【脅威と知恵は合わないようです】
⚠軍パロ等注意・なんでも許せる方向け⚠
【zm視点】
いつもより早く動く足、景色、ゴツゴツとした岩を飛び越え、飛んできた2発のゴム弾を避ける
風の抵抗のため前傾姿勢となっているから狙うのは頭のみ、
狙っている場所が分かっていれば避けるのは簡単
見えた、
zm)崖の上かよ……めんど
ゆらりと風邪で揺れた深い青の髪、その近くの岩から見える紫のヘルメット
zm)……跳べるか…
ドンッ
強く地面を蹴り体が宙へ舞う
崖の上を目指し早く動く足を軸にして登る
登りきるまでに時間はかからなかった
ut)えぇ!?マジで登ったん!?
syp)だから言ったでしょ!
狼狽える2人の姿、
「冷静に」、こういう事かよエーミール、
俺はそのまま2人を手刀で気絶させた
【em視点】
「鬱、ショッピの2名の気絶を確認、強制離脱します」
スピーカーから知らされるゾムさんの成果、
em)流石ですね……
北に走りだしてから約5分、もう俊敏薬の効果は切れた頃だろうか
岩と砂ぼこりの中から見慣れた彼の姿がみえる
em)ゾムさん……
zm)エーミール、
爆弾の数は合計3つ、さっき1つ使ったから残り2つ、
私はゾムさんがある地点まで来るように仕向けなければ
em)流石ですね、1人で2人も片づけるなんて、
zm)時間稼ぎか?
em)……
私には武術や体術の才能は無い
だからこうして脳を鍛えた、座学を中心に色々と応用できる考えを脳に取り入れた
最適な方法を、すぐに思い着けるように
だからコレは決して本音じゃない、決して、決して、違う、違うはず、
これが、試験が、終わったら必ず彼に謝ろう、ちゃんと、違うということを伝えよう
コレは、私の本音じゃない
em)ゾムさんは、良いですよね……ッ
zm)……は?
em)武器、体術共に優秀で!頭脳も!戦場であれば私より頭が回る!
em)なんでッ!なんでッ!
em)ゾムさんなんかッ!!
em)ーーーーー!!
ぼかんッッ
爆発音が言葉と重なり聞こえない、
ゾムさんが私を追い、風下に行ったことで押した爆弾のスイッチ、
砂ぼこりがゾムさんを包み込む中でチーノ君の銃声が鳴る
バンッバンッバンッ
最後の3発、ここの場面に賭けた3発、
銃弾はゾムさんに当たる……はずだった
【zm視点】
zm)そこか
砂ぼこりやらなんやらで乱れた視界、
さっき走りながら考えた事、
視界が乱れて頼ることが出来ないなら別の感覚に頼ればいい、
砂ぼこりが舞った瞬間目を閉じて聴力に全神経を注いだ
弾をセットしたカチャリという音、弾が風を切り裂く音、そこから分かる弾の位置、
避けるのは簡単
zm)エーミール、そこで待っとれや
キュポッ、
雑に蓋を開け、 最後の瓶、跳躍薬を喉に流し込む
弾が飛んできた位置を睨めばゆらりと揺れる影が見える
見えた、水色の髪
崖の上、少し遠いがさっきのやつら程じゃない
em)ゾムさんッ!!
後ろから聞こえる声を無視して脚に力を込めて飛び上がる
水色の髪の男は崖から飛び降り高く飛び上がった俺の下を走る
ci)ッ怖いってぇ!
遅い、
体力もたいして無さそうやし、エーミールと合流が目的か?
空中で体を動かし進行方向を変える
zm)シャオロンがやってた事、意外とできるな
水色の髪の男がエーミールの目の前に来た瞬間、
水色の髪の男は気絶した
というかさせた、ゴムのナイフでも思いっきり頭に当たると痛いしフツーに気絶する
「チーノ、気絶を確認、強制離脱です」
スピーカーの音が耳に入る
地上に上手く着地でき軽く安堵する
em)ッ……
zm)……なぁ?エーミール、
言いたかったこと、全てでは無いけど言っておかないと、
おかしくなる気がした
zm)さっきの、さっきの言葉、本気か……?
絞り出した声は震えていて、じんわりと目尻画熱くなるのが分かる、
視点がにじむ、
くそ、
em)ゾム……さん、
やめろや、今は敵やろ、
em)大丈夫……ですか…?
やめろ、やめろやッ
その、優しい声で俺を惑わすなやッ!
zm)悪かったッ、話はッ…コレが終わってからや!
em)ッ!
目から溢れる涙を無視してナイフをエーミールに向ける
一旦、一旦終わらせよう、
その後色々話そう、エーミールも……
きっとエーミールもそう言う
ギュッ
zm)はッ?
ナイフを当てるでも無く、ゴム弾をぶつけるでもない感覚がいきなり腹に、
em)泣かないでください、
なんで、抱きついて……
ボロボロとさっきよりも大粒の涙が溢れる
zm)はな、れろやッ!
em)嫌です!!
em)ゾムさんが泣き止むまで退きません!
ッ……
涙は止まることなく流れ続ける
止まれやッ…
抱きつかれたまま背中をさすられる
なぜだかさすられたところの温もりが増していく気がした
しばらくこのままでいたら落ち着いてきたのか涙はほとんど止まった
zm)ッ……もう泣き止んだぞ、退けや…
em)それは良かったです
すん、と鼻をすすり頬に流れていた涙を拭って抱きついたエーミールに視線を向ける、と
em)油断は禁物ですよ?
安全ピンの外された手榴弾のような爆弾を持ちこちらを見つめるエーミール、
爆弾……岩をただの破片にするような威力の代物、
軍事実技学科で習った、猿山が言ってた、
手榴弾は破片か全方位に飛び散り体を見るも無残な姿に変える物であると
手榴弾、爆弾、どちらにしろ、エミさんが食らったらタダでは済まない
そこからの行動は速かった、
ナイフを投げ捨て
爆弾を腹に抱え、地面に伏せる
無線から聞こえる荒れたオスマン幹部の声、
両目を強く閉じ、エミさんに離れるように叫ぶ
コツン、
zm)……は?
コツン、コツン、
頭に優しく当てられるゴムナイフ、
当てているのは紛れもないエミさんだった
1呼吸置いてスピーカーから流れる音声
「ぞ、ゾム、頭に3回ゴムナイフが当たった為強制離脱…!」
zm)……は?
em)…ゾムさん、すいません、
em)その爆弾、爆発しません、
zm)へ?
変なところで終わってしまい申し訳ないです。次回、脅威と知恵の食い違い
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コメント
1件
やはり四流最高すぎますね...!続き待ってます( *´꒳`* )