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「それ言える怜夢さんも素敵です」
さらにトロンとした目、表情と妃馬さんのストレートな言葉に目が覚めるような感覚に陥る。
鼓動が早くなりほんの数秒、妃馬さんから目が離せなくなる。
そんな自分のこの感じを悟られないようにそして自分自身のこの感じを自分に誤魔化すように
「妃馬さん酔ってます?」
と少し笑いながら話を少し変える。
「んん〜どうなんでしょう?まぁホロ酔い感覚ではありますね」
と言い微笑む。
「でもお酒強いんじゃないんですか?月に3から6飲むんですもんね?」
「ん〜多いときで6なんで。しかも友達と飲んでるときも自分のペースを崩さず飲むんで
あんまり強くはないと思います」
「あぁ、似てる」
そう言うとトロンとした目は変わらず、でも不思議そうな表情で顔を左側に少し傾ける。
その様子を見て続けて言う。
「僕もそうなんですよ。いやまぁ全然妃馬さんほど飲みには行かないんですけど
飲むときは周りのペースがどんなに早かろうと自分は自分のペースで飲んでます」
そう言うと妃馬さんは大きく頷いて
「うんうん。それがいいですよ。自分が一番楽しめるのが一番です。
すぐ飲み潰れる飲み方が一番楽しい人はその飲み方でいいし。うん。それがいい!」
そう言うとアスピスサワーを1口飲む。
「なんかカッコいいっすね妃馬さんって」
そう言ってから女性に対して「カッコいい」って褒め言葉なのだろうか。と考えた。
「ん?どこらへんがですか?」
「いや、お気を悪くされたらごめんなさい。
なんていうか、なんだろう。人のことを思いやりながらもちゃんと自分も持ってて
自分を大切にしてる感じというか」
少し「カッコいい」発言に申し訳なさを覚えつつ
心の上部から心の底まで思ったことを伝える。
伝えてる途中で恥ずかしさも感じ、言い終わったとき
視線は自分の汗かいた紅茶ハイと氷の入ったグラスを見つめていた。
グラスがかいた汗が一筋流れる。視線を上げ妃馬さんのことを見た。
妃馬さんは先程までのトロンとした目ではなく
ハッキリした目付きで面食らったような表情になっていた。
その様子になぜか僕もビックリして
「ど、どうしました?あ、すいません。やっぱり気に障りましたか?すいません」
と失言だったかもなと思って謝ると
「あ、いや、違うんです!
全然イヤだったとか怒ったとかじゃなくてなんて言ったらいいのかな」
視線が泳ぎ口調も気持ち早口な気がした。
僕は言葉を挟まず、妃馬さんの言葉の続きを待っていると
「えぇーと皆さん聞いてください!」
と奥から4年の先輩が大きな声で全体に呼びかける。
「このビルの隣のビルにカラオケがあります!行きたい人は行っていいですが
カラオケ行ってそのまま帰る人や別場所に移動する人たちは
ここで店員さんに名前とお金を渡して出てください!
もちろんここで飲み続けるのも全然ありです!」
4年の先輩がそう言うと少し空気が変わった。
しばらくすると3割くらいの人たちが席から立って財布片手に出口に向かっていた。
そんな様子を見ていると右肩が叩かれる。振り返ると鹿島が
「怜ちゃんどうする?」
と聞いてきた。僕は少し考えてから
「鹿島はどうする?ってかみんなどうしたい?」
と鹿島だけでなく妃馬さん姫冬ちゃん、俊くんにも投げかけた。すると姫冬ちゃんは
「私はカラオケ行きたいなぁ〜皆さんの歌聞きたいし、私も歌いたい!」
という意見だった。
「僕歌上手くないんですよ」
と俊くんはあまり乗り気ではない様子。
「大丈夫だって。オレもそんな上手くないから」
鹿島は少し行きたい感じなのだろうか。
「私はもう少しゆっくりしてたいですかね」
妃馬さんは今すぐには移動したくないといった様子だろうか。
その意見をどうまとめるか少し考え
「じゃあ、今9時50分なんで10時半くらいにカラオケに移動とかどうっすか?」
うまくまとまっているか、みんなが納得してくれるかわからず少し不安だったが
意見をまとめて発言してみた。するとみんな笑顔で頷き
「いいと思いまーす!賛成ー!」
「はぁ〜歌歌うって思ったら緊張してきた」
「じゃあ、俊くん一緒に歌う?」
「そうですね。ちょうど落ち着いてるころかもしれませんし」
どうやらみんな納得してくれたようだ。少し安心して紅茶ハイを1口飲む。