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なかむ
何?
どう思う
ふは
何度も言ってるでしょ
俺はただ興味が出ただけだよそれ以上のことはない
お前こそ、どう思っているの
….永遠に素行が治らないと思っていたやつに
頼れる人ができて
しかもそれが突拍子もない“こたえ”を
おもしろい、と思う
うーん
これは“例外”だからね
俺はすごく楽しみなんだ
もちろん他の子達もだよ
あの院からくる子たちが楽しみだ
堀の兵士に入るのは十数人だろ
結局俺らが見るのは2人だ
そうだね
スマイルの方に人は?
今回は入れない
気になるやつはいなかった
そっか
じゃあ2人のサポしようね
あぁ
ねえーーすまさーーん
そう小声だけれど、嘆くような声がインカムを通り抜けたのは少ししてからだった
ぶるーく、何かあったか?
ねーー
シャークんの機嫌損ねちゃったかもーーーー
あぁ、ほっとけほっとけ
今どこだ
もうつくよ
じゃあ正門まで出る
そこにきりやんも連れて行くわ
一旦俺はそっちのサポ
うん、ありがと
そう言って切れたインカムをポケットに入れて立ち上がった
きりやん、正門だ
行くぞ
おーもうそろか確かにな
すぐに立ち上がったきりやんは机に置いていたインカムをポケットに入れた
______________________
お前はどう思う
2人のことか?
別になんともだな
俺はきんときとやらに基本を仕込むっていう役目だから
勝手な情を入れてる間もないだろ
…..間違いない
きりやんが見据えていた方から人がくる
1人はよく見慣れた顔だ
ぶるーく、
やんわりとした髪の毛と表情とは裏腹にがっしりとして大きな体つきをしている
もう2人の圧に押し負けたのか少し凹んでいる様子だ
その一歩後ろを歩く、背の高い方
きんときだ
こちらにきて少しですぐに身長が伸びた
体つきも悪くはない
何があったのか、目を輝かせたまま歩いている
その横を歩くシャークんはみるからに不機嫌
背丈は明らかにきんときに越されている
ただ、手を出さずにここまできていることに感動するだけだ
あ、すまさーん!やんさーん!!!
ほぼ突進してくるように近づいてきたぶるーくを一歩身を引いて迎える
お疲れ様
交代だな
俺の顔を見て後退りするシャークんの手を取る
シャークん
俺がここを紹介しよう
….いや、いい…
俺が言っているんだ行くぞ
そのまま3人を置いて2人で離れた
連れ去られるように歩いていった2人をみて眉尻を下げたきんとき
それに声をかける
よ
久しぶりだな
きんとき
あ、来た時の..
そ、通訳な
まあもうその必要はないみたいだけど
笑いかければぶるーくに背中を叩かれる
いたっ
なんだよ
ねえやんさーーん僕シャークんのお世話係なんてできるかなあーー
そんな凹むな
初対面、誰でも心許すようなやつじゃないって
うー
まあいいや僕スマさん追いかけたほうがいいよね
そうだよいけいけ
はーい
重たい足取りで離れていくぶるーくが廊下を曲がって見えなくなった時だった
きんときがそっと口を開く
最近、流行病がひどいですよね
?
そうだな
スマイル様
休んでいただいた方がいいと思いますよ
流行病にかかっている
そういったきんときに俺は何も返せなかった
こいつには何が見えている?感じられている?
わかるわけがない
ずっと力労働だった移民だ
そもそもこれまで使っていなかった言語でこんなに丁寧語を話すなんて到底不可能…
あ、すみません
信じられないですよね
ただ少し医師に診せるくらいはしてみてほしくて…
….いや、話しとくよ
それにきんときについた俺がお前に叩き込むのは
シャークん
シャークんは下を向いたまま手を引き剥がそうともせずついてくる
その様子に疑問を抱きながらも声をかけるが返事はない
シャークん
ここが_______
ここが訓練場だよ
僕が君に叩き込むのは短銃と短剣だ
背後から声がして振り返る
さっきまで凹んでいたのにどこでそれを飛ばしてきたのか
爽やかな顔をしてシャークんをみている
短銃…….?
少し触ってみる?
