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次の日の夜、陛下の御渡りがあった。
「陛下、陛下!」
「何だエティーナ?」
「聞きましてございますよ!」
「何を?」
「シャルナーク軍が大軍にて攻めてくるようでございますね!」
「あぁ、それか…
そなた、嬉しそうだな…」
「なっ!?
ば、ばかな!
嬉しいはずなどございません!
えぇ、そうですとも!
戦と聞いて燃え上がってなどおりません!!!」
「なにもそこまで言って無いのだが…」
呆れ果てる皇帝陛下をよそに私はワクワクしていた。
「陛下はシャルナーク軍との戦の戦術会議でうんともすんとも言われなかった、とか…
何か、策があるのでございましょう!?」
「ふむ…
あるには、あるが…」
「ぜひ、教えてくださいませ!」
「良かろう…
ただし、決して他言致すなよ?」
「わ、わかっております!」
皇帝陛下も何だかんだで、百戦錬磨の将…
つまり、戦話ともなれば、私同様燃え上がるのだ。
「俺が話し合いの場で何も言わなかったのは、間者を気にしてのことだ。
シャルナーク国は諜報部隊に優れているとも、聞く。
敵を欺くならば、まずは味方から、という訳だな。
作戦はギリギリになって公表するつもりだった。」
「なるほど!
して、どのような策なのです!?」
「ふむ。
おそらく敵軍のシャルナーク軍は、エストの街の方角からこのように、このような進路で入ってくるはずだ。」
「なるほど。
そうでしょうね。」
「となれば、決戦の場所はどこになると予測出来る?」
皇帝陛下の試すような問いに私は数秒考える。
「おそらく…
両軍の速度を計算に入れると…
ここ!
エスト丘陵地が戦いの場になるかと思います!」
「そうだ。
丘陵地、つまり、山谷の入り乱れる地だ。
シャルナーク軍はおそらく3万以上の軍で来るだろう。
対して我がエドババーバ軍は1万と少し。
数では圧倒的にあちらが有利だ。」
「で?で?
どうされるのですか!?」
私は身を乗り出す。
「まぁ、落ち着け。
いいか、エティーナ。
シャルナーク軍は大軍で来ると言う所に驕りがある。
一万の俺の軍など、木っ端微塵にするつもりだろう。
しかしな。
丘陵地では、山谷が入り組んでいる為に三万の軍を一度に動かすのは、不可能なのだ。
つまり、敵軍は一万ずつの小隊に分けて移動するはずだ。
そして、俺はそこを狙い打とうと考えておる。
三万と一万ならば、勝ちは薄いが、一万対一万ならば、いかに!?」
皇帝陛下は言う。
「なるほど…!
お見それしましてございます!
この度の戦の勝利は皇帝陛下にあると確信致します!」
「あぁ…
必ず勝つ。
この国の為にも、世を平定する為にも、そして、そなたの為にも…」
そうして、夜は更けて行くのだった。