テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
アプリの存在を忘れていた。
ゆるせ。
《さとり目線》
あの子…
また、人間の友達を作ってしまったみたいね。
…どうせ……
裏切られて、また病む癖に。
何を調子に乗っているの…
クソが……ダメだ。ダメ。
こんなこと考えないようにしないと。
…
「 こいし 」
「 どうしたの?お姉ちゃん! 」
「 やめなさい。」
「 …何を?こいしちゃん、分かんないよー! 」
「 …分かってるでしょ。人間の友達とやらと関わるのをやめなさい。」
「 なんでよ!あの子はきっと優しいよ! 」
「 …あなたの“きっと“ほど、信用ならないものはないわよ。」
「 もういい!! 」
……あーあ、怒ったよ。
事実を教えてあげただけなのに…
…書斎で作業しよう…イライラする…
…あーもー…上手くいかない…集中できない…!
あの子がまた問題を起こしたら、私の責任になる…
あいつのせいで、私は…
もう、こんなの嫌だ……
もし、感情を無くせたら―
ダメだ。
覚妖怪がそんなこと考えちゃダメだ。
……
《こいし目線》
「 〜ww 」
「 〜!!」
…うるさい…声がずっと聞こえてくる…
はやく、あの子の家に…!
「 ねぇ〜!遊びに来たよ〜!ドアあけt 」
「 …ねぇ、あんた。この子誰?」
( 邪魔なんだけど… )
「 …知らなーい。 」
( 変な髪色… )
「 えっ… 」
「 覚えてないの!?私、こいし!古明地こいしだよ!」
「 …小石?おふざけもいい加減にしなさい。 」
( なに…この子は何を言ってるの…? )
「 古明地って…本当にしらない。 」
( 変な苗字、変な名前…笑
もしかして厨二病? )
「 ……!! 私のこと忘れたの!? 」
「 もう帰りなさい。お母さんも心配してるわよ。 」
バタン。
ドアが閉まった。
まるで、私のことを追い出すみたいな…
「 …… こいしのこと、忘れたんだ… 」
《さとり目線》
「 ねぇ、私、また嫌われちゃったみたい。」
…ほら、言ったでしょ。
後悔するって。
「 で? 」
「 辛いの!! 」
「 で、何したいの。それ、自業自得よね? 」
…こんなこと言うから、病むんだろうなぁ…
知ってても、ダメだ。
可愛く思えない。
大切な妹のはずなのに……!!
あぁ…その認識すら…!!!
「 私、あんたのこと助ける義理ないんだけど。」
「 ……!!…お姉ちゃん、酷いよ!!!こいしちゃんは、ただお友達を作ろうとしただけ… 」
「 すんな って言ったよね。 」
「 …ごめんなさい…… 」
あぁ…こいつ……
―自殺されちゃあ困る。
「 こいし、来なさい。」
「 …? 」
希望を持った目。私を見上げたの。
…涙でぐしゃぐしゃになってた。
「 悲しみを一切感じない方法があるわ。」
禁忌。もはや禁忌に近いことを提案してしまった。……内容が分からないこいしにとっては、甘い話なのだろう。
「 なにそれ!!知りたい!! 」
一気に元気になった。
…私の罪悪感は……
少しも仕事をしなかった。
「 じゃあ、待っててね。 」
何をするかも説明せずに、私はこいしの元を離れた。
「 …あった。」
裁縫セット。
「 …こいし。こっち来て。」
「 うん! 」
この笑顔も最後か。
こいしの袖と袖を繋ぎ合わせる。
…これで、抵抗も少ししかできない。
「 お姉ちゃん、なにして… 」
「 抵抗、しないでね。」
素早く縫った。なるべく苦痛は減らしてやりたかったから。
…いや、別に関係なかったかもしれない。
「 お姉ちゃ゛ん!!! 痛い!!!!痛いよ!!!! 」
甲高い叫び声。
口も縫ってやろうと思ったが…面倒くさかったからやめた。
「 ごめんね。 」
あまりの感情のない声に、自分もびっくりした。
心を読める私にも、読めない心はあるはずだ。
全てに例外があるから。
…それは、自分の心かもしれない。
自分の感情が、1番…理解不能だった。
「 痛いね。 」
「 やめて!!! やめてよ゛!!!お姉ちゃ゛ぁ ぁ゛!!! 」
ここまで絶叫してる人間…妖怪、を見たのは久しぶりだ。
無様で、無力で…どこか可愛い。
「 ありがとう 」
最後のひと針。
こいしの表情が、徐々に失われていく。
私がやったのか。
「 さようなら 」
ここからは後日談になる。
といっても、目立った出来事はない。
ただ…まるで、1人になったみたいに静かになった。
お燐も、お空も、普通に働いている。
ただ、いちばんうるさかった、あの
こいし…?が、無表情になってから、地霊殿は
異常に静かな気がした。
……あれ。
あの子の顔が思い出せない。
コメント
1件
みぃちゃん…読んだよ。 重かった…でもその“重さ”が、ちゃんと物語になってた。 さとりの抑えきれないイライラと、妹への冷めた目がひたすらリアルで、読んでて胸が押し潰されそうになった。 こいしの無邪気さが最後に笑顔のまま縫い付けられて消えていくところ…やりきれない。 「自分の感情が、1番理解不能」って台詞がすごく刺さった。 静かになった地霊殿の描写も、無言の残酷さが染みるよ。 お姉ちゃんの心の闇、ちゃんと受け止めたよ。
#火焔猫燐
Shinsa43
16
50
Shinsa43
21