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第1話
買われた俺
目が覚めるとそこは暗い牢屋の中だった。
灯りは松明と外から差し込む日光だけ… そんな牢屋だった…。牢屋には寝床しかなかった、俺は何者かに買われた…人間オークションだ。要らない子供や赤子を売り飛ばし落札され、その金を貰うのが目的だろう。俺は母親と父親から
「あんたなんて要らない」「産まなきゃよかった…」「生まれなきゃよかった。」「居る価値なんて無い」
と言われ続けて暴力も暴言も吐かれた。当たり前だ。俺は特別な才能も無ければ、勉強も運動もそこそこだったからだ…売り飛ばされて当然だと思った。人間の命なんて軽いものだと実感した。要らないと思ったら捨てたり、殺したり、なんの為にそんな事をするのか、俺にはよく分からない。殺したところで誰かの為になってる訳が無いのに…。俺を買った男は、何が目的なのだろうか…臓器かそれともまた違うやつに売るつもりなのか、男は俺が目を覚ましたのに気付いたのか牢屋の前に来て、
「これから宜しくね…今日はもう寝た方が良い、おやすみ。」
と言い去って行った。こんな牢屋で寝られる訳無いだろう…と思っていた。男は俺を1000万で落札したそうだ…。なんで俺なんかにそんな金を使えるのか本当に不思議だった。俺に生かす価値なんてあるはずが無いのに。寝る前はそんな事を考えていたがいつの間にか、眠りについていた。きっと…疲れていたからだろう。その日から俺の監禁生活が幕を開けた。これから…俺はあの男に何をされるのか、考えていても相手の考えなど俺に分かるなんていうことがあるわけ無い。
助けを求める考えも脱獄する事も…全て…頭になかった。助けてもらったとしてもまたあの母親と父親の所に戻るだけだ…。脱獄したとしても戻る場所など無いのだから。俺はこのまま死ぬまで監禁生活を続ける選択肢しか無い…。それの方がずっとマシだと思ったからだ。