テラーノベル
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これまでの仮面ライダーW&名探偵プリキュア!は!!
翔太郎「ミュージアムの一件も解決して、ようやくメモリ騒ぎも落ち着いた俺たちの前に現れたのは、仮面ライダー電王とデンライナーだった!」
フィリップ「電王の言う『地球の危機』を回避するために、僕らはデンライナーに乗って1999年の世界へ向かうことにした。」
翔太郎「昔の風都はおやっさんの縄張りだということをすっかり忘れていたぜ……ということでどうなる第1話!!」
フィリップ「この話が1話だったら、じゃあ前回は何だったんだい?」
翔太郎「ただのプロローグだよ!!😓」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
1999年 まことみらい市
翔太郎「タイムトラベルした俺たちはあの後、まことみらい市の山奥にひっそり佇む廃屋を見つけた。幸い、まだ捨てられたばかりなのか内装は比較的整っていて、かろうじて生活ができるくらいにはなっていた。俺たちは相談の末この廃屋を再利用することにし、掃除をやったり生活用品を揃えたりした。そうしてこんな貧しい(?)生活を送り始めてから、つまりまことみらい市という地に降り立ってからはや2ヶ月が過ぎようとしていた。しかし俺にはこの頃気にかかることが…」
フィリップ「何を一人で呟いているんだい、翔太郎?何か気に病んだことでもあったのかい??」
翔太郎「あ〜…いっつも検索に追われてたお前とは違って、コッチは状況整理で忙しいんだよ…」
翔太郎は若干皮肉を交えた言葉をフィリップへ投げかける。
フィリップ「それよか、朝の散歩には行かなくていいのかい?今日で確か…20日目だよね??」
翔太郎「やっべ!!フィリップ、『お散歩カード』にスタンプ押しておいてくれ!!」
フィリップ「本当に気が回らないねぇ…」
翔太郎は慌てて着替えて散歩に出かける。
翔太郎「俺が気にかかっていること…それは……」
翔太郎は歩いて3分ほどのところにある、廃屋より一回り大きい建物を見上げる。
翔太郎「『探偵事務所』を名乗る建造物がココにあることだ…」
一方、その建物…『キュアット探偵事務所』の前では、一人の女の子が、その扉をノックしようとして思いとどまっていた。
翔太郎「さて、散歩再開と…ん?」
翔太郎もその女の子に気づく。
翔太郎「また『この子』か…流石にこんなに毎日ココへ来るのは逆に珍しい。俺も探偵の分際だし、今日は少し声かけてみるか。」
翔太郎はその女の子に近づいて、話しかけた。
翔太郎「お嬢ちゃん、ココが『探偵事務所』だってことは分かってるか?」
???「はわっ!?えっ、ええ、勿論です…」
女の子はいきなり声をかけられたためか、少し驚いてしまったようだ。
翔太郎「悩みがあるんだったら、俺にでも話してみろ。力にはなるぜ。」
???「で、でも、一般人を巻き込むワケには…」
翔太郎「何言ってんだ。俺も探偵の端くれだ。」
そう言いながら名刺を差し出す翔太郎…だったが、すぐにしまう。
翔太郎(やっべぇ…見ず知らずの人間に未来の情報は教えちゃいけねぇな…!!)
しかし、女の子は何かを悟ったように俯く。
翔太郎(それとももう遅かったか…!!?)
女の子は翔太郎に向けてゆっくり呟いた。
???「あなた…もしかして…」
翔太郎「な、何…?」
???「スゥーーー…」
翔太郎「………!」
???→みくる「もしかして、本物の名探偵さんですか!?」
女の子は目を輝かせながら翔太郎の顔面に迫る。彼女の名前は小林みくる。『名探偵』に憧れる少女だったのだ。
翔太郎「え…………え?」
2027年 マコトミライタウン
笑顔溢れる活気ある街、マコトミライタウンで、一人の少女とその母親が歩いていた。
あんな「私持つ!」
あんなの母「えっ?」
あんな「誕生日パーティ、間に合わないよ!」
そう言って少女は、母親の荷物を持って駆け出していく。
あんなの母「そんなに急ぐと崩れるって、あんな!」
あんな「分かってるって、ふふっ!」
この少女の名前は明智あんな。今日14歳の誕生日を迎えた中学2年生だ。
するとどこからか、女の子がすすり泣く声が聞こえた。
彼女は、困っている人は放って置けない性分。すぐに声をかけに行った。
あんな「ねぇ、どうしたの?」
しかし女の子は泣くだけで答えはしない。
あんなの母「迷子かな…」
あんなは女の子をよく観察する。そしてあることに気づく。頭のリボンが片方しかないのだ。
あんな「あっ…!!」
片方しか付けない趣味であればまた話は別だが。
あんな「すぐ見つけてあげる。」
すると、あんなの言葉に反応した女の子は振り向く。
あんな「私、ウソ吐かないから!」
本当だろうか。
あんな「ソレ、お願い!」
女の子があんなを心配そうに見つめる中、植え込みの中を探すあんな。探し物は案外早く見つかった。
あんな「あったよー!」
女の子「わぁ…!」
女の子のリボンを手に取りながら、微笑むあんな。
場面は変わって、あんなの家へ。
あんなの母「あの子のリボンが風で飛ばされたって、よく分かったね。」
あんな「リボンが片方だけだったから、ピンと来たんだ!」
……といった雑談を交えつつ、誕生日ケーキを見たあんなの反応は。
あんな「わぁ〜…はなまる美味しそう!!」
あんなは目を輝かせるが、すぐにいつもの顔に戻る。
あんな「さぁ、私も準備するぞ〜!!」
あんなの母「張り切ってるねぇ〜。」
あんな「当たり前でしょ、今日は特別な日にするんだから!コート置いてくるね!!」
壁に掛けられているカレンダーには、1月24日のところにはなまるマークと、「あんな 誕生日 1時パーティ」という文言が書いてあった。
あんな「〜♪…ん?」