ね、時間あるしいいよね
そうぶるーくもわくわくとした様子だ
それもそのはず
ぶるーくが返事を待たずに準備に取り掛かるのを横目に置かれた椅子に腰掛ける
シャークんはぶるーくに手袋と重い射撃ベストを羽織らされ棒然としていた
何がこいつを変えたのだろう
あいつは一体何を
俺はきんときとシャークんのことを考えていた
ずっとずっとそうだ
2人とも初めから何かが周りと違っていて
でもそのベクトルさえ真逆だったような気がする
ぶるーくが構える
的は変えられていないからすでに穴が空いている
重い鈍い音がしてぶるーくの体が少し動いた
シャークんは目を見開いてぶるーくを見ていた
俺は思う
もう一般の人とは着眼点が違う
皆どれほど真ん中に近いところに当たったかと的を見るんだ
あいつは違う
ただその動作に見惚れているようだ
シャークん、おいで
ここに立って
まっすぐ持つ
床と水平になるようにね
がっしりと構えるシャークんを見てすぐにハッとしたような顔をしたぶるーくはそっと肩の力を抜かせて離れる
一瞬ほらね、というようにぶるーくはこちらを見て微笑んだ
瞬時に、何も言わずに、聞かずに
シャークんは思い切り引き金をひいた
さっきと似た重い鈍い音
俺は的を見ていた
ぶるーくもだ
シャークんの弾は
真ん中を射ていた
きんときを連れて廊下を歩く
もうほとんどの施設は紹介し終えていた
その間、訓練時間でもないのに銃音が2回
あらかた想像はつく
あっちはうまくやっている
こちらはといえば
俺よりも一回り背の小さいきんときの顔に目を向ける
来た時とは違って不安でいっぱいいっぱいのようだ
話す順番を間違えたか、それとも何かが気に触れたか____
そう思っていた時ポケットに入れていたインカムから音が鳴る
そろそろいいでしょう?連れてきてよ
なかむの声だ
了解
そういってまたポケットにしまう
きんときが不思議そうにこちらを見ていた
なかむのところにいこう
そう笑いかけた
お、きたね〜
な、言ったとおりだろ
机の上にたくさんのお菓子やフルーツ、飲み物を置いて待っていたなかむに目を向けつつきんときに言う
す、すごいですね…
これには不安気にしていたきんときも苦笑いだ
ありゃま?
きんとき、顔色悪いね
そう言ったなかむに彼の体がぴくりと動いた
が、誰もその後言葉を発さなかった
俺はただ沈黙して
なかむはきんときの言葉を待つように
きんときは何も言いたくないと言うかのように
ま、一旦みんな集まるまで経とうぜ
どうせはしゃいでいるんだろうけどな
そうだよ、3人が訓練場に
副管から連絡入ったからね
銃音がしますって
ま、事前連絡を入れないあいつらが悪い
きんときに座る場所を教えながら話す
その間なぜか神妙な面持ちをしていたきんときは落ち着きを取り戻している
遅れた
主にぶるーくのせいで
あの後はしゃぎにはしゃいだ2人のせいで2人から催促の連絡さえもきてしまった
談話室を開ければ案の定と言ったような光景が広がっている
わー!超たくさんあるじゃん!
さいこ〜!
遅いんだよぶるーく
さっさと座って乾杯だけさせて
なかむはとっくのとうに不貞腐れていて面倒くさそうだ
それを読み取ったのかきんときが苦笑いをしている
2人を座らせて、俺も座って
それぞれが飲み物を手にして
グラスをあげた
魂を探す
それが人生の醍醐味
同じであることと
違うことと
もつれてはなれて
コメント
1件
うわあああ第8話もめっちゃ重くて熱い…!😭💥 シャークんが初めて銃を構えて、何も言わずに引き金引いて、しかも真ん中射抜いちゃうとこ、鳥肌立ったよ…!あの「見惚れてる」ってすまさんの視点、めっちゃエモい。きんときの「流行病」発言も不気味で気になるし、なかむの「魂を探す」って締めも深すぎる…。2人の“違うベクトル”がどう交わるのか、続きが待ちきれないよ〜!!🌸💕