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「朝日だ…。」
花夏は窓から太陽を見ていた。眩しくないのだろうか。
「おはよう、太陽ってあるんだね…。」
春華が花夏の近くまで寄ってきた。
「なんだ、うるせぇよ。太陽ごときで。」
千秋もやってきた。
「でも…やっぱり変だね。」
冬馬が音も立たずにやってきた。
僕らは今、真っ白な背景に浮かぶ太陽を見ていた。
こうなってしまったのはほんの6時間前のこと。僕らはいつも通り集まって話をしていた。
話をまとめて、少し休憩しているとやってきた。
天使だった。見た目は。
「みんな仲良くやってるね?」
「えっ!?」
思わず後退りしてその天使らしき人間のような…いや、コスプレか?とにかく花夏はそいつを見た。
青と赤の目をしており、短髪で編み込みがされている灰色の髪、青いジャージを着ている。
いかにも変人だ。そこに集まっていた4人はそう思ったのだ。
「えっと、どちら様かな?」
春華がためらいながらも天使コスプレ人間に聞いた。勇気ある行動だったと思う。
「私はみんなの本体!…だよ!」
「いや、本体って言ったら…花夏じゃねぇのか?」
千秋がいつも通りメタいことを言う。そうだ、花夏ずは4つの人格という設定があるのだ!こんな天使コスプレキャラがいるわけがない!
「ほら、4つの人格って言ったでしょ?それがまとまったやつ!」
天使コスプレは手を合わせて言う。手には指にフィットしている手袋をはめている。よくわからない服装だ。
「なるほど、つまりこの文を書いているのも…?」
冬馬が鋭いことを言った。…いや、メタいことかもしれない。
「そうそう!つまり主ってこと!」
「あぁ、なるほどなぁ…。」
「なんだか不思議ちゃんだね…。」
「大体わかったかな。」
3人とも納得してしまっている。
だが花夏は違った。
「うるせぇ!僕が本体なの!」
「そう言われても…。」
「花夏ずって名前はなんなんだよ!僕の名前からだろう!?」
「いや、花夏も生活でよく見せる表面上の性格なだけで人格の一つだろ?」
花夏は黙った。ぴくりとも動かなくなった。
春華が花夏を指先でつんつんしているが全く反応しない。
「だから私に従ってね!よろしく〜。」
天使コスは笑顔で言った。なかなかの内容なのにね。
「従うって…何すればいいの?」
冬馬はうーんと言いながら首を傾げた。
「まず…あっ!ルームシェアして!」
「えっ?」
「は?」
「ええっ!?」
「ん?」
そして4人は飛ばされたのだ。この豆腐みたいな真っ白な世界に。
「で、なんで太陽が昇ってるわけ?」
冬馬が頭に浮かんだ疑問をそのまま言った。
まぁこんなところで昇っている太陽っておかしいもんね。
「…天使コスの想像が足りてきたんじゃねぇか?」
「えっと…どういうことかな?」
春華は質問に質問を返した。ますますよくわからない会話になってしまう。
「つまりだ、ここは天使コスの想像の世界で…想像力がねぇからこんなに白い背景になっちまったんじゃねぇか?」
千秋は太陽を眺めながら言った。そんなに眩しくないのだろうか?
「なーるほど!天使コスはばかだったってこと!?」
花夏が陽気に言った。どこまでこいつは呑気なんだ。
「まぁ小説家でもないしその可能性はあるよね。」
「しかもまだ家ないもんね…。」
誰か否定してくれ。
「だからしばらくこんなところで過ごすのかもな…。」
「スマホはあるよ!大会議は開けるみたいだね!」
「ここで繋がるか?」
「うーんとね…。」
花夏が大会議が掲載されているサイトを開いた。
「開いたー!」
「おお、おめでと〜。」
花夏と春華だけ喜んでいる。
別に千秋と冬馬は喜んでないみたい。ひどい。
そうこうしている間に家ができていた。割と大きめでいかにも和室がありそうな外観だった。
「なるほど〜洋室欲しかったなぁ。」
「ネットが繋がりやすいといいなぁ…。」
「エアコンだな、それだけ確認しよう。」
「…どうして突然できたん?」
天使コスが願ったからです。
みんな何も疑わずに部屋に入っていく。別にホラーな話の始まりじゃないからね。
そして数分経った頃。みんな外に集まってこの家について話し合っている。
「変な間取りじゃなかったね。」
「部屋も一人ずつあったよね〜。」
「エアコンしっかりあったな。」
「ベランダあったよ。」
話が全く噛み合っていない。…独り言なのか?
「いや〜ここの生活も楽しみだなぁ!」
「天使さんの想像力でもっといい感じの家になりそうだよね〜。」
「なんか…未来に希望が見えてきたな…。」
そして、冬馬が重要なことに気づいたのだった。
「ご飯は?」
冬馬は特に焦らず、表情もなく言った。
みんな口に手を押さえたり、後ろに下がったり、とっても動作は大きいものの驚いた。
「…冷蔵庫の中、見たやついるか?」
「ううん!」
「見てないわ〜。」
「見てない見てない。」
これだけみんなで話してキッチンの近くの冷蔵庫に向かった。大急ぎで。
「これ…だよな?」
「これ以外冷蔵庫ないでしょ。」
冬馬がツッコミを入れた。…冷たいね。
「花夏!開けまーす!!」
花夏が勢いよく冷蔵庫を開けた。
冷蔵庫の中には、牛乳と納豆といぶりがっこが入っていた。
え、なんで…と一同引いている。牛乳と納豆って、一緒にどう食べるんだろね。
「これ…もしかして…。」
「ん?なんだ?」
花夏が何かに気づいたようだ。心配ではあるけど。
「混ぜろってことじゃない!?」
「却下。」
千秋が即却下を出した。花夏も何を考えているのだ。
そして冬馬が下の冷凍庫を開けた。
「冷凍ご飯…あるよ?」
3人の顔が一気に明るくなった。
そして4人は仲良くご飯を食べることにした。食事ができるだけ十分であろう。
キッチンの近くには冷蔵庫だけでなく、電子レンジ、オーブン、炊飯器などの調理器具とテーブルと4つの椅子があった。
「いただきまーす。」
「納豆っていつでも美味しいね〜。」
「牛乳と合わねぇけどな。」
「牛乳まじ最高すぎる。」
こうして1日が始まったのだった。がんばれ花夏ず。