あんなが自室で鼻歌を歌いながらコートを片付けようとていると、机の上に置いてあるモノに気づく。どうやら、時計型のペンダント?のようなモノだった。
無論あんなは誕生日プレゼントと勘違いし、思わず叫んでしまう。
あんな「お母さん、ありがと〜う!!」
あんなの母「え、何が?」
あんなの母は、娘にプレゼントを用意した覚えはない。
あんな「誕生日のプレゼントだよ〜!!」
あんなの母「何言ってんだか。プレゼントはスマホを買ってあげるって話でしょ。」
明らかに本来とは違う方向に話が進んでいる。
あんなは試しにペンダントを身につけてみた。
あんな「わぁ〜、流石14歳、大人の雰囲気!」
意外と似合っていた。
とその時、どこからか声が。
???「ポチ!」
あんなが振り向いた瞬間、押し入れの中から、ぬいぐるみというか、マスコットというか、どこか不思議な生物が出てきた。
???「ポチー!!」
これには流石のあんなも困惑してしまう。
あんな「えっ、ええ!?何、犬!?猫!!?」
???→ポチタン「ポチタンだポチ!」
どうやらこの生物、日本語を話すらしい。名前はポチタン。
あんな「しゃ、喋っ…」
ポチタン「静かにするポチ!」
ポチタンはあんなの顔に引っ付いて、あんなが叫ぶのを止めさせていた。そんなんじゃ息も止まるぞ。
ポチタン「ポチポチ、ポチ、ポチ、ポ〜チ〜!!」
あんなはやっとのことでポチタンを顔から引っ剥がした。
ポチタン「一緒に来てほしいポチ!」
いや、いきなり言われても。
あんな「えっ!?」
ポチタン「この、ペンダントで!」
あんな「うわぁ〜っ!!?」
ポチタンの気迫に押されて、あんなは後ろにこけてしまう。と同時に時計型ペンダントの蓋が開き、光り始め、また針も時計とは逆方向に回り始める。
ポチタン「まだ説明が終わってないポチ〜!」
どんな説明だよ。
とその時、母親があんなを探しに部屋へやって来た。
あんなの母「あんな〜。何騒いで…いない?」
あんなは自室から、忽然として消え去ってしまっていたのだ。
OP「ハートにヒント!名探偵プリキュア!」
1999年 まことみらい市
みくる「名探偵の心構えは!?あと、推理のコツとか!色々教えてください!!」
みくるが翔太郎を『名探偵』と見抜いたさっきの出来事からはや数秒で、翔太郎は質問攻めにされてしまっていた。
翔太郎「ちょっ、そんなまくし立てられても何もできないって!せめて一つずつ話せよ!!」
みくる「できるワケないじゃないですか!名探偵を目指す身として、本物の名探偵さんへのインタビューは欠かせませんから!!」
とその時、翔太郎に助け舟が入った。
フィリップ「翔太郎、『お散歩カード』はあと10個のスタンプで僕から肩叩き権が…」
翔太郎「丁度よかったフィリップ、助けてくれ!!」
フィリップ「何だって?君に助ける道理があるとでも??そもそも君は今、散歩の最中なのでは???」
翔太郎「散歩の最中ならこんなことになってねぇよ!途中で変な女の子に絡まれたんだ!!」
みくる「ちょっ、変とは何ですか!!というか、元はといえばアナタから絡んできたんじゃないですか!!!」
フィリップ「ほら、女の子まで困らせちゃってる。大人気ないなぁ、翔太郎。君がカードの説明を全部聴いてなかったから、心配して来たのに。僕は君の散歩の経路だって検索済みだよ?」
翔太郎「んな個人情報調べんなよ!!」
フィリップ「いいだろう、それぐらい。」
翔太郎「『それぐらい』とは何だ!誰にだって知られたくないことは…」
その時、不思議なことが起こった!3人が喧嘩してる周辺で、突如として光る物体が現れたのだ!!
あんな「うわぁ〜っ!!」
翔・フィ・み「「「えっ??」」」
あんな「ぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っ!!!」
翔・フィ・み「「「えぇぇぇぇぇーーーーーっっっっっ!!!!!?????」」」
あんな「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
翔・フィ・み「「「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~っっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
ポチタン「ポーーーーーーーーーーチィーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!」
あんなと3人がぶつかる寸前に、ポチタンが自らの体を膨らませ、致命傷になるのを防いだ。勿論、3人は押し潰されたが。
あんなが無事(?)に着地すると同時に、ペンダントの蓋が閉じた。
あんな「な、何なの〜…?」
ポチタンが元のサイズに戻る。
ポチタン「ポチ!」
あんな「コレのせい……?も〜う、何がどうなってるの〜!!?ワケ分からないんだけど〜!!!」
翔太郎「あぁ……おやっさんが見えるぜ……」
押し潰された3人は目を回していたが、やがてフィリップが最初に目を覚ます。
フィリップ「うぅ…ん…ん?( ゚д゚)ハッ!翔太郎!目を覚ませ翔太郎!!あの世に逝きかけてるぞ!!!」
翔太郎「あ…フィリップの声…ん?夢か…」
翔太郎も漸く目を覚ました。どうやら夢だったようだ。
みくる「っ、妖精だ!」
翔・フィ「「え?」」
いつの間にか目を覚ましていたみくるの声で、翔太郎とフィリップも意識を向けざるを得なかった。
みくる「妖精と一緒ということは、『キュアット探偵事務所』の名探偵ですね!勿論、アナタたちも!」
みくるは翔太郎とフィリップをも指さして言い放った。
翔太郎「待て待て、そんな探偵事務所の名前は聞いたことがねぇぞ?あの…妖精?に押し潰されて神経まで狂っちまったか??」
みくる「あぁ、自己紹介がまだでしたね!」
