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太宰に怒られ慣れていない中也の話

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太宰に怒られ慣れていない中也の話

1 - 太宰に怒られ慣れていない中也の話

♥

2,204

2023年12月17日

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中也って太宰さんがいつも軽い感じにからかってくるから言い返せるけど、部下に対応するときと同じめっちゃ怖冷たい太宰さんだったら中也は何も言い返せなくなれば可愛いなぁって言う感じの願望もりもり詰まったお話です

注意!(多い)

太中

16歳軸

ハッピーエンドだから安心安全

いちゃいちゃは最後のお楽しみ

付き合って無い(セフレでもない)

可愛い太中

中也が可愛い(通常運転)

格好いい中也は居ません

一瞬中也が過呼吸

難しい漢字に変換とかしてません

今回ちょっとノベルの癖に序盤台詞多い

誤字脱字があっても優しい目で見てください

注意書き等含め 6465文字です

小説版15歳見てないとちょっと分かりにくい表現あり(見てなくても全然大丈夫な範囲)


それでも大丈夫なら見てってね!


今回も手こずることはなく、順調に事が進んでいた。癪だが、彼奴の立てる作戦はいつも完璧だ。よし、あとはこいつを倒せば終わりだな。なにか無線から聞こえた気がするが、残り一体だ。別に気にするものでも無いだろう。


「重力操作___…!?」


しまった、こいつ異能力者か____













「すみませんでした…」

「中也君が大きな怪我とは珍しいね。こっちも情報が不足している中行かせてしまってすまなかったね。」


あのあと、俺は異能力者に不意を突かれ、手足の骨折、腹部に大きな傷を負ってしまい、ポートマフィアの医務室に運ばれた。


「いえ、首領は悪くないです。俺が気を抜いていたから…」

「こうやって言い合っていたら拉致が開かないよ。手足片方ずつ骨折、腹部に刺された傷がある状態だから、穴がしっかり塞がるまでここ2週間くらいは医務室でゆっくり休んでいなさい。」

「2週間も…!?駄目です、そんなに休んだら…」

「『他の皆に迷惑をかけてしまう』…だよね?」

「…はい」

「中也君、君は頑張りすぎ。2週間休んだくらいで皆怒らないよ。」

「でも、それでも…」

「首領命令。」

「……解りました。」

「では、ゆっくり休んでね」

パタン

「はぁぁぁ~~~~~~~~~~~~…」


どうしよう…

これからしばらく暇っていうのもあるけど、…太宰になんて言おう…これは完全に俺のせいだし、ちゃんと謝んなきゃな…でも…彼奴に素直に謝るって…なんか気持ち悪い。なんか良い感じにさらっと謝ろう。

