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⚠️注意⚠️
この作品は自分史上初のノベル作品です
マジで操作わっかんねぇ
このお話は実際にあった話を少し改変し、
少し(多分)盛った(かもしれない)お話です
「すきま」
『そういえば、明日の合唱コンクール休むことになりそうよ。』
「え…?」
いきなりの母の言葉に私は驚きを隠せなかった。
「そんな!?どうしてよ!」
『昨日、お父さんが体調崩したって言ったでしょう?』
「うん…」
『その時に、検査したら新型コロナウイルスにかかってたんですって。』
新型コロナウイルス──────────
数年前に爆発的に流行した感染症だ。
『明日は検査と、様子見でお休みってこと。』
「はぁ!?わけわかんない!」
『普段通りなら行かせてたんだけどね〜。』
「明日は合唱コンでクラス以外の人も来るから、行っちゃダメってこと?」
『そゆこと。』
確かに私としても周りに迷惑をかけるのは避けたい。
仕方はないが、明日は休むしかなさそうだ。
「わかった…あした休むね…。 」
『ごめんね、助かるわ〜。』
──────────────────────
「はぁーっまじ最悪!」
承諾したとはいえ、やはり気分はどうにも浮かない。
「とりまLINEしとくか」
──────────────────────
私「皆〜」
A『どったん?』
B『なんかあった系?』
私「実は、明日の合唱コン行けなくなっちゃって…」
(てかこれ言って良かったのか?嫌われないか?)
C『まじ!?』
C『大丈夫!?』
A『体調平気?』
私「私は大丈夫だよ笑ちょっとパパがね笑」
B『てか明日の送迎どする?』
A『うちの親が送ってくれるってさ』
C『ナイスー』
私「ほんとごめんなー」
A『気にせんでいいよ』
C『そーそー』
B『はよ学校来れるようにしときな』
私「さんきゅ」
──────────────────────
「みんな優しくて良かった〜!」
(…あんなに練習したのにな……。)
私は運動が嫌いだ。
だから体育祭ではなるべく組の足を引っ張らないことに努めていた。
(せめて合唱コンクールくらいは活躍せねば…!)
だから、練習して、練習して、練習した。
学校でも、家でも、誰よりも練習した。
その努力が全て水の泡になってしまったようだ。
──────────────────────
気付いたら、私は寝落ちしてしまっていた。
(あー今日1日何しよ。)
(取り敢えず1階行くか。)
『おはよう。』
(おはよって言わないと…。)
「お…ゲホッゴホッ…。」
(え…咳…?)
『咳?熱計ってみて。』
36.4℃、至って普通の体温だ。
『ま、風邪かしらね。』
「十中八九そうだろうね。」
『仕事行かなきゃだから、適当に寝るなりご飯食べるなりしてて。』
「はーい…ケホッ…。」
特に何も無いまま1日が終わってしまった。
LINEには友人からの心配のメッセージが何件か来ているが、今は返す気力がない。
(後で返しておこう…。)
ガチャッ
(!)
「ママが帰ってきた…。」
『ただいまー!』
「おかえりなさい」
『あ、そうそう。見せたいものがあるのよ』
…?一体なんだろう。
母は私にスマホの画面を見せてきた。
画面に映されているのは私のクラスが歌唱してる動画だった。
私が立つ筈だった場所には、人1人分のすきまが空いている。
その時、LINEに1件のメッセージがきた。
『来年は今日空いたすきま、アンタが埋めてよね。 』
少しぶっきらぼうだが、優しさも垣間見える。
そんな友達が私は大好きだ。
努力を見せるのも、すきまを埋めるのも、
来年までお預けになってしまった。
それでも、私に後悔なんてものはない。