉄は凪に 「ワーストってなんだ?」と聞いている限り全く気にしていなさそうで逆に安心してきてしまう。
「えぇ、それではいよいよワースト3位の発表です!!3位は〜??糸師 凛選手〜!」
「……ふん。」
「それでは、審査員の方々コメントを」
「凛、貴様俺の髪を結びに来なかっただろ。よって3位だ」
「以下同文」
「…俺の答えは前のやつが言った」
凛はなぜか強制的にこのヘアアレンジグランプリに参加させられてしまい、強制的に罵倒されている。本人は皆に仲間はずれにされていないからか別にこう言われても不満そうにしている様子はなさそうで斬鉄同様安心してしまった。
「それでは、ワースト2位と1位はベスト5位から3位の発表の後にします!ってことで、ベスト5位の発表でーす!!なんと5位にランクインしたのはイケメン紳士、雪宮選手!それでは審査員の方々、コメントをお願いします!」
「雪宮、お前のヘアアレンジはとても丁寧で結ばれていてとても良かった。が、敢えて言うなら創造性を磨くべきだ。それ以外はパーフェクトだ」
「俺は単純に雪宮が結んでくれたお団子が崩れたからそれが嫌だったわ。ほかは別にいいんじゃね?」
「……レパートリーを増やせ」
「ふふっ、お褒めいただき光栄です」
雪宮は相変わらずにっこりと微笑みながら俺たちのコメントに、にこやかに対応して紳士的に微笑む。これだからモデルは…と思うが話が進まないのでスルーさせてもらう。
「それでは、4位の発表です!!デレデレデレデレデデン!!潔選手です!」
「えっ!?俺?!」
「それでは審査員の方々〜」
「いつも千切の髪をいじらされているからか、髪の扱い方は手馴れていてかつ縛り方もまぁまぁ。だが、お前は紙に対するリスペクトが足りないと俺は感じた。よって4位だ」
「んー…俺は単純にお前のやり方ワンパターンだから飽きたわ 」
「…潔のくせに生意気だ」
「ちょっと!?最後の方私情はさんでるやついるんだけど審判!」
「んー…ま、審査員の審査に俺口出しできないんで、乙ってことで。ではでは、3位の発表です!!3位は〜?黒名蘭世選手〜!」
「! 俺、3位?」
「では審査員のコメントでーす」
「日頃から髪を編み込んでいるからか、編み込みが特にうまかった。よってオシャポイントを授ける」
「ま、オシャと同じで編み込みがすんげぇ上手かったからが一番の理由だな」
「…編み込みだけは評価してやる」
黒名はベスト上位二入ったことでぴょんぴょんと飛び跳ねて近くにいた玲王に興奮しながら「3位!3位!」と報告して玲王も玲王でそんな黒名の様子にほっこりしてにっこりと笑みを作って、楽しそうに黒名の頭を撫でて褒めまくっている。2人の微笑ましい様子を横目で見た乙夜は視界の進行を進めるべくワースト2位のものの名前をあげようと口を開く。
「はーい笑、それでは気になるワースト2位とベスト2位の発表とまいりマース!まずはワーストから…2位は〜?イガグリ選手〜!」
「は!?俺がワースト2位!?ベストじゃなくて?!」
「それでは審査員の方々、コメントをどうぞ〜」
「まずノットオシャポイントを1つ、手が不衛生だ。練習後に他人の髪を触る時は手を洗ったあと消毒をしろ。手汗まみれで触られて不快だった。ノットオシャポイントその2、手つきが気持ち悪かった。よってお前はワースト2位だ」
「俺はまずオシャと同じ理由がひとつ、それと明らかに狙ってくるような気持ちわりぃ視線がキモかったから2位で」
「ビビりすぎで唾飛ばすんじゃねぇ、カスが」
俺たちの最もすぎるコメントにイガグリはガクンとうなだれて地面につっ伏すが、気持ち悪すぎる所業に誰も言葉をかけてあげないあたり、イガグリの評判が垣間見えてくる。
「くっそぉぉ……ワーストかよ…」
「ではでは、イガグリもほどほどにして気になるベスト二位は〜?!な、な、なんと!國神選手でございまーす」
「! マジか。そうやって評価して貰えると嬉しいな」
「それでは、審査員の方々〜」
「オシャポイントその1、今日の調子を聞いて相手が喜びそうな髪型を模索していくところ。オシャポイントその2、髪を丁寧に扱う上にレパートリーも豊富。だが、ひとつ足りないところといえば1位の人間との技術差の差だ。普通の人間よりかはオシャだぞ、國神 錬介」
「んー、話しながら結んでくれるのはいいけど娘のことは心配なのはわかっからその話題しすぎでもう飽きんだよ。話しのレパートリーの問題」
「……。まぁまぁのできだ。悪くねぇ」
俺たちからいい評価を貰えた國神は照れくさそうに微笑みながら、潔にやったじゃん!と背を叩かれて嬉しそうに微笑んでいる。
「えぇ、悪い評価といい評価それぞれ聞けたよな。そんじゃお待ちかねのワースト1位とベスト1位の発表でーす!ワースト1位は〜?蜂楽 廻選手〜!!」
「えー…?俺イガグリより下なの?」
