テラーノベル
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1年が経った。
柚汰というヤツが俺の母親を殺した日でもあり、柚汰と同居し始めた日でもあった。
「璃翔身長伸びた?」
俺が1年前に気にしていた事を再度また聞いてきた。
「170まで伸びたの、凄くない?」
1年間の間に何があったかは言えないが、俺も柚汰に慣れタメ口になっていた。
自分でも無意識だった為、不自然、とは思わない。
「はあ、俺に追いつくまで後20cmか、」
「え、柚汰185ぐらいじゃないの」
「190あるしな、舐めんなよ璃翔」
「はいはい」
こんな日々が1年も続いた、と考えれば凄いことなのだろう。
「璃翔もあと少しで卒業かー、」
「高校生活どうなるか不安だけど」
「もしかして陰キャ?」
そんなわけ、と言おうとしたが陽キャと言える程では無い。
陰キャと陽キャ丁度半分で割ったくらいだ。
「あー、トイレ行きたい」
「行ったらいいじゃん」
「ん、行ってくるわ」
そう言い、柚汰は立ち上がりトイレに行った。
その時だった。
家のチャイムが鳴った。
「はーい、」
扉を開ける。
「ゆーたくんっ!!」
「え、?」
「は?誰?」
「え、いや、その、..」
トイレ方面から凄い物音がして後ろを向いたら急いでこっち側に来ている柚汰が居た。
「は、お前っ」
「あ、ゆーたくんっ!♡」
その時、この女は俺を押し退けてきた。その時俺はバランスを崩し、しりもちをついてしまった。
その時に腰、頭を強く強打してしまった。
「いっ、た…」
その瞬間だった。
後ろで蹴るような凄い音がした。
「痛い、!!何すんの!?ゆーたくん!!!」
「え?俺なんかしたっけ」
悪びれる様子も無く柚汰はくすくすと笑っていた。
「は!?アンタはアタシよりもこの男の方がいいって言うの!?!!」
「何?俺の勝手じゃん」
「早く出て行けよ」
「さいてー!!!もう絶交よ!!!」
そう言い、女は苛立てながら家を出て行った。
「璃翔!!!」
そう言いながら柚汰は俺に抱き着いてきた。
「ごめんなぁ、璃翔、」
「大丈夫だよ」
本当は凄く痛いが、心配かけない様に微笑みながら言う。
そう言っている時、柚汰は抱きつく力が段々と強くなっている。
「俺のせいだ、」
「柚汰は何も悪くないよ」
「ごめん」
泣きそうな柚汰の声を聞きながら抱き締め返す。今の自分の力を全部使い切る様に強く。
「本当、身長だけ伸びても握力は変わらないんだから」
今にも泣きそうな声で頑張って微笑んでいるのが分かる。
「ごめん、心配掛けて」
「これから先もいっぱい心配掛けて」
「申し訳ないよ」
「そっちの方が俺は嬉しい、璃翔の気持ちを全部知りたい」
「そっか」
「うん、」
安心したのか、柚汰は眠りについてしまった。
俺もそれにつられ、眠りに落ちた。
☆
この手帳は色んな事が書いている。
さっき落とした人はこれを書いた本人で合っているだろう。
この話を見る限りこの人は散々な事があったのだろう。
この先あの人は幸せに生きていけるのだろうか。
「りと、起きてー、」
その言葉に俺は起こされた。起きた時には昨日玄関で抱きついていたあの状態だった。
「今日学校でしょ、準備しな」
「あー、うん」
今の時刻は7時11分
学校まで10分も掛からない為、ゆっくり準備し学校に行く。
「あー、パンだけしかないわ、我慢して」
「うん、全然足りるから良い」
「りとは少食だね」
「もう少食に慣れてしまったから」
「仕方ないもんね」
そんな他愛の無い話をしながら、柚汰はパンをトースターで焼いてくれている。
焼き終わった音で眠気が少し覚めた気がした。
「はい、プレーンだけどごめんね」
「全然いい」
「よかったー、」
そのパンを頬張る。朝はパン派な俺はこの朝ご飯の時間が好きだった。
7時35分
「行ってきますー、」
「いってらー、早く帰って来いよー、」
「はーい、」
そう言い扉を開けた。
学校に行く間は1人な為、少し寂しく感じるのがいつもだった。
「りーとー!!!」
後ろから声がした。
「あ、大輝、!」
「珍しく行き道で見かけたわー、早く来て正解だったー、」
「なんだよそれ笑」
「あ、そいえばりと中3に上がってから陽キャになったよね」
「そう?」
「周りの女子も言ってたぞー、りとくんかっこいー♡ってな」
笑いながら大輝が言ってくる。
「嘘つけ」
俺はこういうのは信じないタイプ。期待して嘘だったらとても悲しくなるだろう。
「まあ、いつかモテてるって分かる時が来るわ」
「どうだろうな」
「中3も同クラとかもう俺ら運命だろ」
「はいはい、そういうのいいって」
「冷たいなー、」
少し柚汰みたい、と思ったことは周りには秘密。
「おっはよー!」
「っす、」
「あ、りとくんだ、本当だ意外とかっこいい、」
こそこそ話している女子の声が俺の耳に入る。
「ほら!言っただろ!?」
「お前モテてんの!!」
「分かんねーだろまだ」
「告ってくるまで信じないタイプだなこいつ」
本当は信じたい、って思ってる事も秘密。
「よっ、りと」
「あ、おはよー、れん」
「げっ、れんじゃん」
「なんだその反応、表でろ大輝」
「ひぇー、」
「ふっ、」
「あ!!りとがわらった!!」
俺が笑うのはそんなに珍しいだろうか。確かに俺は冷たいってよく言われる。
そんな俺を笑わせてくれるのはきっと、大輝。そして柚汰ぐらいだろう。
「高校も俺ら一緒だもんな」
「そうだな」
嬉しいような嬉しくない様な感じだが、嬉しい方が勝っているかもしれない。
「それにしてもりと、最近明るいよなー、」
「え、そう?」
そうだよな、と大輝が蓮に問いかけている。確かに柚汰と出会ってから毎日が楽しい気がする。
柚汰のお陰で変われた、と言っても良いだろう。だって柚汰は
俺の命の恩人だから。
「俺は璃翔と心中するんだ!!!!」
「一緒にこの世から消えようよ」
「りとがいるなら俺はそれでいいんだ」
「来世は苗字お揃いにしようね」
「この世で一番愛してるよ、璃翔」
「おーい、起きろ璃翔」
「ふぇ、っ!?」
「なんだよその起き方」
「なんだ、大輝か、」
「なんか俺、すげー夢みた気がする」
「どうせつまらん夢だろ」
「そう思っとけよ勝手に」
なんだ夢か、
俺は相当寝ていたらしい。
もう5限目だ。
あの時言っていた心中。
いざとなった時、本当に心中するのか。
そこだけが気になった。
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青岸が男と男の小説書くとマジBLになるってどうするんや
あと少しで2023終わるね
早かったわー、
先に言っときます
あけおめ
コメント
2件
見るの遅くなってしまってすみません!!!!!!!!!💦💦 りとくんにモテ期が…!! 羨ましい……(笑) BLは私の大好物なので安心して書いてください!!() 次の話も無理しないように頑張ってください🔥🔥!!!!!!!!!