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すこーし 不穏 !!
「ふぁ ッ 〜 ッ」
だらしない声と共に 起き上がらせる 体 。
布団を 押し退け 体を 伸ばす 。
僕は藤澤涼架 。
ただの 限界 アイドルオタクです 。
そして今日は 日本一人気、『若井滉斗』くん の LIVE !!
偶然 チケットが当たって 、 行くことになった !!
席は アリーナ席じゃないけれど … アリーナ席の 1個後ろの 席だった !!
なんて 僕は 幸せものなんだ …
と、幸せの余韻に 浸っていたら もう LIVE会場に 向かう時間 !!
やばい と 焦って とりあえず 最低 10万円は 財布に入れ 、 コンビニで お金でも下ろそうと 考え うちから出る 。
今日のために ダイエットも 振り付けの練習も 声掛けの練習も してきたんだ !!
電車に乗り 、 少し歩いたところで 会場に着く 。
やっぱりでかいなぁ。
さすが 東京の ドームと言ったところか。
まぁそんなことを考えていても 仕方がないと 会場へと 足を運ぶ。
外から見てもわかる 若井滉斗を 待っている ファンの量が 多すぎて もう 満員電車の 人混みくらいに 押しのけられ もう疲れる 。
人混み を かき分けながら 会場へと 向かう 。
やっと 会場の中の 席につき 一段落する 。
あと 10分で開演だ 。
まだ時間があるかと 鏡を見ながら 髪を治す。
都会に出て、 思い切って 金髪にしたから 、 こういう 暗いところでも 目立ちやすい。
勿論 目立ったりなどの デメリットもあるが 、 メリットもある !!
それは 人の目に 止まりやすいから 、 推しの目に留まるかもしれない !! そして 僕のことを 認知できやすくなるかもしれない!!
ということだ 。
まぁ あまり 効果はないだろうが 、 効果はあると 信じて 金髪をそのままにする 。
そんなこんなを していたら もう 開演の時間。
楽しみすぎて 心臓が はち切れそうだが まぁ 耐えて 開演をまつ。
「こんにちはっ !!」
元気に マイクを通して 大きく会場に響く声 。
「きゃーーー!!!」
会場全体から聞こえる 甲高い声 。
僕もそれにつられて 叫ぶ 。
「今日は、 みんなに会えて 嬉しいです !!」
笑顔で にこにこという 若井滉斗に 私もー!! という 声も 上がる。
その後は 踊ったり 歌ったり 。
様々なことをして 、 ファンを喜ばせる 。
勿論 僕も喜ぶ 。
アイドルなので、 ファンサは当たり前 。
どこかに目線を 向けたり 、 ポーズをしたり 。
するので、 様々なところに 目線を 向けるはずだが …
…僕のところしか 見ていない 。
すっごい 僕のことを見ている 。
いや僕も 自惚れかと思って 僕の 周りに 綺麗な人がいるんだなとか 僕では ないだろうなとか 思ったよ?
…すっごい 見てくるなぁ って 。
もうほんとに、 瞳の奥から 僕のことを 見てるみたいな感じ 。
きっれいな瞳で 僕のこと 視界に入れて 外しやしない 。
すっごい ファンサだなと 思いながら 振り付けも 声がけも 完璧にこなす 。
その間も 、 踊っていても 歌っていても ずっと 僕から 視点を 離さない。
途中から なんでこんな見ているのだ … 。 という思いで あわあわしたり 逆に羞恥心が 出たり 。
顔が真っ赤になるのを 感じ取った 。
そしたら 口パクでなにか 若井滉斗が 言ってる … ?
僕は 必死に 解読した。
「か・わ・い・い・ね」
僕は自惚れでも 嬉しく、 恥ずかしくなった 。
僕ではないだろうけど 、 キュンとしてしまった 。
やっぱり アイドルはすごいな 。と 思った 。
それでも 終わるまで ずっと こっちを 見ていた 。
踊りとダンス、 どちらも 終わるまで 。
ライブが始まり、もう終盤 という 所。
有名人なども集まっているのか 、 インタビューを することに なっていた。
「今は 日本一 という 日本から 人気を集めている 若井滉斗さんに インタビューです !!」
リスナーからの おー!! という 歓喜の声が 聞こえる 。 僕も 叫んだ 。
「ズバリ !! 若井滉斗さんの 好きなタイプは なんですか !!」
有名人が 若井滉斗に そういう 。
リスナーが 唾を飲んで 期待に満ちた 目で 若井滉斗の 回答を待つ。
「金髪で 、ショートの 、 ふわふわしてる人ですかね。」
リスナーは、きゃー!!という 高い声を 出す。
…僕じゃない…!?
