12話一解すー
職員室での出来事から4日が過ぎ――
緒方自身“例の仕事” の関係もあってかこの間
特に柊に身体を求めてくる事も無く、 柊は日曜の朝を迎えていた…
-9時・・・起きるか…
サイドテーブルに置いていたスマホを手に取り
ぼやけた輪郭で表示されている画面の数字を見ながら時間を確認すると
柊はベッドから身体を起こして眼鏡をかけ
スマホに他に着信とか無いかを確認した後、 ベッドから立ち上る
–あ・・・そういや冷蔵庫の中、 空っぽ・・・
今日午後からにでも買い物に行くか…
柊はぼんやりとそんな事を考えながら寝室を後にした
辛うじて一枚残ってた食パンで遅めの朝食を済ませ
のんびりとコーヒーを飲みながらリビングでテレビを見ていると
テーブルに置いていたスマホが振動しだし、 柊はゆっくりとスマホを手に取る
「..ッ!」
するとスマホの画面には緒方の名前が表示されており
柊は苦痛に満ちた表情で嫌々通話ボタンを押す
ピッ、
「もし・・・もし・・・」
『――あ、 柊先生… 今日暇ですか?』
要件も言わず、唐突に今日暇かと切り出してきた緒方に柊は益々顔を顰める
「きょうは――ちょっとやる事が――」
『…暇ですね?』
相変わらず“お前に選択肢などない”と――
スマホ越しでも分かる緒方の威圧に柊は押し黙る・・・
『それでは今日の13時にソチラに迎えに伺いますので。 それでは――』
「え?あ・・・ ちょっと・・・、」
プツッ、
通話は一方的に切れ、 柊はスマホを持ったまま固まった・・・
迎えにって…家に直接来る気か・・・勘弁してくれ・・・
柊は徐々にキリキリと痛くなってきた胃の辺りを片手で押える
———折角・・・ 今日一日は緒方に会わなくて済むと思っていたのに・・・
「ハァ~…..」と大きな溜息を吐きだすと、 持っていたスマホで時間を確認する
-10時半・・・か・・・
ピッと柊はスマホの電源を切ると、 「ああ・・・」と呟きながら
テーブルの上に頬を擦りつけながら突っ伏す
何か・・・一気にやる気が…
午後に予定していた買い物も
今から行けば余裕で緒方との約束の時間には間に合うだろう…
しかし“13時に緒方に会う”という避けられない現実が
柊のやる気をことごとく奪い去って行く・・・
ーそれにしても一体何の用事で・・・・・・まぁ・・・ アレしか無いだろうな…
…セックス。
-お盛んな事で…・・ しかし何が楽しくて男の俺なんかを抱くんだか・・・
それこそ緒方程の容姿だったら男女問わずより取り見取りだろうに…と 口封じにしろ何にしろ、
未だに自分の事を抱こうとする緒方の心境が分からず
柊はテーブルに突っ伏したまま、
無為に時間を過ごした・・・