みくるは翔太郎の問いかけを完全に無視。
みくる「私、小林みくるです!」
あんな「あ〜、私、明智あんな!」
するとあんなとみくるは、翔太郎とフィリップの方へ目を向けた。視線からして伝えたいことはなんとなく分かる。
翔太郎「……ハァ……遂に俺たちも名乗る時が来たか。」
翔太郎とフィリップも立ち上がる。
翔太郎「俺は左翔太郎。んで、コッチが…」
フィリップ「フィリップだ。」
みくる「翔太郎さんと、フィリップさんですね!!」
あんな「……って、そうじゃない!!妖精って何?部屋にいたのにどうしてココに!?」
あんなはポチタンを引っ掴んでまくし立てる。
それを見て、みくるは気づいたように呟く。
みくる「もしかして、『探偵テスト』はもう始まってる?」
翔太郎「なぁ、その『探偵テスト』って何なんだ?」
みくる「あ〜、えっと、それは…」
みくるが翔太郎の問いかけに答えようとしたその時。
あんな「も〜う!」
あんなの叫びで、会話が中断された。
みくる「ハッ!…すみません、また後で。」
みくるは翔太郎にことわりを入れた後、あんなの方に向き直る。
みくる「お答えしましょう!」
翔太郎「……何をだ?」
みくる「かの有名な探偵、シャーロック・ホームズは、靴の汚れや傷を見て、どこから来たのか言い当てます!アナタは……ズバリ!!」
みくるがカッコいいところを見せようとして、それっぽいセリフを言ったが、実際問題、あんなは靴を履いていなかった。
みくる「靴……履いてなーい!!!」
翔太郎「不衛生ー!!」
フィリップ「翔太郎、言い過ぎだ。」
翔太郎「あ、これから靴を買いに行くなら、俺着替えて来るから、先に行っててくれ。」
フィリップ「確かに、ずっとジャージのままでいるのは変だからね。」
TV『新機能満載、繋がるその先へ。はい、次はお天気です!』
その後、あんな、みくる、フィリップの3人は、お店で靴の試着をしていた。実に、翔太郎の予想通りだった。
あんな「ピッタリだ。」
フィリップ「いいね。」
みくる「んー…」
あんな「どっちのがいい?」
あんなはみくるとフィリップに、買う靴を選ばせていた。
みくる「コッチ!!」
フィリップ「僕もコッチかな。」
みくるとフィリップは、ピンク色の靴を選んだ。
みくる「……じゃなーい!部屋から落ちて来たなんてあり得ませんよ!!」
フィリップ「奇跡って、起こるものなんだね。」
みくる「フィリップさんは勝手に納得しないでください!!」
あんな「ホントだって。」
ポチタン「ポチ、ポチ!」
あんな「『ポチポチ』じゃ分からないよ。」
みくる「この子……おしゃぶりをしているし、赤ちゃんですね。」
フィリップ「ソレは僕も思った。しかし、なんで赤ちゃんなのだろうね。」
みくる「でも、だから喋れないのかと。」
あんな「えっ?でもさっき…」
みくる「何らかの理由で、赤ちゃんになり喋れなくなった!今の推理でどうでしょう?探偵テスト合格ですか!?」
フィリップ「いい線を行っているね。だけど、翔太郎ならその『何らかの理由』のところまで考察すると思うよ。」
みくる「うっ…(グサッ)」
あんな「何?その『探偵テスト』って…」
フィリップ「さっき翔太郎も気になっていたことだね。僕にも是非聞かせてほしい。」
みくる「その質問なら〜、簡単ですっ!!名探偵は、色々な事件を調べて解決し、人々を助ける!みんなの憧れ、希望!!私は、そんな名探偵になるために『探偵テスト』を受けに来たんです!!!」
あんな「名探偵って凄いんだね!」
みくる「よし!!」
フィリップ「ソレはいいけど、試験監督とか、試験の内容とかは決まってるのかい?」
みくる「ぎ、ギク!!い、今のは、あんなさんが試験監督です!!!」
フィリップ「絶対に今考えた答えだと思うけど……まぁ、及第点としよう。」
みくる「ふ、フゥ〜…あとは翔太郎さんの合格をいただければ…」
とその時、突如としてポチタンのおしゃぶりが消え、代わりに背中から紐が出てきて、ポーチ状の形になった。勿論掛けているのはあんなである。
ポチタン「ポチ!ポーチー!!」
あんな「えぇぇぇぇぇ!?」
ポチタン「ポチ!」
あんな「うわぁぁぁ!!」
あんなはそんなポチタンに引っ張られて、何処かへ行きかけるが…
翔太郎「はいストーップ!!」
すんでのところで翔太郎がポチタンをひっ捕まえて、これ以上進むのを防いだ。なお、ポチタンの背中から生えていた紐は消えてしまった。
ポチタン「ポーチー!!!」
翔太郎に抱えられ、ジタバタするポチタン。だが、翔太郎の腕と手の力は強い。
翔太郎「靴の代金も払ってないのによくそんなことできるな。いいか、嬢ちゃんたち。よく素性も分かってない相手を信用するのはダメだ。例え相手の行為が無理矢理だったとしてもな。」
あんな「しょ、翔太郎さん…」
翔太郎「フィリップも止めてやれば良かったものを。」
フィリップ「ごめんね。さっきはいきなりだったものだから…」
翔太郎「んー…まぁ、今回は俺がギリギリ間に合ったから良かったものの…次からは気をつけろよ。」
フィリップ「それで、翔太郎は入口から入ってきたのかい?」
翔太郎「当たり前だろ。それ以外にどこに出入り口があるんだ。あ〜、あと、伝言だな。」
フィリップ「伝言?」
翔太郎「ほら、今日…『アレ』だろ。」
フィリップ「あぁ…なるほど。あんなちゃん、みくるちゃん、今日僕たちは昨日受けた依頼が予定として入ってしまっていてね。」
みくる「え、同行したいです!!」
翔太郎「着いてくるにもまず金を払ってからにしろ。フィリップ、行くぞ。」
フィリップ「二人共、ごめんね。」
二人はそのまま立ち去ろうとする…が。
翔太郎「あ。……コレ、地図な。あと、コイツは預かっていく。」
翔太郎が店を出る直前で、翔太郎は二人に地図を渡し、ポチタンを預かる。
翔太郎「じゃあな。」
あんな「……意外と、優しいんだね。……みくるちゃん?」
