この作品はいかがでしたか?
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こちらに背を向け、歩き出した彼の手を掴む。
「っ、魁星!」
「…ネス、離して。」
「やだ。魁星がほんとのこと言ってくれるまで離さない。」
なんで、抜けるなんて言ったの。
「…分かったから、離して。」
手を離せば、先程まで掴んでいた手から赤いものが垂れていた。
「かい…せい…?」
「…ごめん、ちょっと、ひんけ──────」
「魁星ッ!」
「…ん」
「!魁星、大丈夫?」
「…うん。すまんなぁ」
「…でも、なんで教えてくれなかったの。」
蛇の痣が、暴走してるって。
「…僕にもなぁ、わからんのや。」
いつかは覚えてないけど、この間から腕が痛み出してな。
これ自体は初めてやないねん。だから、そのうち治るやろと思っとったら、痣が動き出して、
腕、食いだしたんや。
ま、肉抉れるとかはなくて、痣の口がある所から血が出るだけなんやけど。
それからずぅっと、腕から血ぃ出るし、締め付けられてるような気がするし、
「このままやと、いずれ僕はこいつに喰われる。」
だから、僕が飲み込まれる前に、
苦しむ所を見られる前に、
2人を傷つける前に、
「ここから、いなくなろ思ってな。」
さっき、ネスに手掴まれた時も、ちょうど痛いとこ当たってな。
ごめん、態度悪かったよな。
「ううん、オレこそ。痛かったよな。」
「…オレさ、きたみんと違って、呪いに詳しいわけでもないし、魁星のことまだちょっとしか知らないから、オレが何かできるとか分からないけど、」
秘密にされるのは嫌だ。
避けられるのは嫌だ。
仲間外れにされるのは嫌だ。
「ほら、オレすっごいわがままじゃん。
だから、いつもみたいに、わがまま聞いてよ。」
オレらの前から、いなくならないでね。
ベッド横で眠ってしまった彼の手をそっと離す。
音を立てず、衝撃を与えないようにこっそりベッドから出て、
せめてもの詫びとして、ソファの背もたれにかけていた自身の上着を彼にそっとかける。
「…かいせいの、ばか…」
何か聞こえた気がしたが、寝言だろう。
いつものように遊びに来た彼に出した麦茶には、睡眠薬を入れておいたから。
「…じゃ、行こっか。」
ネスの横で眠るよるむんがんどを手の上に乗せ、いつも持ち歩いているピッキングと鍵束、開かない箱を手にして。
自室の扉を開け、店へ出る。
そのままフロアを通り抜け、
鍵屋の扉に*CLOSED*の看板をかけ、歩き出した。
すみません!没です!
やや赤の瞳と似ているかもしれません!
すみません!(土下座)
コメント
1件
すみません!読んでくださった方々に質問なのですが、最後の『CLOSED』は斜体になっておりますでしょうか? 私のスマホだと編集画面では斜体反映されてるのに、閲覧画面では反映されておらず… ご協力お願いします!