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陽華side
「失礼致します。ご指名に預かりました舞でございます。」
あたしは今日も。見知らぬ誰かに抱かれる。
恋人ごっこを一体なんど繰り返せばいい?
お客様のご要望に応じるまま。受け入れるままに。
あたしの人生ってなんだろう。
産まれたのは、この遊郭。育つにつれて、
母の姿を追うようになり。
病に侵された母のために。
この遊郭で花魁になった。
あたしは、なんのために?
見知らぬ誰かに抱かれ。恋人ごっこを繰り返してるの?
嫉妬され,お客も取られる。
なんで、、あたしは、ここに産まれたの、?
目覚めた時には,いつも客はいない。
迎えにくるのは,いつも。あたしが何年も
想いを拗らせている。この男。和雛。
「起きたか?ほら、風呂行ってこい。飯作って部屋で待ってるから.」
「ん、ありがと。」
『和雛は、一生あたしのことは好きになってくれないな。』
そんな呟きも湯けむりに混じって消えた。