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#うちの子
ゑぬ。
32
#復讐
532
そこら辺のアニメオタク
36
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好きな人に似ている人のストーカーになった。
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…こう書くと、我ながらかなり気持ち悪い。 でも、仕方がないと思っている。 だって、 好きな人はもういない。 だから俺は、その人によく似た人を追いかけている。
別に、話しかけたいわけじゃない。 仲良くなりたいわけでもない。 ただ、見ていたい。 遠くからでいい。
その人が歩いているところとか、信号を渡るところとか、コンビニで飲み物を買っているところとか。 そういう、どうでもいい日常を。
だって、そんな姿を見ていたら、そこにあの子がいるような気になれるから。
田原 琉、 大学三年生、 二十一歳。
俺が去年まで同じ高校に通っていた、田原 玲香の兄。
そして、俺が今、毎日のように後をつけている人。 もちろん、琉さん本人とは一切会話をしたことが無い。と、いうか、できるわけが無い。
だって、俺が彼を追いかけている理由は、どう考えても頭がおかしい。
俺は去年まで、玲香のクラスメイトだった。
席が近かったわけでもない。 毎日一緒に帰っていたわけでもない。 親友だったわけでもない。
それでも、俺は玲香が好きだった。
たぶん、一目惚れだった。
笑った顔が好きだった。 少し眠そうに目を細めるところが好きだった。 誰かと話すとき、相手の目をちゃんと見るところが好きだった。
くだらないことで笑って、先生に怒られているところも。 俺が落とした消しゴムを拾ってくれたことも。 廊下ですれ違ったときに、「おはよ」と言ってくれたことも。
全部、覚えている。
なのに あの日。
玲香は、学校に来なかった。
登校途中、交通事故に巻き込まれた。
たったそれだけのニュースで、俺の日常は全部壊れた。
次の日から、教室の一番前の席がひとつ空いた。 誰も座らない席。 机の上には、もう何もない。 それなのに俺は、何日経ってもそこを見てしまった。
もしかしたら。
もしかしたら突然、 「おはよ」 なんて言いながら、玲香が教室に入ってくるんじゃないか。
そんな馬鹿なことを、ずっと考えていた。
そして、ある日。 駅前で、琉さんを見つけた。 最初は、玲香だと思った。 本当に、一瞬だけ。
人混みの向こうに見えた横顔が、あまりにも似ていたから。 思わず追いかけた。
角を曲がって。 信号を渡って。 少し先にある大学の門まで。 そこでようやく、玲香じゃないと気づいた。
背が高い。 髪型も違う。 当然、男だ。 制服じゃなくて、私服を着ている。
当たり前なのに。
俺は、その場から動けなかった。
玲香に似ている。 笑ったときの口元も。 少し伏せた目も。 横顔も。 全部、全部が。
その日からだった。 俺が、田原琉という人間を追いかけるようになったのは。
朝、何時に家を出るのか。 どこの駅を使うのか。 大学から帰るのは何時頃なのか。 どこのコンビニに寄るのか。 そんなことを知って、どうするつもりなのか。 自分でも分からない。
ただ。
琉さんの姿を見つけると、少しだけ安心する。
玲香がいなくなったことを、一瞬だけ忘れられる。 だから今日も俺は、少し離れた場所から彼の背中を見ている。 琉さんは何も知らない。
自分の後ろを、妹に恋をしていた男が歩いていることも。そんな奴が 自分の妹の面影を追いかけていることも。
何も、何も知らない。
コメント
1件
もう…、タイトルからしてエモすぎて胸がギュッてなった😭💔 「好きな人に似ている人のストーカーになった」って一文だけで既に重いのに、読んでみたら玲香ちゃんへの一途な想いが切なすぎて涙腺やばいよ…🥺 玲香にそっくりなお兄さんを追う主人公の心情、細かい描写が刺さりまくり。「玲香がいなくなったことを一瞬だけ忘れられる」ってとこ、もうどうにかなりそうなくらいエモい…! 続きが気になりすぎるよ…白雪さん、この重くて繊細な空気感、マジで天才すぎる…🌸✨