テラーノベル
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〈そう、俺は君と同じ”改造人間”だ〉
[僕と、同じ……]
自分以外の能力を見るのが初めてなのか、ドズルくんは少し驚いたような顔をしていた。
[ぼんじゅうるさんはいつから__]
タッタッタッ…
〈シー、さっきの衝撃で誰か来た〉
能力を証明するためとはいえ、少し乱暴にしすぎたかもしれない。
[えっじゃあどうすれば…!!]
〈ドズルくん、もし君がここから逃げるなら、俺と一緒に来ない?〉
どうせ逃げなければいけないのなら、一緒に逃げた方がドズルくんを守れる。
それに、逃げずに事情を説明するにしても、倒れた研究者を見られれば俺も閉じ込められてしまうだろう。
[でも…]
〈俺は君を探してた。これ以上俺たちみたいな犠牲者を出さない為に〉
「おい、地下室の扉が開いてるぞ!!」
[…行きます!僕を連れていってください!]
〈OK、少しじっとしてて〉
俺は鍵を使って手錠と足枷を外し、壁を破壊した。
ドカァァァァァン!!!
〈じゃあ行こうか〉
[はい…!]
「いたぞ!逃がすな!!」
〈相変わらず諦めの悪さが尋常じゃないね…〉
[それを言うならずっと逃げてる僕たちもですよ…]
壁を壊して逃げてきたせいで、研究所にいたほぼ全員が追いかけて来ている。
〈それにしてもこのままじゃらちがあかない。ドズルくん、ちょっと手伝ってくれる?〉
逃げ初めてからもう2,30分は走ってる。
このままだとドズルくんの体も心配だし、何よりずっと逃げるのは面倒だ。
[手伝うって…まさか…]
〈正面から迎え撃つニヤッ〉
[えぇ”ぇ”ぇぇえぇぇ!?]
俺は50人近い武装した研究者に向けて、ゆっくりと左手をかざす。
視界に入る全ての研究者を空間ごと握り潰すイメージで左手を握りしめていく。
「なっなんだこれは!?」
「急に体が…!ねじれる…!!」
そうすると、研究者の体はゆっくりと手の中心に引き寄せられるようにして歪み、
手を完全に握りしめると、多くの研究者が一塊になった。
[す、凄い…]
〈まだ残ってるよ、俺は疲れたからちょっと休むね〉
[えっちょっ!嘘でしょ!?]
〈Zzzzz〉
[あぁもぉ!!分かりましたよ!!]
[(完全に解放すると巻き込むかもしれないから…)]
[身体能力向上、20%]
〈チラッ〉
「おい、絶対に近づくな!一発でやられる!」
[そっちから来ないなら、こっちから行くよ]
地面を思いっきり蹴って一気に距離を詰め、相手が攻撃する前にみぞおちに拳を入れる。
あとはそれの繰り返し。今までやられた分のお返しと思えば罪悪感なんて微塵もなかった。
そもそも罪悪感はなかったけど、人を殴ったり蹴ったりする感覚はあまり好きじゃない。
でも今は、苦しみからやっと解放されたみたいで清々しい気分だ。
〈お疲れ様、やっぱり任せて良かったよ〉
[そうですか、僕は疲れましたよ(睨)]
とか言いつつわざとらしく俺を睨みながら歩いてくる無傷のドズルくんを見ていると、やっぱりこっち側の人間なんだなと思い知らされる。
〈ごめん笑ちょっと見てみたくて〉
[はぁ、でも良かったですよ。久しぶりにスッキリしました(ニコッ)]
ドズルくんが本当に清々しい顔をしているのを見て、少し安心した。
能力を使うのに抵抗があるかもと心配していたけれど、大丈夫だったみたいだ。
〈…そっか笑〉
[あっそうだ、これからはぼんさんって呼んでもいいですか?]
〈えっ別に良いけど…じゃあ俺はドズさんって呼ぶね〉
[なんで急に距離置くんですか!?]
〈いや、よく考えたらあんまり年変わんないじゃん〉
[ぼんさんって何歳なんですか?]
〈ちょうど1ヶ月前に25歳になったかな〉
[へ~]
〈あっ着いたよ〉
雑談をしながら森を抜けると、見覚えのある場所に出た。
[ここがぼんさんの…家…?]
目の前には大きな木が生い茂っている中、大樹の麓に1つだけ扉が着いてた。
〈家っていうか拠点?見た通り家とは言えないし〉
〈中はちゃんと住めるから安心して〉
ガチャッ…
[うわぁ!思ったより広いですね!]
〈まぁね~(ドヤァ)〉
[なんですかそんなどや顔して…]
〈いや?まぁそれは置いといて、これからの予定を話そう〉
[これからの予定ですか?]
〈実はドズさん以外にも俺たちみたいな改造人間…能力者の噂を聞いたんだ〉
[やっぱり、僕たち以外にもいるんですね…]
今のところ分かっている能力者の人数は俺とドズさんを含めて4人だけれど、まだ知らないだけで囚われている人がいるかもしれない。
〈うん。それで、次はその子の救出に向かおうと思うんだけど…〉
能力を使ったばかりであまり無理はさせたくない。
[行きましょう!できるだけ早く助けられるなら助けたいです!]
でも本人が望むのなら、それに尽くすべきだ。
〈…じゃあ、今のところ分かってるその子の情報を話すね〉
【…絶対に…許さない……】
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