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あなたを初めて見たのは
暖かな風を感じる春だった。
年長さんと呼ばれる年齢だった私たちは
お互いごっこ遊びに夢中で話すことなど
ほとんどなかった。
1年間共に過ごし、別々の小学校へと入学した。
2度目の再会は小学6年生の修学旅行だった。
私たちの住んでいる地区は過疎地域で
3つの小学校が合同で
修学旅行に行くことになっていた。
全員 6年ぶりの再会だったため
ほぼ初対面のような感覚だった。
お互い初々しい気持ちのなか
先生から 班わけの発表をされた。
私の班は S君 Y君 私 の3人だった。
男の子2人と私1人で不安しか無かったものの
行きたい場所や食べたい物が3人一致
話し合いはどのグループよりも順調に進んだ。
いつの間にか不安も消え
楽しみしか残っていない自分に驚くほど
たった少しの時間で3人の絆は深くなっていった。
修学旅行当日
私たちの班はどこの班よりも楽しく過ごした。
地図の読み方が分からないY君と私に
優しくS君が教えてくれたり
蕎麦についてきたわさびを3人分食べ
泣きかけたY君をS君と私で慰めたり
博物館に展示してあった
黒曜石や竪穴式住居の再現に興奮したり
集合時間1時間前に集合場所についてしまい
暇になったY君はコンビニでド〇ゴンボール
を買って一人で読んだり
馬鹿なことをして
お腹を痛めるほど笑った修学旅行だった。
夜は女子の恋バナタイム
周りの子が
「Y君かっこいい!」
「S君あの子のこと好きそう!」
と話している中、
私は先輩に5年目の片思いをしていた
真っ只中だったため、全く話に混ざれなかった。
大人気のY君の一緒の班の私は
勝手に恋のライバルされた。
小学6年生ながら女の子って大変だなと
しみじみと感じる夜だった。
鮮やかな思い出を作ることの出来た私たちは
学校が違うため
次に会えるのが中学校の入学式
全員同じ中学校に進学することが確定していたため
私たちは中学校を楽しみに
残りの小学校生活を過ごした。
そして私たちは
寂しさと感謝を胸に
小学校を卒業した。