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一方、苦手な体術戦に焦っていた佐伯の元へ、緋八の治療を終えたウェンが駆けつける。
「テツ、ここからは2人だぞ!」
このペアもまた、対人戦で訓練を積んだペアである。Dyticaで前線を務める小柳と伊波の攻撃のコンビネーションを学んでいた。体術は攻撃の間合いが短い。そのため、ウェンの大剣はこの相手には有利なのだ。ただし、大剣で攻撃をするのにコンマ何秒だとしても、その間の時間に相手に技を決められてはもってのほかだ。その間の時間を佐伯の攻撃で埋める。これで、隙のない攻撃の完成だ。
「ちょっ、女の子に男2人はないじゃろぉ!!」
さすがのチャイナも、絶え間ない攻撃に耐えられず、白旗を揚げた。
「なんで君たち、マナを一度殺したの」
ウェンが鋭い目で目を覚ましたくノ一とチャイナに問いかける。
「わっちら、KOZAKA-Cって奴らに捕まってな、ヒーローを一人殺してこい言われたんよ。じゃないとお前らを解放しないって… 」
「そんな命令一つで人殺せるのかよ…、」
宇佐美が小さく言い放つ。
「そんな命令って…!!聞かないとどうなるかって、目の前で同僚が殺されたんだよ!!わっちはくノ一として修行を積んでる最中で、家族に一人前になった姿を見せなきゃいけないのに…!それに、この子だって、忍者の村に迷い込んできて一緒に育ってきた妹みたいな存在なんだ…!誰一人、死ぬわけには行かなかったんだ…。」
そんな裏話があるとは知らなかった。この人たちもKOZAKA-Cの被害者だったんだな。
「もうええよ、そこまでにしよか」
「マナ!!」
目を覚ましたマナが間に立つ。
「俺らの標的はあくまでKOZAKA-C、危機感欠いた俺の責任でもあるしな!」
くノ一たちも今後は間違った方には転ばないことを誓い、戦場をあとにした。Oriensは楽しそうに歩いていく2人の背中を見送る。
本社に戻ったOriensは常備してある温泉に浸かりながら、緋八は今日の出来事を振り返る。
「ほんと、油断禁物やなぁ!!」
「マナまじでメディカルデバイスなかったら死んでたんだからな!」
珍しくウェンがプンプンしながら言う。よっぽどみんなに心配をかけてしまったらしい。
「リトくんも身体中だいぶボロボロだね…」
「いや?これわざとだからw」
「油断禁物だよリトくん?」
「はいっ。」
やっぱ俺、Oriens好きだなぁ。死と隣り合わせで危険な人生も、Oriensのみんなと過ごす楽しい人生も、どうやらまだまだ続いていくらしい。
〜fin〜