この作品はいかがでしたか?
150
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※ 百合
╴╴╴╴╴
__の声って汚いね。
耳障り
喋らないでよ
そんな淡い期待なんか溝に捨ててきた。
私には
必
要
の
な
い
思
考
だから。
呼吸をしていると
今日も生きているんだね。
そう、思うよ。
酸素を吸っては二酸化炭素を吐き
皆と同じ生き物な筈なのに
喋らないで黙っている私は
ただただ、邪魔で面倒なクラスの異物扱い。
他人が思うことは自分でも理解するものだ。
だから私は自分が嫌い。
他人が私と言う人間を嫌っていれば
私が自分自身を嫌うと言う事も必然的ではありますが。
この世でそうではない人がいても
私は私の声が見た目が性格が全てが嫌いです。
まだまだ、夏の暑さが残る9月上旬。
汗で濡れた髪の毛が白いセーラー服によく映えていた。
そう思ったのは合唱コンクールに向けて頑張る
クラスを仕切る女王様、神崎 姫里
持ち前のリーダーシップでクラスを引っ張っていく。
無理の無い計画,手本のような声
だから 皆この人についていく。
練習中
「ねぇ~、──が声出してな~い」
「え、──さんが?」
「そうそう!」
「私が言っておくから練習してね」
「ほーい」
練習中しっかり口パクをしていたのに….。
声を出さないせいで告げ口されちゃったよ。
西陽が射す空き教室
「今日なぜ呼び出したか分かる? 」
“合唱の件ですか”
「そうよ、分かってるじゃない」
会話を盗み聞きすれば言いたいことなんか分かるだろう。
つまり、知ってて当たり前。
「どうして声を出さないの?」
私が、もう、傷つきたくないと言うエゴを
我儘に貫こうとしているから、かもしれない。
「じゃあ、質問を変えるわ 練習する気はある?」
“ある”
「ここには私と貴方しかいないのよ?
声、出してみない?」
“どんな声でも馬鹿にしませんか?”
「しないわ」
…淡い期待をしているんじゃない。
これは、私が練習の邪魔になることを証明するために必要なこと 。
「 ₊♫* .•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬」
「……」
“分かったでしょ?”
「そうね、帰って良いわよ」
“さようなら”
「なぁ~にが声を馬鹿にしないでよ、」
馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ
保険をかけたってどうせ
それなのに
「今から歌って」
“なんでですか?”
「見返したくないの?」
“見返さなくて大丈夫です”
「聴きたいな~?」
…
🎼.•*¨*•.¸¸
問答無用で流れてくる音楽が
心地いい。
「♫* .•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬」
「ね?ほらできた」
合唱コンクール 本番
「もしかしたら私の声を受け入れてもらえなくて
クラス全体の評価に響いて」
「はい、ストップ~! そう言うのは終わった後に言うものよ」
「安心しなさい、貴方の実力は私が保証するわ」
ホールいっぱいの拍手と共に私たちのクラスは優勝した。
「ありがとう、淋淡 声さん」
先程までのホンワカした空気は何処えやら。
「みんなが私の声を受け入れてくれたから、です」
…
「私ね嫉妬したの。 貴方の声がとても綺麗で。
声を聴いたクラスのみんなが貴方に集まっているのを見て」
「声、愛してる」
….
「さっさと返事しなさいよ」
「…えっ…この空気で??」
「うるさいわね??」
私を見つけてくれてありがとう
私を褒めてくれてありがとう
「姫里、わたしも愛してる」
姫里が褒めてくれた声を
一生分 貴方に捧げます。
一生分の声を貴方に
淋淡 声╳神崎 姫里
fin.
コメント
2件
ユリだぁぁぁ!!!供給ありがとうございますぅ… てかノベルの書き方上手すぎない? チャットノベルもノベルも関係なく上手く書けるここみちゃん、天才…!!!