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どれくらいの時間、眠っていたのだろうか。
ゆらゆら。
ゆらゆら。
目の前で頼りない光が儚げに揺れる。
なぜか手放してはいけない気がして
その光に向かって手を伸ばした。
*****
「……どうすればいいんですか、これ」
しゃるろは現在目の前で繰り広げられている光景に困惑していた。
「しゃるぅ……」
「しゃるちゃん……」
「しゃるろ……」
目の前で起きている光景、と言うのは成人男性3人が目の前で泣いている、という地味に嫌な光景だ。
事の起こりは数時間前____
*****
「……ぁ……」
うっすらと目を開けた。
辛うじて明るさだけが分かる視界でも数人の人が居る事だけは分かった。
しかし、なぜ自分がこんな所に居るのか。そもそもここが何処なのか。そして目の前に居る人達が誰なのか。
“全く分からなかった”
「……しゃる、ちゃん……?」
とても高くて可愛らしい声が自分を呼んだ。“しゃるちゃん”が自分の事を呼んでいるのであろう事だけはなぜだか、理解できた。
「……ぁ……はぃ……?」
「……みんなっ!しゃるちゃん、起きた!」
その高い声が周りにそう言った。
「しゃるろ!」
「しゃる!」
どうやら自分には呼び方が色々あるらしい。やはり自分の名前だけはなぜだか分かる。
「……あ……あの……?」
「しゃる……どっか痛い所とか無い?ほんとに大丈夫?」
「……ぇ……えっと……あの……」
「どうしたの……?しゃる」
視界がはっきりして来て、ほとんど黒に近い紫色の髪に紫色の瞳の青年が、とても心配そうな表情をしている事に気付く。
「……その……ここは……?」
「病院だよ。しゃるちゃん、事故に遭って運ばれたんだから」
最初に声を掛けて来た、薄い桃色の髪に翡翠色の瞳の青年がそう説明する。
「……事故……」
悶々と考えるが全く思い出せない。しかし病院に居るという事はそうなのだろう。それにまだ疑問は一つ残っている。
「あの……」
そう声を掛けると最後の一人も振り向いた。
「どうしたの?しゃるろ」
ほとんど白で僅かに緑が混じった髪にエメラルドのような瞳の青年が、落ち着いた声でそう問うて来る。
その声に少し安心して、ずっと躊躇っていたこの問いを口にした。
「……貴方達は……“誰ですか?”」