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- ̗̀⚠︎ ̖́-
kyng × inm
捏造まみれですご注意ください
既に付き合ってます
kyng視点
ライと出会ってから1年、付き合い始めてから半年。
日を増す事にライへの気持ちが募っていくと同時にライは普通の人間であるためすぐ死んでしまう。
人間は神である白狼とは違い酷く脆いため少しのことでも死んでしまう。
白狼は神ではあるのだがそこまで凄い力を持っている訳では無い。
なので白狼は代々その代の中で1番強い能力を持った神と添い遂げ、次の代ではもっと強い白狼を何匹も作るという話を聞かされまくった記憶がある。
その中でたった一人の、というかたった1匹の白狼は人間と添い遂げたと言う話も聞いたことがある。
人間と添い遂げてしまえば白狼の中では邪魔者扱いされる。
なぜならその話を自分より歳上の白狼に聞いて回ると皆嫌な顔をするから嫌でも分かってしまう。
何故そんなものに興味があるのだと。
神様と添い遂げることでこの上ない程の力を手に入れることが出来るのにと。
そんなものに興味など無い。
人間と添い遂げる際にその白狼はとある儀式を行ったらしいと聞いたから、嫌いな者達だとしても聞いて回っているのだ。
その儀式を行えさえすればライは俺と同じ白狼になり、眷属になる事も出来るらしい。
だからその白狼の遺品が取り扱われている家に向かい遺品を見せて貰いに来た。
書類を見漁っているとその中に儀式を行う方法が載っていた。
これだ、やっと見つけた。
これで、これでライと共に半永久的に生き続けることが出来る。
実はこの話を聞いて回った際とある発見があった。
どうやら俺はこの村の中では、神の能力を他の白狼よりも多く継いだ白狼らしい。
その為傷の治りが異常に早かったり他の白狼達や人間達よりも多い魔力を持っていたりするのもその為らしく、そのような白狼の血を人間に分け与え眷属にしてしまえばその人間はとても強い白狼となり共に歩み続けることが出来るそうだ。
普段なら、ライと出会う前ならそんなもの馬鹿馬鹿しいと興味すら示さなかったであろう物であるが今はそんな物でも良いから縋りたい。
少しでも希望があるのであればそれに縋りたいと思ってしまうほどにはライのことを大切に思っている。
儀式は1日で終わるらしいのですぐに連絡を取る。
この書類だけではなくさりげなく盗んだ儀式の際に必要とされている着物と書類は本来何処かへ持ち運ぶ事は許されない白狼達にとって大切な物。
村の者に持って行った事がバレてしまえば直ぐに回収されてしまう。
だから早く儀式を終わらせなくてはならない。
直ぐに既読が付き、返信が帰ってきた。
もう俺の家に向かっているらしい。
俺も今自分の家に向けて全力で走っている。
家に着いて俺が着物に着替え終わったところで玄関のチャイムが鳴った。
居るのはライだけであること、ライが本物であることを妖術にて直ぐに確認してから扉を開いて招き入れる。
俺の焦った様子に少し驚いたのかライが落ち着かせようと口を開く。
「…ロウ、何かあったの?
いつもはそんなに焦ることないのに今日はすごい焦ってるじゃん。」
「ライ、聞いてくれ。」
「何?」
「俺と添い遂げるつもりは無いか?」
「、そりゃ出来るなら…。」
「詳しい説明は後でするけど白狼の村にある儀式を行えば夫婦になれる。
嫌じゃなければ儀式を行いたい。」
「いいよ、俺はどうすればいいの?」
「直ぐにこの着物に着替えて欲しい。」
「俺、着物とか着たことないんだけど……」
「じゃあ俺がやる。」
inm視点
俺がやる。
と言い出して直ぐに着物に着替えさせられた。
何やら凄く急いでいるようだ。
ロウの出す司令に反って儀式を進めていく。
儀式が始まって数時間、やっと終わったらしい。
「これで終わった。」
「この儀式、どんな効果があるの?
夫婦になる為の儀式かと思ったけどそれだけじゃないよね?
最後の方とかよく分かんない術使ってるし。」
「…これは白狼と人間が添い遂げる際だけ行う儀式で、夫婦になるのと共にライは俺の眷属になる。
俺の血を飲むことによってライは俺の眷属になり、白狼になる。
数日もしたら少しだけ見た目も変わる。」
「、まぁ悪い事じゃないみたいだからそれは良いけど…。
なんでそんなに焦ってた訳?」
「この儀式は……白狼の中では禁忌の儀式で、行う為に必要な書類もこの着物も持ち出せないようになってる。
だから無理やり盗み出してきた。
でも、盗んだらすぐバレるしみんな血眼になって着物も、書類というか、巻物も探し出そうとするから急いで終わらせなきゃ行けなかった。」
「待って待って、それ禁忌のやつ持ち出してるの不味くない?
ロウはもう白狼達の村に行けなくない?」
「そうだな、もう村には戻れない。」
「それなら、この儀式じゃなくても…」
「それだと、ライは白狼になれない。
白狼になったら人間よりも長く生きられる。
傷だって人間が死ぬような傷でもある程度なら耐えられるしすぐ治る。
ライに、置いて行かれたくないから……。
最後まで隣にいて欲しいから。
この儀式が良かった。
でも、急すぎたのも…理解してる。
さすがに事前に相談くらいはしておくべきだった。」
「、俺も…ロウを1人置いていくのは怖かったし嫌だったから別にいい。
ほら、今日で俺ら夫婦なんでしょ。
じゃあ今日が記念日なんだからどっか個室の店でも予約して飯行こ。」
そう、俺もずっと怖かったのだ。
ロウは前からずっと俺と出会う前は孤独だったけど俺と出会ってからは満たされてるとずっと、ずっと言ってくれていた。
そう伝えてくれているロウをいつか1人残して俺は先に死んでしまうかもしれない。
その事が酷く怖かった。恐ろしかった。
俺が居なくなってしまえばまたロウを1人にしてしまう。
ずっとそう、思っていた。
だから、嬉しかった。
俺が、ロウを1人残していく事が無いようにしてくれて。
安心した。これでロウの隣を歩き続けられることが酷く嬉しかった。
これからは、1人じゃない。
2人で歩んでいくんだ。
きっと喧嘩してしまうこともあるけど、ロウとならこの先もずっと歩いて行けるかもしれない。
「ロウ」
「ん?」
「ありがとう、俺を選んでくれて。」
「俺こそ、ありがとう。
隣にいることを選んでくれて。」
ロウがすごく嬉しそうに笑っていた。
その笑顔は眩しくて、それでいて優しい、慈愛に満ちた笑顔だった。
今度指輪を買いに行こうなんて言いながらロウの手は割れ物を扱うかのように酷く優しく俺の手を握っていた。
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