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どうして一生懸命走っているんだろう。
真冬の冷気で顔が痛い。
元バスケ部で体力に自信はあるけど、息が苦しい。
こんなに全力で走ったことなんてない。
もっと落ち着けばいいのに。
そう思うけど、体が勝手に動いてしまっている。
自分の体に、どれだけ負荷をかけるのかも考えずに。
「学(まなぶ)……学……」
嬉しいのか悲しいのか。
愛おしいのか切ないのか。
白と黒の絵の具をグチャグチャに混ぜたような感情が、胸に広がるだけだった。
第24話 生きるってなんですか?⑤
「明日菜(あすな)ちゃん」
学の病室の前に着くと、ちょうど学の両親が出てきた。
「学は!?」
「ええ。中に入って、話してあげて」
「私たちは、少し食事をしてくるわ」
「ありがとうございます」
さりげない気遣いに感謝し、私はノックをしてから病室に入った。
「忘れもんか?」 ***********************
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