「見つけた?
さっさと帰ってスイーツ食べようよ~」
「は」
「んー?」
「宿儺の指がない」
「冗談はよしてよ」
この2人は
東京都立呪術高等専門学校の1年生
白髪が輝きルビーのような赤目が特徴の
彼女は 咲儺
そして黒髪が目立ち綺麗な顔立ちを
している彼の名前は伏黒恵
担任である五条悟からの司令で
特級呪物、宿儺の指を回収中の出来事
言われていた場所に宿儺の指がなかったのだ
「こんな冗談つくわけないだろ」
「ついてよ.」
「はあ仕方ない
この学校に潜入するか」
「えぇ恵一人でいってよ」
「馬鹿言うなさっさと行くぞ」
「スイーツ食べたい..」
教室の扉を
そっと押し開け伏黒と咲儺は中に入る
「ここにあるかな」
咲儺が小さく言う
伏黒は無言で教室の隅々を見渡す
「まだ指のありかはわからない」
伏黒が低く言う
咲儺は机に手をかけ視線を漂わせる
「どこにあるのかな」
声はぼんやりしている
窓から差し込む光に目を細めて
「光が綺麗だね」 とつぶやく
伏黒はちらりと横目で見る
「ほんと呑気だな」
机の下や棚の影を見ながら
「ここにあるかな」
と小さく言う
伏黒はため息を漏らしながら足を止めない
「本当にいつもぼーっとしてるな」
「ぼーっとしてても
指は見つけられると思うよ」
咲儺は淡々と返す
教室の奥、虎杖の近くをそっと通りながら
「お腹空いたな」
とつぶやく
伏黒は苦笑しながら
「それどころじゃねぇだろ」と返す
「スイーツたべたい」
咲儺の声はさらに小さく溶けるように消える
「ねえ投げ方適当でいい?」
窓からさわぎ声が聞こえる
どうやらボールがどこまで飛ぶか対決らしい
「うむファールは取らんから
好きに投げていいぞ」
「おっけー」
その言葉でピンク髪を靡かせボールを投げる
そしてボールは力ずよく飛んでいき
サッカーゴールを歪ませてしまう
「ひゃあすごいねあの子」
「あぁ禪院先輩と同じタイプだな」
「禪院先輩すごいよね_」
宿儺の指探しに飽きていた咲儺
すごいなあ、と彼を見つめていた
そしてそんな咲儺に
伏黒恵は呆れかえっていた
「うえ 」
「はあなんだよ」
「呪物の気配」
「は?」
「あの子からあのピンク髪の!」
「ちっ早く行くぞ!」
虎杖悠仁から宿儺の残穢を感じて伏黒と咲儺は息を整えながら走り出す
咲儺は髪を揺らしながらも視線は虎杖に釘付けでぼーっとしている余裕はなく必死に足を動かす
「虎杖早すぎるね」
咲儺が息を切らしながら言う
伏黒も前を走りながら
「このままだと追いつけない」
二人は死ぬ気で駆け続けるが虎杖のスピードは衰えず差はなかなか縮まらない
咲儺は肩で息をしながら伏黒をちらりと見て
「もう無理かな」
伏黒も顔をしかめて
「まだ諦めるな」
二人の足取りは重く意気消沈しながらも追い続ける
やっと目的地が見えたと思ったらそこは病院だった
咲儺は一瞬立ち止まり視線を泳がせ
「ここ……?」
伏黒は眉をひそめる
伏黒は虎杖にぐっと近づき低く声をかける
「宿儺の指はどこにある」
虎杖ははっと振り返り少し目を見開く
「宿儺の指……?それって何のこと」
咲儺は伏黒の横で視線を虎杖に向けぼんやりしつつも息を整える
伏黒は言葉を選びながら説明する
「宿儺の指は特級呪物だ 持っている者に異常な力をもたらす 封印を解けば危険が及ぶ」
虎杖は言葉を飲み込み表情が強張る
「そんな……」
虎杖は自分の考えを整理しながら
「今夜宿儺の指の
封印を解こうとしている人がいるんだ
あのオカ研の先輩なんだけど」
伏黒は急ぎ足で
「急がないと間に合わない」
と言い二人は学校へ戻ることを決める
虎杖も必死に追いつき
「 俺も行く」と割り込む
伏黒が前を向き
「宿儺の指の封印を
解こうとしてる人は死ぬぞ」
その言葉に虎杖の顔が
ぱっと強張り焦りが露わになる
咲儺は少しだけ目を
見開き息を整えながら伏黒の横で駆ける
「ほんとに危ないんだ」
小さくつぶやき伏黒は頷く
三人は街灯の下を駆け抜け夜の学校へ向かう
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