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新学期、昇降口で出会った2人とは同じクラスであったことを2年B組の教室に入って気づいた。
僕にぶつかってしまった彼は氷上 透羽くん…ひがみとわくん。
僕がぶつかってしまった彼女は響 結夏さん…ひびきゆいかさん。
いずれも人気は凄くて、
氷上くんは少し気だるさを身にまといながらも優しさを持っていて、コミュニケーション能力が高く、表っから男子にも女子にも人気。
響さんはおっとりしていて、目立つような人ではないようなので、ひっそり他の男子に好意を寄せられているようだった。
そんなふうに彼らを知った頃には桜の花びらも全て散ってしまって、緑色の葉っぱが目立ってくる頃には既に_夏はすぐそこだった。
「じゃあグループワークの時間10分取るから、学級テーマの題材を考えて1グループ1つは案を出して__。」
僕は氷上くんと同じ班で、話し合いをするにあたり関わることを避けられない。
「………」
沈黙が流れる 。新学期だぞ。新しいメンバーで、無理もない沈黙。仕方がない。
僕も言葉を閉ざす1人になろうとしたけれど、 そうなるのは駄目だと思った。
勇気をだして、生きたいので。
だ から。
「あ、あの、どうします……か」
程々に俯きながら目が合わぬよう左右を見てそう言うと、
「わ、私はっ!4文字熟語、とかっを学級テーマにするのが簡単だし、いいと思う…」
思い切って言ってくれたのは隣の関原さんだった。
反応してくれる人がいるってこんなにも安心する。
「僕もそれ、いいと思う。単語から繋げるのもいいと思うし、造語みたいに、作るのだって…」
心臓が口から出てきそうだ。
全身は沸騰状態で、熱い、熱い。
そうして萎みかけた僕を見かねたのかわからない。ずっと黙っていた氷上くんが口を開いた。
「んじゃここはテイバンの出しとこーぜ」
「えっ!なに、キョーリョクとかキズナっていうわけ?ウケる!」
「いいんじゃね。四文字熟語とからなら調べて出せばいいし。」
チラッとこちらを見て言った。
便乗して話に乗ってきた他の女子はこちらがどれだけ勇気を出して切り出したことか、知りもせず笑っている。
くそ。こんな奴に負けてたまるか。
「うん。そうする。ありがとう。じゃあ、それで行こう。」
そう言った時、グループワークの緊張を克服した僕が居た。
「涼風くん…よ、良かったね。話がまとまって…」
「関原さんもありがとう。」
後にすぐさま調べて意見をひとつに絞った僕の班は、なんなく意見を発表できた。
「あの、氷上くん。さっきはありがとう。おかげで、僕も頑張れました。」
口下手だ。フォローを入れてくれた感謝に対して変な風に発言してしまった!
頑張れたってたんだよ!やばい、やばい。
「え、うん。」
きょとんとした顔でその一言に凝縮された感情は、絶対……絶対……
『変なやつ』
って、思われたぁあ…