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もう♡500↑?!ありがとうございます。
今回が最終話です!
ではどぞ〜
──あれから、どれくらい経っただろう。
街のざわめきも、季節の匂いも、ユウにはもうどうでもよかった。
仕事と家を往復するだけの毎日。
無理に笑って、適当に過ごして、
それでも、ふとした瞬間に浮かぶのはいつも同じ顔だった。
「ユウ──?」
その声に、心臓が跳ねた。
振り返ると、そこにはカズキが立っていた。
以前より少し痩せて、目の下に疲れが滲んでいる。
でも、あの頃と同じ、どこか自信に満ちた立ち姿だった。
「……カズキ」
名前を呼ぶだけで、喉が詰まった。
「まさか、こんなとこで会うとはな。変わってないな、お前」
「……そっちは、ちょっと痩せた」
「お前に捨てられてから、あんまり寝れてないんだよ」
「……そんな言い方、ずるい」
「ずるくても、また会えたのが嬉しいんだよ。……ずっと、夢みてた。また、こうやってお前と、ユウと会って話すことを。」
言葉の端に、本音が滲んでいた。
以前のような軽さだけではない。
何かを諦めたような、でもまだ諦めきれないような、そんな色。
「……元気だった?」
「お前がいないと、つまんなくて仕方なかった。
メシも酒も、なんか味しねぇし、
誰と一緒にいても、楽しくない」
「……じゃあ、なんであのとき……」
「バカだったからだよ。
当たり前にあるって思ってた。お前が、ずっと隣にいてくれるって。
でも気づいたら、何も残ってなかった」
ユウは黙っていた。
傷はまだ、完全には癒えていない。
でも、目の前の男が──
あの頃のままじゃなく、ちゃんと後悔してる顔をしていたことだけは、嘘じゃないと思った。
「今さらって思ってるだろ?」
「……うん。でも」
「でも?」
「……会えて、よかった」
カズキの目がわずかに揺れた。
「また連絡してもいいか?」
ユウは少しだけ、笑った。
「じゃあさ──今日くらい、飯くらいおごってよ。」
「……マジで?」
「それくらいの貸し、あるでしょ?まだ返してもらってないから」
カズキは不器用に笑い返した。
その笑顔が、妙に懐かしくて。
ユウはほんの少し、肩の力を抜いた。
まだ何かが始まるわけじゃない。
でも、「もう何も残ってない」わけじゃなかった。
あの日、終わったはずの、終わったと思っていた物語が、
静かに、またページをめくり始めていた──
はいこれで終わりです!
最後かなり雑な締めくくりになったかもですが許して下さい…!
出来たらまたこういうオリジナル書けたらいいなと思ってます!!(テーマが決まれば)
ここまで閲覧していただいた方々ありがとうございます♡
ばいばーい