流石に僕でしょ…!!
金髪で ふわふわ…? は分からないけれど… ずっと僕の方を見てきて、 僕の近くに 金髪でショートの人なんて いないよ … !!
まぁ違うだろうけど 。 アイドルが リスナーに 恋なんて 絶対炎上する !! と 内心 ぽつりと呟いといて 、 現実逃避をする 。
でも 一瞬でも 夢を見れてよかった !! などと 喜んでいたら もう ライブは 終わり、 幕が下がり 帰るという時間だ 。
この後に 握手会が あるが 、 僕は 時間なので もう帰らないといけない。 残念だが もう 若井滉斗 とは おさらば 。
会場の 出口に向かっていると 、 顔を隠した 男性が こちらへ向かってくる 。
「すみません … 握手会 、 チケット 買ったんですけど 、 もう時間で 行かないといけなくて … 。」
顔は見えないが 、 声色は 何故か聞いたことがあったが 、 そんなに気に留めない 。
握手会は チケット制で 、 チケットを 買った人だけが いける 。
「え… ごめんなさい … 僕も 時間やばくって …」
「すみません !! もう行きます !!」
僕に 無理やり チケットを握らせて どこかへ向かう。
向かった場所は 出口ではなかったんだけれど …大丈夫かな ? と 呑気なことを考えてると チケットを 無理やり 握らされたのを 忘れていた 。
このチケット 、 どうしようかな 。
別に 後の 予定を ずらす事はできるし… このチケット を 捨てる訳にも行かないもんな …
よし、 握手会 いくか。
予定に 関わりがある人に 一言 電話で ずらして下さいと 声をかけ 、 僕のいた場所を 後にして 握手会場へと 向かう 。
僕が来たのが 遅かったのか 、握手会を 終えた人たちが 次々へ 会場から出てくる 。
列も 少なくなっていたので 、 慌てて 最後尾に 並ぶ 。
待っている間は とても 短く感じた。
そして 次は僕の番 。 仕切りで 区切られていたので 、 仕切りの内側にはいり 、 若井滉斗との 対面 !!
どうぞと スタッフに 促され 入る 。
「こんにちは !! 来てくれてありがとう 。」
笑顔で僕を受けいれ 、 僕の手を 上から握る 。
「ずっとファンです !! あの、 すきです っ !!」
僕は 緊張しすぎて 子供が言えるような ことしか 口から出せない 。
「ふふ、 ありがとう 。 かわいいね 。」
その かわいいね と 発したときの 表情が あのとき、 口パクで 言われた ときの 表情と 同じすぎて 心臓が止まるかと思った 。
「うぁっ、 ありがとうございましたっ !!」
「えっ、ちょっ !!」
時間でもないのに 、 そこに ずっと居てたら 心臓が 破裂しそうになるので 、 自分から 会場をあとにし 、 逃げてしまった 。
「… 逃がしちゃったか 。」
そう小さくつぶやく 、 若井滉斗の 声に気付かずに 。
僕は 電車に乗りこみ 、 家へと 足を運ぶ 。
電車は空いていて 、 座れるところも 十分にあった 。
…何故か 僕の隣に ぴったり ついてくる 男性が いたけれど 。
僕は疑問に思った 。だが あまり気にとめず 携帯を そのまま 見て スルー。
そのあと 電車から 降りた時も ずっと着いてくる 。
僕はだんだん怖くなって 早歩きなど するけど 、 その男は 足が長くて 僕に すぐ追いついちゃう 。
もう家の前まで来たという時に その男は 僕の 腕を引っ張り 路地裏へと 持ってくる 。
「やめ ッ … !!」
僕は必死に 抵抗するけど 男は 力が強くて 抵抗するにもできない 。
そのまま 人気のない 路地裏に 連れてかれ 壁にうちつけられ 、 男も 僕に引っ付いてくる 。
