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II 🌷彡 視点
夜間高校の入学式 。
教室に入ると、既に隣の席の人は椅子に腰を下ろしていた。
🌷 お隣彡ですか、よろしくお願いしますね !
机の脇に鞄を置いて、彼に愛想良く話し掛けた。
🎸 ん、よろしくな !
話し掛けると彼がこちらと向いた。
その声は少し低いけれど柔らかかった、聞き慣れない甘さが心に直接触れるようだった。
授業が始まった。
黒板の文字や先生の声が耳に入っても、俺の視線は常に彼に向いていた。
少し長い髪の襟足を弄る癖 , ペンを持つ指先 ,綺麗な髪の流れ , 筋の通っている綺麗な鼻先
どれもが気になって仕方ない。
授業が終わると、自然に口が動いた。
🌷 よければ、放課後一緒に話しませんか ?
言ったあと、胸の奥がちくりと痛む。
何言ってるんだ、彼はきっと高校生だ。
僕は家庭の事情で、29歳の今、夜間だがようやく高校に進学する事ができた。
こんなに思い切って誘っても、拒まれるかもしれない。でも、それでも、声をかけずにはいられなかった。
🎸 え、あ……はい、お願いします
間もなくして、彼は少し驚いた様に目を見開き、そして小さく頷いた。
🌷 …! 本当ですか、ありがとうございます !
その声を聞いた瞬間、胸の中に温かさが広がった。
名前も、年齢もまだ何も知らないのに、何故か彼を愛おしいという思いが込み上げた、
歩きながらでも彼の体温を近くに感じたいと思ってしまった。
その瞬間気づいた、
彼に一目惚れをしてしまったのだと。
それから自分の席に着いて、少し考えた。
🌷 (いや、あの人が高校生だった場合犯罪者じゃないですか、僕… 、)
夜間高校には年齢層も含め、事情も様々だった
朝起きる事が難しい人 ,
時代が時代で高卒の資格を持っていない人 ,
家庭の事情で.高校に進学が困難となった人 ,
志望校が不合格となり、滑り止めとしてここに進学してきた人 ,
僕もこの中の1つに当てはまる事情を持っていた 。
彼が高校生とも、成人しているとも限らない。
だが、一目惚れをしてしまったからには、未成年でない事を祈るしかなかった 。
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今日はここまで👉👈
セリフ少なめで回想シーンが多めになってしまいました😭
次はセリフも多くするよう意識します✋
第3章お楽しみに👋