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すくみ捏造

12 - 没-サイド組-さようならは言わない

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2024年08月20日

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こちらに背を向け、歩き出した彼の手を掴む。


「っ、魁星!」

「…ネス、離して。」

「やだ。魁星がほんとのこと言ってくれるまで離さない。」


なんで、抜けるなんて言ったの。


「…分かったから、離して。」


手を離せば、先程まで掴んでいた手から赤いものが垂れていた。

「かい…せい…?」


「…ごめん、ちょっと、ひんけ──────」

「魁星ッ!」


「…ん」

「!魁星、大丈夫?」

「…うん。すまんなぁ」


「…でも、なんで教えてくれなかったの。」


蛇の痣が、暴走してるって。


「…僕にもなぁ、わからんのや。」


いつかは覚えてないけど、この間から腕が痛み出してな。

これ自体は初めてやないねん。だから、そのうち治るやろと思っとったら、痣が動き出して、

腕、食いだしたんや。

ま、肉抉れるとかはなくて、痣の口がある所から血が出るだけなんやけど。

それからずぅっと、腕から血ぃ出るし、締め付けられてるような気がするし、


「このままやと、いずれ僕はこいつに喰われる。」


だから、僕が飲み込まれる前に、

苦しむ所を見られる前に、

2人を傷つける前に、


「ここから、いなくなろ思ってな。」


さっき、ネスに手掴まれた時も、ちょうど痛いとこ当たってな。

ごめん、態度悪かったよな。


「ううん、オレこそ。痛かったよな。」


「…オレさ、きたみんと違って、呪いに詳しいわけでもないし、魁星のことまだちょっとしか知らないから、オレが何かできるとか分からないけど、」


秘密にされるのは嫌だ。

避けられるのは嫌だ。

仲間外れにされるのは嫌だ。


「ほら、オレすっごいわがままじゃん。

だから、いつもみたいに、わがまま聞いてよ。」


オレらの前から、いなくならないでね。



ベッド横で眠ってしまった彼の手をそっと離す。

音を立てず、衝撃を与えないようにこっそりベッドから出て、

せめてもの詫びとして、ソファの背もたれにかけていた自身の上着を彼にそっとかける。


「…かいせいの、ばか…」


何か聞こえた気がしたが、寝言だろう。

いつものように遊びに来た彼に出した麦茶には、睡眠薬を入れておいたから。


「…じゃ、行こっか。」


ネスの横で眠るよるむんがんどを手の上に乗せ、いつも持ち歩いているピッキングと鍵束、開かない箱を手にして。


自室の扉を開け、店へ出る。


そのままフロアを通り抜け、


鍵屋の扉に*CLOSED*の看板をかけ、歩き出した。





















すみません!没です!

やや赤の瞳と似ているかもしれません!

すみません!(土下座)

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