テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
太中です!
太宰 治 -ダザイ オサム-
攻め
高校教師
中原中也 -ナカハラ チュウヤ-
受け
生徒
不良 / 問題児
注意
・キャラ崩壊
・口調迷子
・虐待・暴力表現あり
地雷さんはさようなら。
私立・文豪高等学園。
その学園に通う生徒のほとんどは、上流階級のお嬢様や御子息。
しかし、その中に一際目立つ存在があった。
中原中也という名の、不良…問題児だ。
授業は屋上でサボるのが通常。学力が低くテストも受けない。けれども喧嘩だけは超一流らしい。
学校に登校するたびに傷が増えており、他校との生徒と喧嘩しては1対10でも勝つとか。
更にはその学園の生徒と喧嘩し、生徒を返り討ちにしてしまい、お父様方からお叱りを受けたりなども日常茶飯事。
そんな彼が、なぜ退学や停学にならないのか、疑問に思うだろう。
それは、彼の父が大手企業の社長であり、この学園に多額の融資を行っているからだ。
彼の父の融資が途絶えれば、学校の存続が危うく、それを恐れ、教師たちは動けない。
そして、通う生徒の保護者たちよりも会社の地位が上で、彼の父には誰も逆らえない。
教師たちは中也をすでに見放しており、クラスメイトや大人たちからも蔑まれていた。
ーーそして、彼はその父親から、虐待を受けていた。
大人ですら誰1人刃向かえない中也の父親に、虐待を受ける。
誰も助けてくれない、助けられない。その孤独の海の中にやまとは独り。
そうして育てられてきた中也は、誰かに助けを求めることもできず、ただ1人で絶望を抱え、誰かと関わってしまうことに恐怖を覚えてしまっていた。
どれだけ抵抗しても降ってくる暴力の雨。
仲の良かった友達の裏切り。
軽蔑と侮辱と蔑みの混じったやまとを見る世間の目。
誰も中也に手を差し伸べない世界。
今思えば全て、父親が仕組んだことだったのかもしれない。
けれど、そんな生活を続けているうち中也は、そう思われるくらいなら最初からそうでありたいと思った。傷つけられたくないから、最初から傷つく道を選んだ。
けれど、中也のその気持ちに気づく人間は、誰1人いない。
そうして、彼は壊れていった。
父親からの虐待は続き、周囲の見る目は変わらず、どうしたらいいのかも分からず、孤独と絶望という名の暗闇の中へと吸い込まれる。
ある日のこと。中也がまたしても同校の生徒と喧嘩をし、3人の生徒に怪我を負わせた。
喧嘩の理由は完全に相手が悪いのだ。しかし、そんなことは関係ない。
教師たちからすれば、悪いのは中也にしか見えないのだ。そして、悪いのは中也であった方が、都合が良いのだ。
教師は苦悩した。中也の父親に相談するのは、リスクが大きすぎる。しかし、中也に直接言おうが次の日は忘れているかのように続く。
見かねた校長は、新任の教師である太宰にどんな手を使ってもいいから、父親の機嫌をそこねずに中也を更生させろと頼んだ。年齢が近い方が、打ち解けられる可能性はほんの少し高いは高いのではないか。そう考えたのだろう。
次の日の昼休み、雅は校舎裏で煙草を吸っていた中也に話しかける。
「…1人かい?」
何も返さず、何もなかったように、煙草を吸い続ける。
でもどこかー…その横顔が寂しく見えたような気がした。
「…タバコはだめだよ、君はまだ未成年じゃないか。20歳になってからにしたらどうだい?」
「…うるせぇ」
「…力づくでやめさせてあげようか?」
「ッッ!…やめろ!」
…そうして中也が太宰を振り払おうとした時、裾が捲れ、中也の服の中がちらりと見えた。
「ねぇ、なに、…その傷と…痣。」
中也は一瞬目を見開いたが、すぐに落ち着き、太宰の問いを無視してその場を離れようとする。
太宰は半ば強引に中也の腕を掴み、逃がさない。
「…誰にやられたの?…喧嘩でついた傷には見えないのだけれど?」
「…なんでもねえよ。」
「なんでもなくはないでしょ。答えて。」
「答えたってどうにもならねえよ!!!」
「…そうだね、確かにそうかもしれないけれど、何も言わないければ、この状況は変わらない」
「……別に…それでいい。」
…諦め混じりの言葉、瞳。…これまで、どんな人生を歩んできたのか。太宰は、この不器用で、助けを求められない彼を、酷く愛おしく思った。彼を救いたいと、彼を理解してあげたいと。
キリが悪いですが…一旦ここで切らせていただきます🙏
コメント
1件
初コメ失礼しますッッ 設定からめっちゃ癖で震えました...、 文章も口調も的確過ぎて.....ほんとにありがとうございます。(((