テラーノベル
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阿部は、ファンを大事にする。だが、ときとして、勘違いするファンもいる。優しくされたのが、自分だけだと思う人がいる。ある日、ロケをしていて、移動中、ファンがたくさんいた。
普段はそちらに反応しないようにして通り過ぎていく。
だが、名前を呼ばれ手を振ってしまった。後ろを歩いてた目黒に小声で注意され、慌てて手を下ろす。
岩本ー阿部、ファンに手を振ったんだって?
阿部ーごめん、思わず。
岩本ー気をつけて。
阿部ーうん。
もう顔も覚えていない。だが、ファンには忘れられない出来事だった。もう阿部しか目に入らない。
日常が阿部で埋め尽くされていく。
仕事をきちんとやれているのか、分からないが、常に阿部のことを考えている。
あのロケ先で、反応したのは、私にだけ。畑本妙子は、そう思った。
「阿部ちゃんは私だけ見てくれた。」
思い込みは怖い。あの日から、畑本妙子は生活が阿部で成り立っている。元から阿部のファン。
だが、ドームツアーも、スタジアムライブも落選した。
畑本ー何で阿部ちゃんに会えないの!
ライブが無理なら、収録の出待ちや、ロケ地にまで足を運ぶ。
テレビの、パーソナリティをしてる、遠くからでも見たい。ロケをするなら、出来るだけ近くから見たい。エスカレートする思い。
畑本ー阿部ちゃん!
チャンスが巡ってきた。収録終わりの阿部の帰るところに出くわした。車に乗り込むところを声を掛けた。振り向く阿部。
畑本ー私よ、前にロケ先で会った、妙子よ!
警備員に止められる畑本。阿部は、すぐ車に乗ってしまった。
畑本ー何よ、邪魔して!
警備ーここは、一般人は入れません。どうやって入りました?
畑本ー・・。
警備ーさぁ、出て。
畑本ー離して!
阿部は車の中で思い出している。
以前、ロケ先で、反応して手を振った人物だろう。
だからといって、何をするわけにもいかない。
ちょっとモヤモヤしながら、次の仕事先に向かう。
佐久間・宮舘・目黒・阿部の4人でYouTubeのロケだ。
阿部はそっと目黒に言う。
阿部ー前に、手を振っちゃったファンが、テレビ局の駐車場にいて、声かけてきた。
目黒ーどうした?
阿部ー警備員に止められてるうちに、車に乗ってここに来た。
目黒ー何もなくて良かった。
阿部ーでも、あぁいうファンはしつこいかも。
そう、しつこいのだ。
畑本妙子は、テレビ番組には、必ず出待ちするし、どうやって調べてるのか、ロケ先にまで現れる。
今では、メンバー皆んな知っていて、なるべく阿部を隠すように歩いたりしている。
畑本妙子は、自分は、特別なのだから、邪魔するメンバーが憎らしい。阿部を隠すように、歩いていると、石が飛んできた。
そして阿部には、笑顔で手を振るのだ。
阿部ーあなた!
畑本ー畑本妙子よ。
阿部ーメンバーに石を投げるなんて、僕のファンやめてくれる?
畑本ー酷いこと言うのね。
阿部ー僕のファンに、そんな人いらない。
畑本ー何様よ!
岩本ー阿部が困っているので、やめてもらえますか。
畑本ーリーダーから、皆んなに言って?私が阿部ちゃんに会う邪魔しないでって。
岩本ー聞いてました?阿部は困っているんです。あなたが離れてください。
畑本ー皆んな、ファンには酷いのね、ただ阿部ちゃんが好きなだけ。
なのに・・。
岩本ー常識の中で、阿部を応援してください。
目黒は、阿部の肩に手を置いて岩本の声を聞いている。
皆んな阿部を守るように立っている。畑本は、悔しそうに、バッグに付けていた阿部のマスコットを引きちぎり、足で踏みつけた。
畑本ーもう、どうでもいい!
岩本ー失礼します。
岩本に、阿部が小さな声で「照、ごめんね」と言った。
後ろから大量の石が飛んできた。
畑本は走ってどこかへ行った。
石は飛んできたけど、誰も怪我はしていない。人騒がせなファンだった。
目黒の家。
阿部ー皆んなに嫌な思いさせてしまった。
目黒ー気にしないの。大丈夫だから。
阿部ー失礼なファンも増えてきた。
目黒ーそれだけ人気者になったんだということだと思うよ。
阿部ーそんな、ファンはホントに応援してくれてるのかなぁ。
目黒ーちょっと歪んだ気持ちがないとは言えないなぁ。
阿部ーふぅ〜。
目黒ー大人しく寝る?愛してあげるけど?
阿部ーんっ、愛して?
目黒ーどうしたの?積極的。
阿部ー欲しい・・めめ・・。
目黒ーいっぱいあげる。
阿部ーはぁはぁ・・んっ・・いい・・。
阿部ーめめ、忘れさせて・・。
阿部ーあっ・・そんな・・はぁ・・はぁ・・んっんっ・・。
阿部ーんっ・・いい・・もっと・・はぁ・・あっ・・あっ・・んっ・・。
阿部ーまだ・・めめ・・もっと・・だめ・・んっ・・。
目黒ーもう、前は弾けたよ?
阿部ーんっんっ〜んっ・・だめ・・いい・・。
目黒ー可愛い・・。
阿部ーはぁ・・はぁ・・んっんっ・・だめ・・もう・・めめ・・。
目黒ー一緒にね。
阿部ーはぁはぁ・・んっんっ・・だめ・・でる・・んっ・・はぁはぁ・・はぁ・・。
阿部は、目黒の腕の中で少し泣いた。長い下積みを経て、今こんなに人気者になって。
嬉しいけど、時々、こういう悲しいことがある。
強くありたい阿部だった。
コメント
12件
SnowManがみんな幸せでいられるように、常識的なファンでいたいですよね☺️
Snow Manが自慢出来る常識あるファンでありたいと思います