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注意書きは第1話!
🌷視点
モブ子を殺して2〜3日がたった頃、1本の電話が舞い込んだ。
🌷『はい、こちら魔法の花屋です!』
???『なおきりくん。”光の百合と、漆黒の薔薇を二本ずつ頼めるかな?”』
🌷『!マスター…..』
聞き覚えのある声に、安堵のため息をつく。
マスターは、a国が焼失してから身寄りのない僕を引き取ってくれて、殺し屋としての術を教えてくれた。
“光の百合と、漆黒の薔薇を二本ずつ”と言うのは、マスターが僕に依頼がある時の注文だ。
🌷『本日はどのようなご依頼で?』
光の百合と漆黒の薔薇の茎をパチンパチンと切りながら問いかける
マスター『実は、今回は単純な殺しじゃないんだけど、それでも平気かな?』
マスターが僕を心配するように問いかける。
🌷『はい!全然問題ありません!』
マスター『それを聞いて安心したよ』
🌷『それで、どんな内容なんですか?』
マスター『実はね、からぴち国の総統暗殺計画と言うのが立てられていてね。』
🌷『僕もそれに参加すれば良いんですね!』
マスター『否違う。』
🌷『じゃあ何ですか?』
マスター『君には、からぴち軍に潜入調査して、総統暗殺計画の首謀者と、護衛をして欲しい。』
一瞬言葉を疑った。
🌷『護衛!?僕にですか?』
僕は殺し屋だ。
護衛なんてもってのほか。
マスター『からぴち国の総統に死なれると色々困るのでな。頼まれてくれるか?』
マスターが困るなら…そう思い、僕はこの任務を受けることにした。
🌷『マスター、でも、僕はどうやって内部に潜入すれば良いんですか?』
マスター『それなら大丈夫だ。こちらで服は用意しておいた。その服を着て、使用人として内部に潜入してくれ。』
🌷『分かりました!マスターのお望みのままに。』
マスター『ありがとう。嬉しい報告を待っているよ。』
そう言い、プツと、電話が切れた。
マスターに喜んで貰うためにも、この任務は頑張らなくちゃと意気込む
🌷視点
数日後、マスターが言ってた服が入ってるであろうトランクが届いた。
🌷『マスター…..』
マスターが僕のために用意してくれたんだと思うと、自然と笑みがこぼれる。
トランクには、紙がひとつ結ばれており、こう書いてあった。
【⠀good luck! 】(幸運を祈る)
あぁ、あの人はどこまで優しい人なんだ。
ワクワクしながらトランクを開けると、そこには黒髪ロングのウィッグ、カラコン、メガネ、そして、女性物のメイド服と一緒に、短剣と手紙が入っていた。
なおきりくんへ。
開けて見て驚いたと思うが、性別や見た目がバレると何かと面倒なことが起こりそうなので、女性物の服とウィッグ、そしてなおきりくんの整った顔と、碧色の瞳を隠すため、メガネとカラコンを用意した。 場合によっては戦闘の可能性もあるから、君が得意な短剣もプレゼントしよう。軍の中では偽名を使ってくれ。最後に、今回することを改めて確認だ。
□からぴち軍の総統、及び幹部の護衛。
□暗殺計画の首謀者を見つける。
□からぴち軍内の問題解決
電話で話した内容より仕事量が多くなってしまって申し訳ない。だが、君ならできると信じているよ。よろしくね
マスターより。
読み終わったあと、僕の頭はハテナだらけだったし、マスターに顔を褒められて嬉しいせいか、少し火照ってる。マスターは僕に女装を命じている。そして護衛に付くのとプラスでからぴち軍内の問題解決って…
大変だけど、マスターの為だ。
そう自分に言い聞かせ、荷物をまとめて、服装を整えて、店の看板を『閉店』にしたまんま、からぴち国の軍基地件お城へ向かう。
🌷視点
🌷『ここだ….』
からぴち軍の建物は遠くから見ても大きいと感じる程なのに、近くで見たら首が痛くなる角度だ。
門番『からぴち軍に何の用ですか?』
門番が僕に問いかける。
🌷『使用人を募集しているという貼り紙を見つけまして。』
我ながらなかなか可愛い声が出せたのでは?と少し心の中で喜ぶ。
門番『嗚呼、今幹部様を呼ぶから少々お待ちください。』
え?今、幹部様って….?
🌷『門番さん!ぼ….私が担当するのって、幹部様なんですか?』
門番『嗚呼。うちの幹部様”たち”のお世話は過酷なので人が居なくて困っていたんですよ。』
そんなこと言われても….いきなりなんて過酷すぎる…
???『おい。』
誰かに声をかけられ、はっとする
振り返ると、僕よりも身長が高い綺麗なトパーズの目をした人が立っていた。
???『門番、連絡があった新しい使用人てのはこいつなん?』
門番『はい、そうでございます”たっつん”様』
⚡️『ふ〜ん。お前着いてこいや』
初対面でそんな無愛想な態度とられてカッチンしそう…ダメだ我慢我慢、
🌷『承知致しました』
僕が今できる精一杯の笑顔を作って、そのたっつんて人の後を着いて行く
最初は沈黙続きだったが、その沈黙を打ち破るようにたっつん様が口を開く。
⚡️『お前名前なんて言うん?』
🌷『私は”ナナ”と言います。』
ナナと言う名前はもちろん偽名。
僕から名前を聞いたら、他にもたくさんの質問が投げかけられる。
⚡️『なんでここで働こうと思ったん?』
🌷『お金が必要でしたし、貼り紙を見つけたもので。』
⚡️『あっそう。』
⚡️『お前も大変やな。俺たちの世話とかバリ面倒やで?それに色んな奴から狙われるから命の保証もないんやで?その仕事に自分から首突っ込むとか…変わってんな。』
変わってる、か…..
僕はこの言葉があまり好きでは無い。
変わってるとか変わってないだとかは人によって違うし、誰かにそう言われると自分を否定されたように思えてしまうから。
むすっとした表情の僕に気がついたのか
⚡️『気い悪くしたんならごめんな。』
と、謝られる。
案外悪い人ではないのかも