「んぁ〜。いい朝。」
とか思ってもないことを言いながら僕は起きた。そして目を開ける。…うん。開ける。
「あれ…」
すごく真っ暗だ。あとなんか頭が重い。僕は周りを照らすため魔術を唱える。
「ライトイルミネイト。」
何故だろう。明るくならない。ちゃんと魔力は体内に残っているし術を使っている感じもする。何故だ?僕はもっと強く魔力を込めて…
「ライトバースト….!」
少し明るくなった気がする。でもこの魔術は閃光弾的なもので永続的には光らないんですよね…。
そんなことを思っていると…
「貴様何をしている?」
…と、少しドスが効いた女性の声がする。
(びびった…)
もらしていないだろうか。割とまじめに心配だ。と、そんなことはどうでもいい。とりあえず返答しよう。
「えっと…暗いので照らしてました…」
「そこじゃない!」
「え!?」
「どうやって照らしていたのだと聞いているんだ!」
「えっと!はい!魔術です!」
「魔…術……?」
「?…はい。魔術です。」
何故魔術というところに引っかかるのだろう。
「じゃあ貴様この文字が読めるか?」
僕は頭に掛けられていた目隠しを外せられる。檻に閉じ込められてるのかよ俺。っていうか頭重いのこいつのせいかよ。服はいつもと変わりないな。
「えぇ…はい。読めます。」
ルーン文字だった。魔術の本を全部読んだ僕からしたら読めないほうがおかしいくらいだ。
「本当か!?」
「え、えぇ…。読めますとも。」
「じゃあ、是非ともこっちに来てもらいたいな…。少し待ってろ。」
そう言われて、その女性はどこかへスタスタと歩いていった。
「そういえば、何故バリアを張ったのに拉致られたんだ?」
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