「帰らせて ッ … !!」
男は 帽子も マスクも しているので 顔が見えなく 、 もっと恐怖で。
「助け ッ … !!!」
叫ぼうとしたら 口を塞がれる 。
…相手の唇で 。
一瞬困惑し 、 相手を僕から 引き剥がそうとする 。
相手は マスクをとった状態で 、 こちらに キスをしている状態で 帽子を外す 。
僕は 咄嗟に 相手の顔を見た 。
若井滉斗だった 。
僕は すごく 困惑した 。
意味がわからない。 なぜここにいるのか? なぜ僕に キスをしているのか 。
若井滉斗は 僕から 離れ 、 口を開く 。
「やっと 捕まえた … 。」
「ふっぁ…ッ !?」
呂律の回らない 状態で 僕は困惑する 。
「涼架ちゃん ッ 、だよね。」
「なんでその なまえ ッ … !!」
無駄にかっこいい声で 僕の名前を 呟く 。
…今気づいたけれど 、 握手会の チケット 渡した人に 、 服装似てる …
「あ、 握手会の チケット渡した人に 似てるって思った っしょ ? それ俺 。 まんまと 引っかかってくれて 、 ほんと かわいいなぁ 。」
「えっ」
衝撃の事実を 突きつけられた 。
あれ 、 若井滉斗 だったのか 。
「ほんと 、 男には気をつけた方がいいよ ?」
お前が言うな 。 と 内心 突っ込むが 、 声を出せない。
「ずっと こうしたかった 。 ずーっと 。」
頭や 頬を 優しく撫でてくる 。
僕は 必死に逃げようとするけど 、 股のしたら辺を 膝で 抑えられていたので 、 逃げれない状態だ 。
僕は 怖くて 涙が出る 。
いくら 推しとはいえ 怖いものは怖い 。
「泣いちゃったの ? 怖い ? ごめんね 。
僕は こんなに好きなんだけどね 。」
意味がわからない。 言葉を 淡々と並べ 僕に引っ付いてくる。
「ずっと ずーっと 見てたよ 。
この前 、 あそこの 少しばかり 有名な 美容室いってさ 、 俺に会う前だから ? 俺のライブの前だったから ? かわいいね 。」
僕が この前 ライブの前だからと 美容室に行ってたのは 事実 。
なぜ知っているんだ と 困惑し 、 絶句し 、 言葉が でない 。
「お風呂の時も 、 仕事の時も 、 家にいる時もね 。」
言葉が出ない 。 怖いし 、 不気味だし 。
「だんまり ってことは 、 受け入れてくれてるんだよね ?」
何その暴論 。 何それ怖い 。
そんな呑気なこと考えている場合では無いと 必死に逃げようとする。
「無駄だよ 。 俺のこと好きなんでしょ ? 推しなんでしょ ? じゃあ 俺に従うべきじゃない ?」
意味のわからないことを 淡々と 言われ 、 必死に否定をしようとするが あまりの恐怖で 首も 動かせない 。
「俺と 幸せになろ ? こんなに 尽くしてくれる アイドル 、 俺しかいないよ ?」
…正直僕は 狂っていたんだと思う 。
「…はい ♡」
目にハートを浮かべながら そういう 。
「ごうかく ♡」
されるがままに 持ち上げられ 、 若井滉斗の 家へと向かう 。
「やっぱ 、 この 薬 盛っておいてよかったな 。」
ぽつりと 呟く 。
俺が持ってる 薬は 主に 人を従わせるために使うような 、 少しばかり お馬鹿になってしまう 、 “狂ってしまう”ような お薬 。
腕を引っ張る際に 、 こっそり 口に 放り投げたもの。
相手は疑いもしないで 、 気づきもしないで そのままで いて 。
「ひろと ? 」
可愛い顔で 首を傾げながら こちらを 向く 涼架。
「なんでもないよ 。」
「そっか !」
寝室で2人 、 呟く。
「…続き 、 しよっか ♡」
「…うん ♡」
もう俺に 堕ちてる 。
もう 後戻りしようだなんて無駄 。
涼架は 俺の 最大のファンで 、