この街では古くから『苗字が現実になる。』と言う都市伝説が言い伝れている。
私は山井皐月。これは15年前の物語になる。
「初めまして。山井皐月です。よろしくお願いします。」私は今日からこの学校の生徒になる。
「おい!お前もうそろ死ぬんじゃね?(笑)」「恋の病でなぁ?」「あはははっ」
「ねぇ、やめなよ」
「チッもういこーぜ」
「大丈夫?」
「僕に関わらない方がいい。君までいじめられ、、」
「そんなの関係ないよ。私はあなたの味方なんだから。」
この男の子は「恋病 葉月」都市伝説のせいでいじめられていたらしい。
この日から私の新しい学校生活は葉月くんと一緒に過ごすようになった。
雨に打たれながら笑い合ったり、一緒に料理を作ったり、充実した毎日を過ごしていた。そしていつしか私は葉月くんのことが好きになっていた。彼に会うたびに心臓がバクバクする。
でもある時私の好きな気持ちが強すぎたのか、ついに倒れてしまった。
目が覚めた頃には病室で、葉月くんがお見舞いに来てくれていた。また心臓の鼓動が激しくなり、彼で頭がいっぱいになる。「体調はどう?」彼が聞いてきた言葉に答えず、私はとっさに今までの状況を話した。「あのね、わたし、!」わたしは赤面状態だが、葉月くんの表情はどこか怯えているような、そんな感じだった。突然言ったから戸惑っているのだろう。「また来るよ。そう言って彼はそそくさと帰ってしまった。」この時わたしはいつもはない違和感に気づいた。
あれ?私いつも彼が居なくってもこんなに、『心臓うるさいっけ?』
「どんだけ好きやねん。」自らツッコむ。何やってんだ私。
数日経ったのにも関わらず葉月くんは一度も来てくれなくなった。彼と会わない日が続くほど余計に会いたいと思ってしまう。早く会いたいなぁ。
今日はいつもに増してやけに落ち着かない。(なんか、胸が苦し、、バタンッ)
「さつ、、さつき、、皐月!」横を見ると母と父が泣いていた。「あぁよかったぁ、!!」状況が読めない。「何があったの?あれ?心臓、、おさまってる、、?」目覚めたらもう心臓のバクバクが無かった。
「皐月。これを聞いて。」渡されたのは、カセットテープだった。これを聞いて私は全てを悟り、いつもとは真逆で、何も感じることができなくなった。
「皐月へ 全部話すよ。まずあの都市伝説について、実はあれ僕の先祖代々の呪いで、『愛し合ってしまったら相手が僕の苗字通り現実になってしまう』んだ。だから君が急に状態が悪化したと聞いて後悔した。だから自ら医者にお願いしたんだ、彼女をよろしくお願いしますって。もう二度と会えないけれど、僕は君の中にいるから。じゃあね。ずっと、これからも、愛してる。」
突然雨が降ってきた。これじゃあ、
服が真っ赤に汚れちゃう。
重愛
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解説 自分のせいで心臓の病気になった皐月に幸せになって欲しいと願い自ら心臓交換を希望した。 だが、それを知った皐月は自〇してしまった。 「今、行くからね。」