「べ、弁明させてください!!」
僕はなんとか言葉を発した。命乞いをするために。
「はっはっは!冗談じゃよ!冗談!」
ぬらりひょんはそういうとさっきまでの覇気はどこにいったのか、急に普通のおじいちゃんに戻った。
「知っておるよ。お主たちと戦った時にはもう大百足は…まぁ、お主らがいやなやつだったらぶっ殺してやろうとは思ってたんじゃがな。」
「はぁ、はぁ、はい。」
「お主の土地と百鬼夜行を見ればわかる。お主はいい神様じゃ。そして、大百足を本当に殺したのは、あの罪深い陰陽師家の黒田家じゃ。」
「なんだ、やらねーんですかい?」
猫娘ぽいあやかしが爪を舐めながらそういう。
「あぁ。儂らがやるのはこいつらじゃねぇ。これより儂らは黒田家本家に向かい、奴らを滅ぼす!奴らの蛮行を許してはならん!全軍出陣じゃ。」
「「おぉーー!!!」」
ぬらりひょんの凄まじい覇気と声の号令が響き渡る。
「すまなかったのぉ。土地神様よ。じゃが、見てみたくてのぉ。大百足を最後に倒した男を。」
「殺されなくてよかったですよ。」
「はっはっは!儂もやらんでよかったわい!ちとやばそうなのもいるしのぉ!」
ぬらりひょんはそういうと空を見上げた。
そこには天災様がこちらを見て飛んでいた。
「天災様…」
「ありゃ、やり合ったら、ちと骨が折れそうじゃわい。」
「ではのぉ!また会おう!今度は宴会じゃ!」
「は、はい。」
この爺さんもう会いたくない。こわい、こわい。
というか、天災様助けに来てくれたのかなぁ?
ぬらりひょんも警戒する天災様って…
天災様って絶対4級のあやかしじゃないよね。だって、ぬらりひょん絶対2級以上のあやかしだもん。
でも、黒田家も天災様を捕まえようとしてたから4級なのか?
いや、天災様は力を隠しているっていうのが正解かな?ぬらりひょんは天災様の本当の力に気づいて警戒したっていうのが自然な考えか。
まぁ、これで黒田家も終わりかな。あんなあやかしたちの大群に襲われたらたらいくら黒田家でもただじゃ済まないだろう。
ーそうですね。このままでは黒田家は徹底的にぬらりひょんによって叩かれて壊滅するでしょう。ですが、真広、いいのですか?このものたちは人間を大量に殺すと宣言しているのですよ?ー
仕方ないじゃないか、黒田家の行いは酷すぎる。因果応報だよ。
僕は人間だけじゃなく、あやかしも守りたいんだ。人間だからといって、悪行に目を瞑り、贔屓にはしないよ。
ーふふ。そうですね。しかし、真広。覚えておいてください。あなたは土地神とはいえ、神です。あなたの判断一つで人やあやかしが死に、生かされます。あなたの決断はそれほど責任があるのです。そして、それはあなたが強くなればなるほど責任は増していきます。決断はよく考えてくださいね?ー
あぁ、わかってるよ。
その後、ぬらりひょんは黒田家本家に奇襲を仕掛けた。
ぬらりひょんは瀕死の重症。百鬼夜行は壊滅し、散り散りに。
大妖怪ぬらりひょんの大敗の知らせが日本中に駆け回った。
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