「では、そのわけを聞かせてあげましょう。どうぞ!」
「まずノットオシャポイントその1、口にくわえたゴムを使うな。ノットオシャポイントその2、結び方がわからないからと言って鳥の巣にするのはやめろ。ノットオシャポイントその3、髪の毛にセミのぬけがらやら歯磨きをさすな。」
「俺から言えんのは1つ。話すのはいいけど鳥の巣はやめてくれ」
「……俺はこいつがやる時だけ辞退する」
俺たちのコメントを受けてもなお「えー…」とか「そんなに嫌かなぁ」なんて抜かすせいで潔に「ま、まぁセミはねぇかな…」と言われガビーンと固まる蜂楽。いや、そんな驚くことじゃねぇだろ…
「散々なコメント、頂けましたねー!それでは気になるベスト第1位の発表です!!1位を掴み取った方は…御影 玲王選手〜!」
「マジ?」
「それでは、審査員の方々コメントをどうぞ!」
「まずオシャポイントその1、髪型のレパートリーが豊富で、気合いをあげる髪型をやってくれる。オシャポイントその2、相手のそそる話を振ってきて話が盛り上がりやすく、ヘアアレンジの時間がおしく感じさせられる、オシャポイントその3、相手の調子をすぐ見て判断してヘアアレンジをする人間が気に入りやすい傾向の髪型を取り入れられる上に、独自のアレンジも加えて興味をそそりやすい。よってお前がナンバーワンだ」
「俺から言えることはほぼオシャが言ってくれたんだけど、強いて言うならマジで有名美容院店の社長か?って思う並に丁寧で綺麗だわ。店レベル、てかプロ級」
「フン…また話してやってもいい」
「それでは、これにて今月のヘアアレンジグランプリ大会は終了いたしました!!ワースト順位で呼ばれた皆様は後ほど烏に、交代日の日程を聞きに行ってくださーい。んじゃ解散」
乙夜のその言葉を最後に、みんなは次々と解散していき談話室から続々と出ていく。俺もなんだか疲れたしさっさと帰ろうと腰を上げた時、聞きなれた声に引き止められる。
「お嬢」
「! 玲王じゃん。どーしたんだ?」
玲王は先程グランプリで1位を取ったのにも関わらず、その表情は暗くどこか悲しげで寂しそうな雰囲気を漂わせていた。そんな玲王は特徴的な麻呂眉を下げ眉にして、困ったように喋り始める。
「…ほんとーはさ、國神が1位だったんじゃねぇの? 」
「…。はぁ?」
「いや、だって俺髪の長い人の髪なんてろくに結んだことねぇし、今回のやつだってプロのヘアアレンジ動画見て、自己流に解釈してやったやつだし昔から姉妹に揉まれてきた國神の方が上手いって感じてさ…。で、本当はどっちなんだ?」
俺は玲王の様子に呆れてものも言えなくなってしまい、ポカーンと固まった時後ろから予想外な人物がやってきて口を開く。
「何1位が疑心暗鬼になってんだ糞が。これは正当な評価に決まってんだろ、じゃねぇと俺はおまえにまたなんて要求しねぇよ」
馬狼は玲王の目をじっと見つめてそう言ったあと、フン…と息巻いて談話室を後にする。そんなツンデレ?馬狼の様子を見送ったあと、ポカーンとしていた玲王はぷっと吹き出す。
「ハハッ、確かに馬狼にあそこまで言われちゃ嫌でもわかるわ笑。悪いな千切、お前らの評価疑っちまって。次も1位狙えるように頑張るわ笑」
そう笑う玲王は俺に相談しに来た時とは打って変わって気が晴れたような笑みを作っていた。まさかの人物の登場に驚いたが玲王が馬狼の一言でここまで元気になれるのもなんだか釈然としない。なぜなら彼は…
「なぁに恋人の前で他のやつの言葉に惑わされてんだバーカ」
「はぁ!?こ、恋人って…////今ここ談話室だし人がまだ…」
玲王は俺の言葉によってさっきまで笑っていた表情を固まらせ、言葉を理解した瞬間カァーッと頬を真っ赤に染めて俺に怒り出し、周りを見渡すとなぜか周りの奴らはこちらを生暖かい視線で見守っており玲王は困惑の表情をつくる。
「大体、俺も審査員なんだから俺の評価した言葉を信じろっての。お前はもっと自信もっていんだよ、ヘアアレンジもサッカーも。俺の恋人としても」
なーんてウィンクで最後の言葉を飾って「じゃ、帰るわ」と玲王に向かって言って談話室を後にした数秒後、談話室の方から「はぁぁぁ!?!?」と言う叫び声がブルーロック中に響かせた。
»————-あとがき————–«
大遅刻、誠に申し訳ございませんでした…まだ新年から1週間経ってないのでセーフということでゲロ甘い目で最後まで見て下さり感謝しかございません…サムネが決まらなくて投稿できないし、そもそもカプのネタがなくて思うように書けないしのダメダメの連続でして…ほんっっっとうに申し訳ございませんでした。バレンタインの時の小説は考えさせてもらいますことをここに宣言いたします…
コメント
3件
とりあえず、1500いいね押しときました!!凪玲も千玲もよかったんですけど、本当に黒玲最高すぎる。。。いつもご感謝😭