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第十八話「予想通り」
地下施設。
第三幹部・ノアは壁にもたれ、肩で息をしていた。
腕には深い傷。
全身は血まみれだった。
「……ふざけるな。」
拳を壁へ叩きつける。
「俺が……。」
「新人相手にここまで追い詰められるとは。」
ゼノが静かに近付く。
「傷が深いな。」
ノアは舌打ちする。
「油断した。」
「神城怜。」
「あいつの能力を甘く見た。」
ゼノは静かに言う。
「もう休め。」
「古流斬の監視は俺がやる。」
ノアは首を横に振る。
「いや。」
「取りあえず古流斬を守る。」
「俺ならまだ、それなりには戦える。」
「今までも牢の護衛は俺がやってきた。」
ゼノは少し考えた後、小さく頷く。
「好きにしろ。」
⸻
牢獄。
特殊な封印の牢。
古流斬は壁にもたれ、静かに座っていた。
手錠は外れない。
能力も封じられている。
扉が開く。
入ってきたのはノアだった。
古流斬はノアを見るなり笑う。
「そのボロボロ。」
「誰かに負けたか?」
ノアは眉をひそめる。
「……黙れ。」
古流斬は苦笑する。
「図星か。」
ノアは壁にもたれながら言う。
「神城怜。」
「あいつに意識を入れ替えられた。」
「その隙をバッドに突かれた。」
古流斬は静かに目を閉じる。
そして、小さく笑った。
「……やっぱりか。」
ノアは睨む。
「何がおかしい。」
古流斬はゆっくり答える。
「俺の予想通りだった。」
「神城怜の能力は、最初から意識をずらすだけじゃ終わらないと思ってた。」
「修行でもそう言っておいた。」
ノアは驚く。
「……最初から気付いていたのか。」
古流斬は肩をすくめる。
「確信はなかった。」
「だが、あいつなら辿り着くと思ってた。」
少し沈黙が流れる。
ノアは小さく笑う。
「弟子を信じていたわけか。」
古流斬も笑う。
「ああ。」
「俺の弟子だからな。」
その言葉を聞いたノアは、静かに剣を握り直した。
「次は負けない。」
古流斬は真っ直ぐノアを見る。
「次は。」
「神城怜ももっと強くなってるぞ。」
ノアは何も答えず、牢の外へ歩いていった。
牢の中。
古流斬は一人、小さく呟く。
「神城。」
「いい成長だ。」
「だが、まだ終わりじゃない。」
その瞳には、弟子への期待が宿っていた。
⸻
第十八話 完
コメント
1件
おお、18話読んだわ!ノアがボロボロになって戻ってきたところから、古流斬が「予想通り」って笑うとこ、めっちゃ痺れたな🔥 師弟の信頼関係がちゃんと描写されてて、「俺の弟子だからな」のセリフにグッときたわ。神城怜の成長を最初から見抜いてた師匠の眼力、かっこよすぎる。次どうなるかめっちゃ気になる!