みくるは、翔太郎の優しさに感動し、暫く呆然と立ち尽くしていたのであった。
翔太郎「それで、ご要件は?」
まり「昨日言った通り、結婚式の人手が足りないから手伝ってほしい…のだけれど、ティアラが失くなってしまって…」
フィリップ「では、探してほしいと。」
今回の二人の依頼主は、花嫁の想田まり。結婚式の準備を手伝ってほしいとのことだったが、急遽ティアラの捜索に変更された…筈だったのだが。
まり「もう……いいです。」
フィリップ「つまりそれは、諦めるということですか?」
まり「はい……」
翔太郎「そんな!!今まで頑張って計画してきた結婚式じゃないですか、そんなティアラが失くなったぐらいで、諦めていいんですか!?」
翔太郎は必死に説得を試みるが…
まり「もう、間に合わないので…」
翔太郎「……!」
翔太郎が時計を見ると、既に開式の時間が迫っていた。
翔太郎「…………じゃあ、俺が約束します。」
まり「えっ?」
翔太郎「俺たちが必ず、式の時間までにティアラを見つけ出してみせます。」
フィリップ「ちょっ、翔太郎!?」
翔太郎「『なもなき探偵事務所』の私立探偵として、ココで諦めるなんていう恥は晒せませんから。」
実は、翔太郎とフィリップは、この時代でも探偵稼業をやっていたのだ。
翔太郎「勿論、新婦さんを悲しませたくないっていうのもありますし…何より、依頼主として泣いてほしくないんです。俺たちのせいで涙を流してしまうぐらいだったら、探偵として失格ですから。」
まり「探偵さん…」
翔太郎「できるところまでやってみます。だから、信じて待っていてください。お願いします!」
翔太郎はまりに頭を下げる。
まり「じゃあ……お願いできますか?」
翔太郎「任せてくださいよ。そうと決まれば探すぞ、フィリップ!」
フィリップ「翔太郎がそこまで言うなら……付き合ってあげるか。」
こうして、フィリップと翔太郎の二人でティアラ捜索を始めようとしたその矢先……
みくる「遅れましたー!!」
翔太郎「そりゃ遅れるだろうな。」
あんなとみくるが遅れてやって来た。
あんな「あの、私たちも参加させて貰えませんか!?」
翔太郎「どうしてだ?」
みくる「名探偵見習いとして見過ごせない部分はありますし…何だか、翔太郎さんといると勇気を貰えるので!!」
翔太郎「そうか…今回の依頼は、『ティアラの捜索』。結婚式で花嫁が身につけるティアラが突然失くなったらしい。みんなで探すぞ!!」
あ・み「「はい!!」」
フィリップ「やれやれ…」
こうして、4人でティアラ捜索が始まった。
式場周辺をざっくり探すこと約5分。
ティアラは見つからなかった。
翔太郎「……ただ闇雲に探しても意味ないか。」
フィリップ「どうする翔太郎?」
翔太郎「どうするって、一つに決まってる!着いてこい!!」
あ・み「「えぇ!?」」
翔太郎たちが向かったのは、依頼人・想田まりのところだった。ただ、さっきとは違って、関係者もいるようだった。
さちよ「式場プランナーの幸野です。」
翔太郎「宜しくお願いします。」
まり「見つかったんですか?」
翔太郎「いえ……ただ、貴方がたからお話をいただければ、見つけやすくなるかと思いまして。」
翔太郎は、依頼人本人から、ティアラに関する手がかりを得ようと考えたのだ。
フィリップ「あれ?そこに置いてあるティアラは…??」
まり「コレは、1時からの式に間に合うように、式場が用意してくれたものです。」
さちよ「まりさんのと、形も大きさも似たものを、なんとか用意しました。コレが、まりさんのティアラです。」
翔太郎「なるほど…」
翔太郎は、幸野が見せてくれたアルバムのティアラを見ながら、その形をメモに簡単にスケッチする。
まり「お母さんも、結婚式でこのティアラをつけたんです。私もつけて、式をあげたかったんですが、この部屋から消えてて…」
みくる「ふむふむ…」
みくるも手帳に何やらメモしている。
あんな「突然消えるなんて…」
すると、みくるが何か気づいたように振り向いて呟く。
みくる「…!!まさか、コレが本当の『探偵テスト』!?」
フィリップ「みくるちゃん、そろそろふざけるのはやめようか。」
みくる「ふざけてないです〜!!」
再び、まりに向き直って。
みくる「絶対に…」
まり「?」
みくる「私が見つけてみせます!」
翔太郎「あぁ〜、すまんみくる。ソレさっきも約束したんだ、俺が。」
みくる「えっ、そうなんですか!?……っていうのは置いといて!」
ともか「どうしたの、急に呼び出したりして?」
みくる「まりさんが最後にティアラを見てから、部屋に出入りしたのは貴方がた3人。この中に……ティアラを取った犯人がいます!!」
翔太郎「ナニヲショウコニズンドコドーン!!」
みくる「わぁぁぁぁ!!?」
翔太郎がいきなり叫んだことで、みくるは驚いてしまった。
翔太郎はみくるに詰め寄る。
翔太郎「あのな、なんで遺失物捜索が盗難事件になるんだよ。道理がおかしいだろ道理が!!」
そんな暴走中の翔太郎を止めたのはフィリップだった。
フィリップ「翔太郎、まずは彼女を信じてみよう。反論するのはそれからでも遅くない。」
フィリップの頼みに、流石の翔太郎も落ち着いた。
翔太郎「まだ手がかりも出揃ってないのにブツブツ…」
翔太郎は拗ねながら、どうにか正気を取り戻した。
まり「まさか!あり得ないですよ!!」
翔太郎「ほら、依頼人も困ってるしブツブツ…」
まだ拗ねていた。
みくる「…ッ…ですよねー!ちょっと話を聴こうかな〜なんて…」
翔太郎「ソレがしたかっただけだろブツブツ…」
まだ拗ねていた。
将太「僕は、花嫁さんを撮りに来たんだ。」
関係者① カメラマンの宇都見将太。
翔太郎(誰かに似てると思ったら……ジーンの時のアイツか。)
※翔太郎の言ってることが分からない人は、「仮面ライダーW」の39・40話を見てみてください!