ガラッ


「っ!」

「やぁ、中也」


太宰…謝らなきゃ…でも…


「うわ、太宰か。なんか用かよ。どうせまた嫌がらせだろ?このとおり今怪我してんだから、要らねぇことすんなよ。てかまず俺がこうなったのは__」


必死に謝る事から逃げようとし、止まらない口。ただ一言、「ごめん」と言えばいい話なのに。


「だから手前はほんとに_」

「それよりさ、まず僕に言わなきゃいけないこと、あるんじゃない?」

「っ…」


沈黙。たった一言。言えばいい。のに、喉に言葉が詰まって声にする事ができない。


「…」

「はぁ…君はヘマする所か謝る事も出来ないのか?」

「…」


言い返さないと、何か。でも、


太宰が怖い


「君がこんなにも駄目だったなんて知らなかった。謝る事すら出来ない子なんて、


いらない。



嗚呼、言われてしまった。俺が恐れていた言葉。

更に追い討ちをかけるように、


「こんなんだったら、一緒に相棒も解消しちゃおっか。使い物にならない人を隣に置いても邪魔なだけだし。」

「っ!?」


瞳が揺れたのが自分でも分かる。

嫌だ、それだけは。相棒、双黒という一緒にいてもなにも言われない、一緒に居なければならないもの、すなわち俺の存在価値が太宰にとって無くなってしまう。

嫌だ、嫌だ、嫌だよ。お願い、やめて、もう俺が生きていい場所を無くさないで。

だけど、またもや言葉を発することが出来なくて。

空気が凍てつくように冷たい。太宰と目を合わせることが出来ない。怖い。嫌だ。なんなんだよ、これ。相手は太宰なのに。


「後で森さんに言っておくから。」


駄目、だめ。言わないで。


「じゃあ僕は戻るよ。バイバイ、[中也君]。」

「!!待っ」


パタン


「っ…」


俺は、いらない。隣にいたら、邪魔。

当然だ。人の指示も聞かずに突っ込んで、挙げ句の果てには大怪我をして仕事も出来ない奴なんて、隣に置いても邪魔なだけだ。

それに…俺の呼び方…

駄目だ。このままだと思考が悪い方ばっかり考えちまう。こんなの俺らしく無い。

とりあえず今は何も出来ないし、この怪我を早く治さなければいけないから、この事は動ける様になってから考えるとするか…。


「はぁ…最悪だ…」











「中也君との相棒関係を解消してください。」

「何故そのような考えに至ったのかい?それに、その呼び方…」

「何故って…簡単なことですよ。彼奴は僕の指示も聞かずに敵に突っ込んで、全治1ヵ月以上の怪我を負った。しかも謝ることすら出来ないんですよ。使い勝手が悪いったらありゃしない。こんなの僕の隣に相応しくない。」

「うーん、でも今回はちゃんと事前に伝えていなかったのもあるし…」

「僕は無線で中也君が異能力者と戦う前にしっかり言いました。」

「でも今回はまぐれかもしれないし…」

「まぐれだとしてもやってしまったことは変わりません。」

「で、でも…」

「どれだけ解消させたくないの森さん!」

「どうしてもそれだけは駄目なの!!」

「なんでよ!」

「全く…気付くことは出来ないのかい?」

「はぁ?なに言って…」

「あのね、太宰君。君が思ってる以上に中也君は君のことを色々考えているのだよ?報告書を出すときとか、呼び出した時とか、ほぼ100%太宰君のことを話しているよ。」


はぁ…?なにそれ、意味わかんない。


「僕のことをあんなに嫌ってるのに?」

「私から言えるのはここでおしまい。後はよく回る自分の頭で考えてね」

「…相棒は解消するから」

「え」

「失礼しました。」

「ちょ、太宰く」

パタン

「全く…そういう話の流れじゃ無かったじゃない…。中也君は太宰君がいないと____」












ガラガラ…


医務室の入り口ドアの方が開いた。首領か?

__って、太宰かよ。


「…何だよ」

「君との相棒関係を正式に解消してもらったから。」

「………………は?」

「それだけ。じゃあね。」


数十秒の思考停止の後、漸くこの状況を頭が理解する。…嘘だ…本当に、もう太宰の相棒じゃねぇのかよ。隣にいちゃ駄目なのかよ。いやいやまさか…………本当なのか?

鼓動が早い。どうしても嘘だと思いたくて。太宰の隣に居たくて。……一人が怖くて。

息が苦しい。呼吸の仕方がわからない。


「はっ、はぁっ…ヒュ…ッ…げほっッ」


おい太宰、お前の相棒が苦しんでるぞ。助けろよ、おい、…あ、そうか、もう、俺とは相棒じゃないんだったな…


「だ…ざ………..ッ、」


………だざい、たすけて

だがそんな声も届かず、太宰は医務室を出ていった。

相棒関係が終わってしまったら、太宰も俺を見てくれなくなったら、俺のことなんか…


誰が見てくれるんだよ、太宰。













それから2週間たち、俺は医務室生活が終わり、執務室でパソコンとにらめっこの日々。なにせ手足は片方ずつ骨折してるし腹部の傷口もまだ完全には塞がってない状態で任務に出るなんて馬鹿でもしないだろう。みんなに迷惑になるだけ。もちろん、太宰にも………いや、それはないか。

