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後日、再び三人は集まった。
不穏な気配でさえも打ち消そうと、誰から何を話そうか互いにタイミングを伺う。
先に口を開けたのは霊巌であった。
霊「儂は…昨晩にある事を告げられてな。」
忍「ある事って…なんだよ?」
霊「儂の因縁の相手から、そろそろ儂を抑えていた封印が解けると言うておったわい。」
玄「ってか、封印ってなんだよ…」
霊「あぁ、其方らには儂が人ではないことを先に告げていただろう?」
「もっと細かく言うてしまえば、儂は鬼だ。しかも、人を食らったこともある。」
玄「人を…食っただって?」
忍「爺さん、その話をもう少し詳しく聞きたいんだが…」
霊「忍殿、後で二人ばかりになってからでも良いか?」
忍「あ、あぁ…」
「それで…玄爾、お前の方は?」
玄「玄武の奴が寝るってさ。それで力を俺に継がせるってな。」
「正直、興味はない。」
忍「お前…それでいいのか?」
玄「辿り着けたのが運の尽きって訳だ。宝の持ち腐れに過ぎなかったし。」
忍「そ、そうか…」
「俺の方は何の収穫もなかった。だけど…」
「二人とも、大丈夫なのか?」
霊「大丈夫かと問われると…儂も心配せざるを得ないな。」
玄「まぁ、ミュータントの姿ぐらいなら行けるけど…」
しかし、忍の方は妙な違和感を感じていた。何故だろうか、まるで…二人の内に秘められている獣が、今にも目覚めようと蠢いているのを。
忍「でも、あまり無理はすんなよ…」
しかし、嫌な予感はいずれ的中するものである。
忍「んじゃあ、行くか。」
三人は互いに目配せし、眷属を倒すべく一歩踏み出した。
─獣が目覚める時の巻・終─
─次・眷属討伐の巻─