ともか「私はまりに、お願いがあって来たの!」
関係者② 依頼人の友達、藤井ともか。
あんな「お願いって?」
まり「ブーケを、ともかの方に投げてほしいって…」
あんな「あっ、ブーケトス!!」
ともか「そっ!花嫁さんが投げたブーケをキャッチすると、幸せをおすそ分けして貰えるの〜!!」
翔太郎「ブーケトスかぁ…俺は結婚式とか参列もしたことないからあんまり分かんねぇな…」
フィリップ「翔太郎…珍しいよね。この年になってもお相手さん候補すら見つからないなんて。」
みくる「えっ、翔太郎さんっておいくつだったんですか?」
フィリップ「今年で25歳だよ。」
(※設定捏造させていただきました…)
みくる「まだ若い方じゃないですか!!」
フィリップ「当の本人はかなり焦ってるみたいだけどね…」
再び事件に向き直って。
ともか「ずっと憧れだったんだ〜!!」
将太「お願いってありなんだ…」
ともか「まり、OKって言ってくれたよね?」
まり「ともかが、珍しく遅刻しないで来てくれたから、つい…」
翔太郎(珍しく…?何かブーケには裏がありそうだな…)
翔太郎はその旨をメモする。
さちよ「私は、式の準備で部屋に出入りしていました。」
あんな「みんな、ココに来た時も今と同じ服装ですか?」
まり「ええ、ティアラを隠せるようなモノは、何も…」
あんな「そうですか…」
一方、みくるが熟考した挙句、導き出した答えは…
みくる「帽子……帽子の中に入れたとか?」
将太「はぁ?」
ティアラは、将太の帽子の中に入っているのではないか、という考えだった。
あんな「確か、このティアラ、まりさんのと殆ど同じ大きさ…帽子、いいですか?」
あんなは将太の帽子を手に取り、ティアラをその中に入れようとする。が…
あんな「う〜ん、入らない…これじゃ運べないよ……」
翔太郎「ダメか…」
みくる「ともかさんのバッグは…?」
あんな「……コレも入らないよ…?」
フィリップ「ダメだったようだね。」
あんな「幸野さんのポーチも、無理そうだね…」
翔太郎「ココまで来ると、そう思うのが自然だよな。あ、一応、ブーケの中確認させて貰えませんか?」
まり「あ、はい…崩さない程度にお願いします……」
翔太郎がブーケの中を見るが、何も入っていなかった。
翔太郎「何か、おかしいんだよなぁ…」
まり「……ありがとう。もう、本当にいいんです。……やっぱり、ティアラは諦めます……」
翔太郎「そう、ですか…」
そう言った翔太郎の顔は、どことなく悔しさで滲んでいた。
ココで一旦、外に出て各自一息つくことに。
みくる「ティアラを持ち出した方法が分かれば、犯人が分かる筈なのに…その方法が分からない……私って、いつも……」
と、翔太郎と同じく悔しさを感じていたみくるの隣に、フィリップが座る。
フィリップ「僕と翔太郎だって、困ったこと、上手くいかないことは幾度もあった。ただその度に諦めてたら何も進展はない。だから僕らはめげなかったんだ。何度も、いや何度だって立ち向かった。そうやってぶつかって、星の数ほど失敗と成功を経験すればいい。それが僕らの考え方だったんだ。だからほら、みくるももう一度立ち上がってみないか?」
みくるはフィリップの言葉に驚いて顔を上げたあと、静かに問いかけた。
みくる「フィリップさんは…フィリップさんはなんで、翔太郎さんと組んだんですか?」
フィリップ「んー…たまたま近くにいたっていうのもあった。ただ、一緒にいるうちに分かったんだ。『翔太郎じゃないとダメなんだ』って。彼には、人を引きつける優しさがあったから。僕は、彼を選んで正解だったと思う。」
みくる「だったら…」
フィリップ「ん?」
みくる「だったら、私も、あんなさんを選んで正解だったと思える未来を辿りたい。だから私、もう一度立ち上がっ…」
フィリップ「……」
みくる「……ダメだ、立ち上がろうにも立ち上がれない。証拠が、ないから……」
あんな「………ちゃん。みくるちゃん。」
みくる「……!」
みくるが再び視線を戻したその先には、彼女が相棒として側にいてほしい人物がそこにいた。
みくる「……分からないんです。これじゃ、まりさんを笑顔にできない。名探偵にだって……!」
あんな「どうして、名探偵になりたいの?」
みくる「……私も、助けられたから。」
みくるは、あの時彼女を助けてくれた、白い帽子がトレードマークの、風都の『名探偵』を思い浮かべる。
みくる「今度は、私が名探偵になって、みんなを助けたい!」
あんな「やっぱり、凄いんだね。名探偵なら、ティアラを見つけて、まりさんを笑顔にできるんでしょ?」
みくる「ええ、きっと…!」
あんな「だったらなろうよ、名探偵に!!」
みくる「でも……」
あんな「悩んでるだけじゃ始まらないよ。一歩踏み出せば、答えはついてくる。一歩の勇気が、答えになる、だよ!!」
ポチタン「ポチ!」
するとそこに、かつての風都の希望の、もう片方が現れる。
翔太郎「みくる、俺の推理だと、お前の言う通り、コレは盗難事件の可能性が高い。だから、俺から謝罪させてくれ…すまない!!」
みくる「えっ……どうして翔太郎さんが謝るんですか!?翔太郎さんは何も悪いことしてないと思うんですけど…」
翔太郎「ほら……あっただろ。ところどころ、お前に強い口調で接しちまったところ。あの時は、やっぱり言い過ぎたかなって……情けねぇよな、名探偵が自分から謝るなんてよ。でも、このままだったら、俺のプライドが死ぬ、って思ってな…」
みくる「……翔太郎さんは、どんな『名探偵』を目指してるんですか?」
翔太郎「俺か?……俺はな、憧れだった俺の師匠……『おやっさん』の信条にあやかって、『ハードボイルド』な探偵を目指してる。」
フィリップ「英語で『固茹で』という意味だね。まぁ、まだまだ翔太郎は固茹でというよりかは『半熟』だけど。」
翔太郎「んだとこの野郎!……じゃなくて、答えは決まったか、みくる?」
みくる「……はい!」