あの日から太宰とは一度も話していない。まず自分が執務室にずっと籠ってるからもあるのだが、何処にいようが彼奴は嫌がらせをする。

太宰に謝りたい。会えるきっかけが出来るのなら、いっそ嫌がらせしにきてくれよ。何時もみたいに。もういい加減資料作製は飽きたんだ。なぁ、太宰。

……もう一度、チャンスをくれませんか。














あれから数週間たった。怪我は自前の回復の早さがあり、もうすっかり治った。…だが、心の傷だけはまだ塞がらすにいた。

あれから多少執務室から出て、数回太宰とも会ったものの、俺なんかここには居ない見たいに綺麗にスルーして俺の横を通りすぎていく。それをさせるだび、心の奥がちくりと傷んだ。最近は声すらまともに聞いていない。彼奴の楽しそうな声、悔しそうに呻いてる声、何の興味も無さそうなぼーっとしてる声。…きっと俺だけが知ってる、汚濁を使った後の、優しく、暖かい声。

あの声で「お疲れ様、頑張ったね」って言われるだけで、むねがきゅうっと苦しくなる。

また、あの声が聞きたい。なんて…

…おいおい、嘘だろ、冗談だろ。

認めたくない。けど、頭と鼓動は嘘をついてくれなくて。俺は、俺は…


「俺は太宰のことが…………すき…」


なんでよりにもよって今なんだよ。余計苦しいじゃねぇか。

叶わぬ恋と言うことは見てわかる。まず、男が好きになると言うことがおかしいのだ。しかも、太宰に。こんな事実を告げたら、太宰は俺のことを気持ち悪がって、今よりも関係が悪くなるに違いない。いや、絶対そうだ。こんな感情、早く捨てなきゃいけない。…捨てたいのに………。

考えていくほど自覚した躰は、思考は、勝手に太宰を求める。声を聞きたい。匂いを嗅ぎたい。手に触れたい。躰に触れたい。名前を呼んでほしい。包まれたい。…冷たいはずなのに、ほんのり暖かいその手で、俺に触れてほしい。

太宰、太宰、だざい。

太宰に会いたい。こんな不安定な俺を抱き締めて欲しい。

…あのとき、太宰の言葉に耳を傾けていれば、こんな気持ちにもならなかったのに。

太宰のことで頭がいっぱいで、頭がぐるぐるする。

なんで俺が太宰に振り回されなきゃ行けないんだよ。…最悪だ。

こんな関係、早く終わりたい。せめて相棒に、戻りたい。


「早く、謝らねぇとな…」















今日こそ、謝らないと。意地でも、太宰を引き止める。もう沢山なんだ、こんな思い。俺が俺じゃないみたいで。こんなになったのは、ぜんぶ、ぜんぶ、太宰のせいだ。俺が謝ったら、太宰にも謝って貰うからな。よし、この勢いのまま謝ろう。…勢いが無きゃ謝れそうに無いし…。


「う~~~~~………っておわっ、すまね…」

「「あ」」


なんてことを考えていたら、ご本人様の登場だ。…いざとなるとやっぱり言葉が出てこない。


「だ、太宰…」


また、あの冷たい目で俺を見る。いや、見てるように見えるだけで見てすらいないだろう。

もうその目を止めてくれ。

お前がこっちを見てくれなかったら、誰がこんな俺のことを見てくれるんだよ。こっち見ろよ。いつもの太宰で。

俺は手前の犬だろ?ほら、駄目な犬を躾直せよ。お節介焼いてくれよ。…お願いだって。ねぇ、…だざい。


こっちむいてよ。


「僕忙しいから、前早くどいて」

「ま…っ!」


反射的に太宰の腕を掴んだ。もう、太宰の手で今、殺されてもいいから、もっと嫌われてもいいから、少し、すこしだけ………



「少しだけ、時間をくれ……」

「…………」


沈黙の重い空気が俺を襲う。こう言うのは全く慣れておらず、今にも心臓が押し潰されそうだ。


「………………はぁ……で、何?」

「!」


話を、聞いてくれる。はやく、はやく謝らなきゃ。

鼓動が一気に早くなる。躰が小刻みにカタカタと震える。今自分はどんな顔をしているのだろうか。緊張と恐怖で変な汗が止まらない。


「あ…のときの、こと…ほんとうに…」


いわなきゃ、早く、出てこいよ…!


