コメント
2件
やばいめっちゃ好き!! ほんまに仕事ほっといて2人きりで仲良くラブラブして欲しい() 表現の仕方が相変わらずお上手で👏
青黒
【せっかくのクリスマスなのにね】
黒視
「ごめんねあにき……せっかくのクリスマスなのに……。」
申し訳なさそうにこちらを見つめるまろ。
「職場でインフル流行ってるんやろ?人手不足ならしゃーないやん。」
ネクタイを結んであげながら、仕事へ行くのを惜しむようなまろをなだめる。
今日はクリスマス。毎年まろとはデートに行くのだが、今年は職場でインフルが流行りまくってるらしい。べつに俺は子供じゃない。約束していたデートが延期になったくらいで拗ねたりしない。寂しいけど。
「またお休みとるから絶対にデートしようねぇぇ~……。」
なんて言いながら抱きついてくる。
うん。とだけ答えてまろの背中に手をまわしぎゅっ、と力をいれる。
彼の背中は男らしくちゃんと厚みがあって暖かい。この体温が少しでも下がってほしくなくてマフラーを巻いてあげた。
ぱあっと喜ぶまろの顔を見るとこちらも嬉しくて。だけど、楽しみにしていた今日の予定がなくなることに少し寂しさが増す。
「それじゃあ行ってらっしゃい。気をつけてな。」
「うん。行ってくる。」
ちゅっ。と音を立て、俺の額にキスを落とした彼の背中を見送った。
外から冷たい空気が入ってきて寒かったけど、熱くなった顔にはちょうどよかった。
青視
「はあああ〜〜〜〜!!!やっと終わった!!!」
暗くなった窓の外を見ながら縮こまった背中を伸ばす。時刻は19時。今日は元々休みの予定だったから同僚のぶんの仕事のみ終わらせた。もし俺が休んだときは頼むぜ、と心の中で呟く。
まだ何人か社員さんはいるものの、俺は先に上がらせてもらった。
外は想像していた通り寒い。会社の中が暖房が効いて暖かかったから余計寒く感じる。
せっかく体を伸ばしたのに、また体が縮こまる。早く帰ろう。そう思って歩き始めた。
あれ、待って、あれってもしかして……
「あにき…?」
愛おしい恋人の名前を呼ぶとちらっとこちらを見る。
「あ、!まろ!」
「お仕事お疲れ様。」
優しく笑いながら俺の頬にココアの缶を当ててくれる。暖かい。
「あにき、迎えに来てくれたの?」
そう聞くとこくんと頷く。かわいい。
「少しでも早くまろに会いたいなって思って。」
寒くて鼻と頬が赤くなっていてかわいい。そのうえくりくりのおめめでこっちを見てくるのやめて。上目遣いじゃんむりすき。
「寒かったやろ?ありがとな。」
嬉しくて、かわいくて。寒そうにする彼を少しでも暖めたくて着ていたコートであにきを包む。
驚いた様子だったけど、「まろ、暖かい」って控えめにくっついてくれる。
外でスキンシップをあまり取りたがらないあにきがくっついてくれることが嬉しかった。
「あにき冷たいよ……早く帰ろっか。」
思わずキスしたくてあにきの頬を掴んでみればひんやり冷たさを感じる。
「うん……。まろの手暖かい。」
頬に当てた俺の手が離れないように手を添えて、スリスリする姿が猫みたいでかわいい。外で思いっきり甘える様子に寂しかったのかな?と申し訳なさを感じた。
「今日はシチュー作ったんやで。まろ好きやろ?」
「え、ほんま!?!?すき!!あにきの作るシチューだいすき!!」
「ふふん、作ってよかったわ。クリスマスなんだし、ケーキも買って帰ろうぜ!」
「うん!もちろん!あ、!あとイルミネーションも見て帰ろうや!」
「お、ええな。」
恋人繋ぎをしてイルミネーションを見に行く。ケーキ屋さんってこの辺はどこがいいかな…って考えてるとあにきがぽつりと呟いた。
「俺な、今日寂しかった。まろが仕事だったんだからしゃーないし、誰も悪くないで?でもな、この日はいつも隣にいるはずのまろがおらんくて…早く会いたかった。」
今にもかき消されそうな声だったけど、なぜかはっきり聞こえた。
ああ、やっぱ寂しい思いさせてたんやな。
思わず彼を抱きしめた。
「そうだよね、あにき寂しかったよね……ほんまにごめん。俺も仕事しながら早くあにきに会いたいなって思ってた。」
「明日さ、仕事休むわ。あにき休みやんな?今日の寂しさを忘れるくらい、明日あにきの隣にいてもいいですか?」
恥ずかしがって無反応の彼を見つめる。
表情を緩ませながら「当たり前や」と言う彼の瞳の中はキラキラと光るイルミネーションが映る。
この人と、ずっとずっと隣にいたい。
愛してるじゃ足りない。
それくらい愛おしくて、かけがえのない存在。
早く家に帰ってプレゼントを渡したいな。
冷たいあにきの手をしっかり繋ぎ、また歩きだした。