みくるの元気な返答を聞いて、翔太郎は微笑んで、軽く頷いた。
あんな「みくるちゃん、行こう!もう一度、全部調べよう!!」
みくる「……ッ、はい!!絶対に、ハードボイルドな名探偵になってみせます!!」
翔・フィ・あ「「「え???」」」
翔太郎「ちょ……え?もしかして俺の言葉パクった??」
みくる「パクってはないですけど、『翔太郎さんみたいな名探偵になる』ってことはそういうことですよね!!」
フィリップ「……翔太郎、君のせいでまた一人被害者が増えたよ…」
翔太郎「お前はまずその『被害者』呼ばわりをやめろ!!……あ〜あ。もうこりゃ、取り返しがつかないや。じゃあみくる、取り敢えず俺たちの仕事を見て頑張れ……」
みくる「はい、宜しくお願いします!!!」
あんな「ア、アハハ…」
と談笑していたその時、風が吹いて、みくるのつけていたリボンが片方飛んでいってしまった。
翔太郎「お……こりゃ、風都の風か?」
フィリップ「冗談はよそうか、翔太郎。」
リボンは近くの植え込みの中へ。
あんな「今日2回目だ。さっきも、植え込みの中に、女の子のリボンが入って…」
み・翔「「植え込み…の中……」」
あんな「お花…?」
翔太郎・あんな・みくるの中で、全てが繋がった。
あ・み「「あっ!見えた!!コレが……答えだ!!!」」
あんな「犯人は…」
みくる「あの人だ!」
翔太郎「なるほど……漸く理解できたぜ。」
フィリップもまた、微笑みを浮かべた。
あんなたち4人は、まりたちに答えを告げるために、全員を再び集めた。
みくる「犯人が分かりました!」
さ・と・将「「「えっ?」」」
将太「一体、誰なんだ!?」
あ・み「「犯人は……アナタです!!」」
そう言って二人が指差した先にいたのは……
犯人:藤井ともか
ともか「……やだなぁ。ティアラはポーチに入らなかったでしょ?外に持ち出せる筈がないよ〜。」
翔太郎「そうですね……『ポーチには』入らなかった。」
みくる「ええ……ティアラはまだ、この部屋にあるんです。」
ともか「えっ?」
みくる「貴女は、自分にブーケを投げてほしいとまりさんに頼み込んで、ティアラをブーケの中に入れた。」
あんな「そして、まりさんからブーケを受け取った後に、ティアラを抜き取るつもりだったんだ!」
だが、ともかにはまだアリバイがある。
ともか「でも、さっき見た時は、ブーケの中にティアラはなかった筈…!」
翔太郎「貴女、なんでかは知りませんが、まりさんが俺たちに依頼をしていたことを分かっていて、式の時間が迫ったらティアラを抜いてましたよね?抜いたティアラは、誰にも見つからない場所に隠した…どこかは知りませんが。」
フィリップ「そして、僕たちが席を外したら、油断してまたティアラをブーケの中に戻してた。違いますか?」
そう言いつつ、フィリップはブーケの中からティアラを取り出す。
翔太郎「教えてください。なぜ依頼のことを知ってたのか、そして…………どうしてこんなことをしたのか。」
ともかは何も言わずただ俯いていた……と思いきや、突如手を叩き出して……
ともか?「ウッフフフフフ…やるじゃない。でも一つだけ、大きな間違いをしているよ。」
翔太郎「間違い…?」
ともか?「僕は……ともかではないんだ!」
偽物のともかの正体は…
翔太郎「うおっ!!」
ともか?→ニジー「僕はニジー!怪盗団ファントムの……怪盗さ。」
みくる「怪盗団……ファントム?」
翔太郎「あ、は、はじめまして。」
フィリップ「翔太郎、今は律儀に挨拶してる場合じゃないと思うよ。」
ニジー「惚れ惚れする……変装だったろ!!」
ニジーは一瞬でフィリップの近くまで接近し、ティアラを奪っていった。
ニジー「頂くよ……」
気づいた時には、フィリップの手元からティアラは失くなっていた。
フィリップ「ない…」
ただ、カーテンが揺れるのを見て、ニジーは窓から出て行ったことは分かった。
みくる「しまった!!」
フィリップ「翔太郎、『アレ』を使う時が来たんじゃないか!?」
翔太郎「あぁ…まさかこんなところで使うことになるなんてな!!」
あ・み「「待てー!!」」
あんなとみくるが走りでニジーを追う中、翔太郎とフィリップはバイクに乗って追いかけていた。
翔太郎「悪いな。どうやらハードボイルダーもついてきちまったみたいでよぉ!!」
フィリップ「翔太郎、コレ以上スピードは上げられないのかい!?」
翔太郎「高速運転は事故のもとだろ!!」
※バイクの二人乗りは危ないので絶対にやめましょう。
一方、あんなとみくるは…
あんな「速い……!」
とそこにポチタンが介入してきて、スピードアップ。
ポチタン「ポーチー!!」
あ・み「「うわぁぁぁ!!」」
ポチタン「ポチ!」
その勢いでジャンプ。そして、少し開けた場所で着地した。よくあの高さから生きて帰れたな…
一方、翔太郎とフィリップも、ニジーの目の前に来たところでバイクを止めた。
ニジー「困ったベイビーだね。」
翔太郎「長年の戦闘経験が告げている…コイツは危ないヤツだと……!あとそのカッコつけた話し方やめろ!!」
ニジー「できない相談、さ。」
あんな「ティアラを返して!!」
ニジー「ソレもできない相談だよ。このティアラには、『マコトジュエル』が宿っているんだもの。」
あ・フィ「「マコトジュエル…?」」
翔太郎「何だそりゃ…」
ニジー「花嫁がティアラを大切にする想いが、マコトジュエルを呼び寄せたのさ。」
そう言ってニジーは、ティアラの中から、水色の『マコトジュエル』?を手に入れた。何の手品かは知らないが。
あんな「あっ…!」
ニジー「このジュエルを頂くのが、僕たちの目的。そうだ!ティアラの代わりに、素敵なショーをお見せしよう!!嘘よ覆え!出でよ、ハンニンダー!!」
ハンニンダー「ハンニンダー!!」
ニジーが薔薇を投げ、ティアラに刺さると、内部のマコトジュエルが闇に染まり、怪物「ハンニンダー」が誕生した。