「ほん…とう、に……す…みま……せ…ッ」


ぎゅっ


「!?」

「やっと謝ったね?謝るだけにずいぶん待たせたねぇ[中也]?」

「っ!」

「いやね?僕もしばらく冷静になってかんがえたんだよ。さすがにあれだけのことでちょっとやり過ぎたかなって反省してる。」

いつもの、太宰だ。

「あ、相棒のこと…」

「あぁ、それに関しては…その、あのときは本気で解消しようとしたから、今は相棒じゃないけど…その、中也が謝ってきてくれたらもう一度中也と相棒と言う関係に戻そうかなって、思って…あと、中也のこと、邪魔なんて思って無いから。」

「ぁ…」


……良かった。相棒に戻れる。太宰と何かしらの関係を作れる。それがわかって、一気に躰の力が抜けた。

太宰の、匂いだ。いつぶりだろう…

あれ、こんなに落ち着くんだ。どんどんちからが、ぬけていく。今までの緊張が全部ほどけて、優しく、太宰に包み込まれる。

あ、そうだ、謝って貰うんだった…


「…おい太宰」

「ん?」

「太宰も俺に謝れ」

「え」

「俺を一人にさせて、ずっと無視したお詫びだ!!」

「はいはい、ごめんごめん(なでなで)」

「子供扱いすんな!」

「…可愛い。」

「は?」


ちゅっ


「んっ、んむ…ッちょ、だざ…ッ」


ぐちゅ、じゅるるっじゅぷ…


「ん…ふ…っ…ぁ…ッ」


艶かしい音が静かな空間に響き渡る。

唇を離した途端、二人を繋ぐ銀色に輝く糸が生まれ、静かにぷつりと切れた。


「は…ぁ…だ、ざ…」

「あのとき…中也が大怪我したって聞いたとき、本当は凄く焦った。心配した。」

「…!」

「森さんにも色々言われて、漸く気づいたんだ。気づいた瞬間は心底驚いたよ。でも、この気づいたことが原因だと、今までの僕がしてきた行動のつじつまが合うんだ。」

「…その、気づいたことって、何だよ」

「僕はね、中也のことがどうしようもなく好きなんだってこと。」

「!?」

「だから中也、その…」



「僕と、付き合ってくれないかい?」



「~~~~~っ!!」


じわじわと何かが込み上げてくる。けどそれが何か分からなかった。だがその正体はすぐわかった。


「…中也の泣いてる所、初めて見た。」

「…?」


俺は今、泣いてるのか…?

言われた途端、頬が何か熱いものがつたっているのがわかった。太宰の前で泣くとか、最悪すぎる。恥ずかしい。


「中也の泣き顔、とっても可愛い。」


素早く顔を腕で覆う。こんな顔、もう見せられっかよ…


「あ、なんで顔隠しちゃうの。ほら、こっちむいてよ。ね?」

「……」


そろりと腕の隙間から太宰を見る。


「ふふ、照れてるの?かわいい。」

「もう、こっち見んなぁ…っ」

「中也、僕の渾身の告白の返事は?」

「…ッ!いいにきまってんだろばーかばーか!!」

「本当かい?…ふふ、とっても嬉しい。」


太宰のせいで、調子が狂う。今は前と違う意味で頭がぐるぐるする。頭がもうパンクしそうだ。


「ねぇ中也」

「なん…だよ…っ」

「さっきの、もういっかい」

「………あと一回だけだからな」

「ふふ、ありがと。…ちゅーや、こっちむーいて?」

「……ん」






中也、大好き




ちゅっ












.:*:・’°end.:*:・’°




終わりです!

最後まで見てくれてありがとうございました!それではばいばい!


フォロワー300人ありがとう!

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2,204

コメント

25

ユーザー

えぇ!?めっちゃ感動したぁ〜!! 主さん神です! フォロー失礼します!

ユーザー

どうしたらこんな神作品作れるんだーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

ユーザー

何ならコメント打ってる今泣いてる

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