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花夏ずは理解づらい夢を見たの?

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花夏ずは理解づらい夢を見たの?

1 - 第1話 まいるーむまいらいふ

♥

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2024年05月25日

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「朝日だ…。」

花夏は窓から太陽を見ていた。眩しくないのだろうか。

「おはよう、太陽ってあるんだね…。」

春華が花夏の近くまで寄ってきた。

「なんだ、うるせぇよ。太陽ごときで。」

千秋もやってきた。

「でも…やっぱり変だね。」

冬馬が音も立たずにやってきた。


僕らは今、真っ白な背景に浮かぶ太陽を見ていた。


こうなってしまったのはほんの6時間前のこと。僕らはいつも通り集まって話をしていた。

話をまとめて、少し休憩しているとやってきた。

天使だった。見た目は。

「みんな仲良くやってるね?」

「えっ!?」

思わず後退りしてその天使らしき人間のような…いや、コスプレか?とにかく花夏はそいつを見た。

青と赤の目をしており、短髪で編み込みがされている灰色の髪、青いジャージを着ている。

いかにも変人だ。そこに集まっていた4人はそう思ったのだ。

「えっと、どちら様かな?」

春華がためらいながらも天使コスプレ人間に聞いた。勇気ある行動だったと思う。

「私はみんなの本体!…だよ!」

「いや、本体って言ったら…花夏じゃねぇのか?」

千秋がいつも通りメタいことを言う。そうだ、花夏ずは4つの人格という設定があるのだ!こんな天使コスプレキャラがいるわけがない!

「ほら、4つの人格って言ったでしょ?それがまとまったやつ!」

天使コスプレは手を合わせて言う。手には指にフィットしている手袋をはめている。よくわからない服装だ。

「なるほど、つまりこの文を書いているのも…?」

冬馬が鋭いことを言った。…いや、メタいことかもしれない。

「そうそう!つまり主ってこと!」

「あぁ、なるほどなぁ…。」

「なんだか不思議ちゃんだね…。」

「大体わかったかな。」

3人とも納得してしまっている。

だが花夏は違った。

「うるせぇ!僕が本体なの!」

「そう言われても…。」

「花夏ずって名前はなんなんだよ!僕の名前からだろう!?」

「いや、花夏も生活でよく見せる表面上の性格なだけで人格の一つだろ?」

花夏は黙った。ぴくりとも動かなくなった。

春華が花夏を指先でつんつんしているが全く反応しない。

「だから私に従ってね!よろしく〜。」

天使コスは笑顔で言った。なかなかの内容なのにね。

「従うって…何すればいいの?」

冬馬はうーんと言いながら首を傾げた。

「まず…あっ!ルームシェアして!」

「えっ?」

「は?」

「ええっ!?」

「ん?」

そして4人は飛ばされたのだ。この豆腐みたいな真っ白な世界に。


「で、なんで太陽が昇ってるわけ?」

冬馬が頭に浮かんだ疑問をそのまま言った。

まぁこんなところで昇っている太陽っておかしいもんね。

「…天使コスの想像が足りてきたんじゃねぇか?」

「えっと…どういうことかな?」

春華は質問に質問を返した。ますますよくわからない会話になってしまう。

「つまりだ、ここは天使コスの想像の世界で…想像力がねぇからこんなに白い背景になっちまったんじゃねぇか?」

千秋は太陽を眺めながら言った。そんなに眩しくないのだろうか?

「なーるほど!天使コスはばかだったってこと!?」

花夏が陽気に言った。どこまでこいつは呑気なんだ。

「まぁ小説家でもないしその可能性はあるよね。」

「しかもまだ家ないもんね…。」

誰か否定してくれ。

「だからしばらくこんなところで過ごすのかもな…。」

「スマホはあるよ!大会議は開けるみたいだね!」

「ここで繋がるか?」

「うーんとね…。」

花夏が大会議が掲載されているサイトを開いた。

「開いたー!」

「おお、おめでと〜。」

花夏と春華だけ喜んでいる。

別に千秋と冬馬は喜んでないみたい。ひどい。

そうこうしている間に家ができていた。割と大きめでいかにも和室がありそうな外観だった。

「なるほど〜洋室欲しかったなぁ。」

「ネットが繋がりやすいといいなぁ…。」

「エアコンだな、それだけ確認しよう。」

「…どうして突然できたん?」

天使コスが願ったからです。

みんな何も疑わずに部屋に入っていく。別にホラーな話の始まりじゃないからね。

そして数分経った頃。みんな外に集まってこの家について話し合っている。

「変な間取りじゃなかったね。」

「部屋も一人ずつあったよね〜。」

「エアコンしっかりあったな。」

「ベランダあったよ。」

話が全く噛み合っていない。…独り言なのか?

「いや〜ここの生活も楽しみだなぁ!」

「天使さんの想像力でもっといい感じの家になりそうだよね〜。」

「なんか…未来に希望が見えてきたな…。」

そして、冬馬が重要なことに気づいたのだった。

「ご飯は?」

冬馬は特に焦らず、表情もなく言った。

みんな口に手を押さえたり、後ろに下がったり、とっても動作は大きいものの驚いた。

「…冷蔵庫の中、見たやついるか?」

「ううん!」

「見てないわ〜。」

「見てない見てない。」

これだけみんなで話してキッチンの近くの冷蔵庫に向かった。大急ぎで。

「これ…だよな?」

「これ以外冷蔵庫ないでしょ。」

冬馬がツッコミを入れた。…冷たいね。

「花夏!開けまーす!!」

花夏が勢いよく冷蔵庫を開けた。

冷蔵庫の中には、牛乳と納豆といぶりがっこが入っていた。

え、なんで…と一同引いている。牛乳と納豆って、一緒にどう食べるんだろね。

「これ…もしかして…。」

「ん?なんだ?」

花夏が何かに気づいたようだ。心配ではあるけど。

「混ぜろってことじゃない!?」

「却下。」

千秋が即却下を出した。花夏も何を考えているのだ。

そして冬馬が下の冷凍庫を開けた。

「冷凍ご飯…あるよ?」

3人の顔が一気に明るくなった。


そして4人は仲良くご飯を食べることにした。食事ができるだけ十分であろう。

キッチンの近くには冷蔵庫だけでなく、電子レンジ、オーブン、炊飯器などの調理器具とテーブルと4つの椅子があった。

「いただきまーす。」

「納豆っていつでも美味しいね〜。」

「牛乳と合わねぇけどな。」

「牛乳まじ最高すぎる。」

こうして1日が始まったのだった。がんばれ花夏ず。

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