ニジー「ファントムが新たに開発した、『ハンニンダー』さ!さぁ、ショータイムだよ、ベイベー!!」
ハンニンダー「ハンニン、ダー!!!」
ハンニンダーは光線で近くの森を破壊する。ソレを見た翔太郎とフィリップは…
翔太郎「……っぶねぇな。アンタが敵ってことは分かった。だったら、やるべきことは一つだ!フィリップ、行くぞ!!」
フィリップ「あぁ、翔太郎。『コレ』をやるのは、久しぶりだね。」
そう言うと、翔太郎は謎の赤い物体を取り出し、腰に巻く。すると帯が出現。この物体はベルトだということが分かった。
と同時に、フィリップの方にもベルトが巻かれる。
あんな「えぇ、どんな魔法!?」
更に二人は、USBメモリ型のアイテムを取り出し、起動させた。
『サイクロン!』
『ジョーカー!』
翔・フィ「「変身!!」」
二人の腕が「W」の形になるように腕を動かすと、まずフィリップがベルトにメモリを装填する。だがなんと、一瞬のうちにメモリはフィリップのベルトから消え、翔太郎のベルトに出現した。更に、翔太郎が続けて自分のメモリを装填し、ベルトのレバーを開いた。同時にフィリップが倒れてしまう。
『サイクロン!ジョーカー!〜♪』
なんと、翔太郎の近くに風が巻き起こり、徐々に装甲を身に纏っていった。今の翔太郎とフィリップは、かつて風都を救った希望、『仮面ライダーW』である。
W(翔・フィ)「「仮面ライダーW!さぁ、お前の罪を数えろ!!」」
あんな「え、フィリップさん!?フィリップさん!!?」
翔・フィ→W(フィリップ)「その身体は預かっておいてくれ。僕の意識はこの身体に転送されている。」
みくる「……ほ、本当にワケが分からない……」
W(翔太郎)「行くぞフィリップ!」
ニジー「なるほど、面白いモノを見させてもらったよ…」
ハンニンダー「ハンニンダー!!!」
Wは格闘戦でハンニンダーと戦い始めた。
あんな「アレは……『仮面ライダー』!?まさかこんなところでお目にかかれるなんて!!」
みくる「仮面ライダー?」
あんな「知らないの!?昔、隣町の風都を救った伝説の戦士だよ!!」
みくる「伝説の、戦士…彼らが……」
W(翔太郎)「みくる、探偵テストは合格だ!早く逃げろ!!」
あんな「でも、何とかしないと…仮面ライダーだけじゃこの怪物は倒せないよ……」
一方、みくるの足は震えていた。
みくる「何とかって…」
ニジーは、Wとハンニンダーが戦っている真横で、みくるの精神にトドメを刺そうとする。
ニジー「フフッ…さぁ、探偵ごっこはおしまいだよ。怯える瞳が全てを物語っている。君は探偵じゃない…探偵気取りの真っ赤な偽物さ。」
W(翔太郎)「勝手に…、決めつけんな!!」
Wが渾身のパンチを繰り出す中、みくるはついに心が折れかける。
みくる「ッ……!!」
あんな「本物だよ!!」
みくる「ッ…!?」
あんな「みくるちゃんは名探偵になるんだ!!」
ニジー「フッ、名探偵?流石にあり得ないよ。」
あんな「なれる!」
あんなはみくるの宣言を思い出す。
みくる『今度は、私が名探偵になって、みんなを助けたい!』
みくる『絶対に、ハードボイルドな名探偵になってみせます!!』
あんな「助けたいって気持ちがあるから!!!」
ニジー「強がっているけど、君も本当は怖いんだろう?」
みくる「あ……」
あんな「そうだよ…怖い。怖いけど、ティアラを取り返したい。困っているまりさんを、私も助けたい!みくるちゃんと一緒に!!」
あんなの強い想いに、あんなを時間移動させたあの時計が呼応する。
みくる「ハッ……!」
あんなの言葉に希望を見いだしたみくるは、あんなに手を差し伸べる。
あんな「みくるちゃん…!?」
みくる「一歩の勇気が…」
あんな「答えになる!フフッ!!」
W(翔太郎)「お前らならなれるぜ、名探偵に!!」
ニジー「見せてもらおうかな、その答えとやらを!」
ハンニンダー「ハンニンダー!」
W(フィリップ)「マズい、取り逃がした!!」
W(翔太郎)「いや、きっと大丈夫だ…あの二人なら!」
ハンニンダーがあんなとみくるに襲いかかるが…
あ・み「「私たちで……取り返す!!」」
その瞬間、あんなとみくるから光が出て、例の時計が二つになる。
あんな「私のと…」
みくる「同じ!?」
眩い光が、辺り一面を覆う。
ニジー「ぐっ…!」
W(翔太郎)「うわっ、眩しっ…!」
ポチタン「ぷいきゅあ〜!!」
あ・み『オープン!ジュエルキュアウォッチ!!』
W(翔太郎)「アレそういう名前だったのか…」
あ・み『プリキュア!ウェイクアップタイム!サン!』
あんな『見つける!』
W(翔太郎)「うおお…何だありゃ……」
あ・み『ロク!』
みくる『向き合う!』
W(フィリップ)「奇跡って、起こるものなんだね。」
あ・み『キュー!奇跡のふたり!!』
W(翔太郎)「おいおい…俺聞いてねぇぞ…」
あんな『くるっと回して!』
みくる『キュートに決めるよ!』
W(フィリップ)「眩しすぎて、目がやられそうだ…」
あんな→アンサー『どんな謎でもはなまる解決!名探偵、キュアアンサー!!』
みくる→ミスティック『重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵、キュアミスティック!!』
ア・ミ『名探偵プリキュア!』
アンサー『私の答え、見せてあげる!』
W(翔太郎)「んだこりゃ…」
ハンニンダー「ハンニンダー!」
W(フィリップ)「しまった!彼女たちが危ない!!」
W(翔太郎)「だから、まずは見とけって言ったろ?」
ア・ミ「「ハアアアアアーーーーー!!!!!」」
アンサーとミスティックは、襲い来るハンニンダーを蹴りで弾き飛ばした。
W(フィリップ)「凄い力だ…」
ハンニンダー「ハン、ニン、ダー!?」
アンサー「私、プリキュアって…!?」
ミスティック「わぁ〜、名探偵!私がなりたかった、名探偵プリキュア!!」
アンサー「えぇっ、コレが!?」
W(翔太郎)「どうやらコレで、俺たちと一緒に戦えるようになったみたいだな。」
ミスティック「はい、頑張ります!!」
ポチタン「ポチ〜!!」
ニジー「プリキュアだと…!?ヤツとは違う、新手か…!!?それに、仮面ライダーとは何だ!!??」
???(黒フードの男)「仮面ライダーも、憎き敵。プリキュアとやらと一緒に倒すべきです。」
ニジー「なるほどね…!」
ニジーがプリキュアと仮面ライダーについて困惑していたところを、黒いフードを被った謎の男が、木陰から唆す。
ハンニンダー「ハンニンダー!!」
W(翔太郎)「おっと、今大事な話の最中だ。邪魔しないで貰える、か!?」
ハンニンダーが襲いかかって来たところを、Wが拳で受け止める。
W(フィリップ)「今だ、やれ!!」
ア・ミ「「ハアアアアアーーーーー!!!!!」」
アンサーとミスティックは、またもハンニンダーを蹴り飛ばす。
ニジー「その程度では倒せないよ!」
ハンニンダー「ハンニンダー…!」
ハンニンダーが3人にパンチを繰り出そうとするが、もう3人が次にやることは決まっていた。
アンサー「一歩の勇気が…」
ミスティック「答えになる!」
W(翔太郎)「フィリップ、メモリブレ…必殺技だ!」
W(フィリップ)「プフッ…翔太郎、ドーパントじゃないんだから。」
W(翔太郎)「あ、今笑ったな!?後で責任取ってもらうからな!!?」
と言いつつ、アンサーとミスティックはウォッチの針を回し、Wはジョーカーメモリをベルトから外して、マキシマムスロットに挿し込み、ボタンを押した。
ア・ミ「「コレが私たちの……アンサーだぁぁぁぁぁ!!!!!」」
『ジョーカー!マキシマムドライブ!!』
W(翔・フィ)「「ハアア…『ジョーカーエクストリーム』!!」」
すると、なんとWの体が左半身と右半身に分かれ、アンサーとミスティックと合わせて4連撃をハンニンダーに放った。攻撃は見事ハンニンダーに直撃。
ア・ミ「「キュアっと解決!!」」
ハンニンダー「ハン、ニン、ダー…」
ハンニンダーは浄化され、マコトジュエルを取り返すことができた。
アンサー「あっ…」
W(翔太郎)「コレが…」
ニジー「くっ、今日は幕を下ろしておこう!!」
???(黒フードの男)「仮面ライダー…!必ず倒す……!!」
ニジーと男は、コレ以上は不利と考え、逃げていった。
ミスティック「いなくなった…!?」
W(フィリップ)「本当に不可解な人間さんたちだね。…いや、人間であるかどうかすら分からないけど。」
その後、まりの結婚式は無事に行われ、ティアラも返ってきた。
アンサー「良かった、式に間に合って…!!」
なおWは、フィリップの身体を抱えながら式を見ていた。なんかシュール。
ミスティック「ありがとうございました!!」
W(フィリップ)「いやいや、礼を言われる程でもないよ。」
アンサー「私のおかげというか…」
とその時、会場に飛び込んできたのは、まりの友達である藤井ともか。
アンサー「あっ、怪盗!」
W(フィリップ)「違うよ。」
ミスティック「本物のともかさんですよ。」
ともか「ごめん、遅れちゃった!」
まり「それっ!」
恒例のブーケトス。
ともか「ッ……やったぁ!!」
……はともかが受け取った。
アンサー「あ……私帰らないと!誕生日パーティが……」
ミスティック「あの、プリキュアになれたってことは、テスト合格ですよね!?」
ミスティックはプリキュアになれたことに大興奮で、それどころではない。
W(翔太郎)「あぁ、本当に合格だ。まさか俺の考えた『探偵三箇条』を全部クリアするなんてな…」
ミスティック「探偵三箇条?」
W(翔太郎)「洞察力、諦めない心、そして勇気。ミスティック、お前は本当に凄いぜ。」
ミスティック「つ……遂に翔太郎さんの合格も頂けたー!!1999年4月、とうとう私も『キュアット探偵事務所』の名探偵になったんだー!!!」
アンサー「1999年?また訳の分からないことを……」
ポチタン「ポチ?」
W(翔太郎)「そんなことも知らなかったのか?」
ミスティック「いやいや、今日は1999年、4月2日春です!ほら!!」
ミスティックが指差したのは、満開の桜だった。
アンサー「え…桜…?私がいたのは、2027年1月冬…もしかして…私…昔にタイムスリップしちゃったの〜!?」
とその時、Wのスタッグフォンに電話の着信が。
W(翔太郎)「おっとすまねぇ、少し外すぜ。」
Wは人目のつかないところに行って、電話に出た。
W(翔太郎)「はい、こちら『なもなき探偵事務所』。どちら様で…」
亜樹子『良かったぁ〜、ちゃんと繋がった。そっちは確かに翔太郎くんとフィリップくんだよね?』
W(翔・フィ)「「げっ…」」
二人はその聞き覚えのある声に危機感を感じ始めた。
亜樹子『取り敢えず、この散らかりようはどういうことかな?一回帰ってきてほしいんだけど〜??』
Wはすぐに電話を切る。
W(翔太郎)「詰んだ…」
そしてWはゆっくりとアンサーとミスティックの方に振り返り…
W(フィリップ)「悪いね二人共、僕たち私用で帰ることになってしまったんだ…」
ミスティック「え?」
アンサー「え?」
ア・ミ「「えぇぇぇぇぇーーーーー!?」」
#1 目覚めるP/謎は謎を呼ぶ
ED「なぜ?謎?!ANSWER」
次回、仮面ライダーW&名探偵プリキュア!
亜樹子「何アホかましてんじゃワレ〜!!」
翔太郎「待て亜樹子!コレには事情が…」
亜樹子「問答無用〜!!!」
あんな「プリキュアって何?タイムスリップって何〜!?」
ポチタン「ポチ!」
みくる「彼処に行けば解決するかもしれません!!」
あんな「彼処って?」
みくる「キュアット探偵事務所です!」
そして…
『スイーツ!』
翔太郎「ドーパント…だと!?」
Next→「目覚めるP/天才少年」
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