暫くイッテツ君(仲良くなった)と話していると,メイド服を着た有栖川さんがクラスに来た
アイ「みゆゆ〜
休憩時間だってよ〜」
みゆゆは私のあだ名
灰にぃのあだ名がまゆゆであり,私のあだ名がみゆゆだと話したら,じゃあみゆゆって呼んでいい!?と3人に云われた
それにしてももう休憩時間か。速いな
『ごめんねイッテツ君
私休憩しないと…………』
イッテツ「あ,じゃあ会計しようかな」
イッテツ君と有栖川さんと一緒に廊下に出る
『どうせなら有栖川さん,イッテツ君
一緒に回らない?』
私がそう云うと,イッテツ君はいいよと云ってくれたが,有栖川さんはむすっとしている
…………もしかして
『アイ?どうする?』
アイ「!!勿論行くよみゆゆ!」
やっぱり。名前で呼ばれたかったんだ
暫く歩いていると,佐倉さんと佐倉さんのお兄さん達,他校の人が居た
他校の人は佐倉さんにしつこく話しかけている
するとイッテツ君が佐倉さんを庇うように間に立った
イッテツ「あのっ!嫌がってますよこの人!
それに他校の人ですよね…?他校まで来てこんな事して,恥ずかしくないんですか…!」
声が震えてる。
相当怖いはずなのに,勇気を出してイッテツ君は駆け寄ってそう声をかけた
私も続けて駆け寄り声を上げる
『そうだよ。恥ずかしくないの?』
他校のヤンキー「お前らには関係ないだろ!」
イッテツ「うわっ!?」
他校のヤンキーは拳をイッテツ君に向けて振り上げた
私は思わずイッテツ君の前に飛び出すように立つ
頬に強い衝撃を感じる。痛い。耳が熱い
私は殴られた衝撃で床に倒れる
すると怒りが込められた強い走る音が聞こえた
誰かがスライディングをしてヤンキーの足を引っ掛けてそのまま立ち上がり,背負い投げをした
投げられた後に別の誰かがヤンキーを羽交締めにした
その隙にまた別の誰かが私の手を引いて立たせる
美咲「え!?今何が起きたの?」
私とイッテツ君はその3人のうち1人の名前を呼んだ
『アイ…………』
イッテツ「リト君ウェン君!?!?
それにアイちゃん!?」
どうやら3人とイッテツ君は知り合いらしい
リト君がヤンキーを羽交締めにしてて,ウェン君が私を立たせてくれた
それよりも……
他校のヤンキー「痛ッ
何すんだよっ!てめぇら!離せ!!」
リト「誰が離すかよ」
ウェン「この子の綺麗な顔,腫れたんだけど。 お前のせいで
どう責任取るの?」
リト君は怒りを露わにし,ウェン君は顔こそは笑っているが,目は笑っておらず言葉には圧がかけられている
アイ「リト君とウェン君が丁度いいタイミングで来てくれて良かった。いや,丁度良くはなかったね
みゆゆの顔,腫らして…!許せん
ぶっちぎりであんたが悪いから」
アイも笑ってはおらず,ただ睨んでいた
美咲「ていうかなんでメイド服姿なの?!」
佐倉さんはアイにそう聞いた
アイ「その話はまた後でするね」
アイは佐倉さんの方を向いて,微笑み乍ら云った
美咲「う,うん」
アイはそう云うとまたヤンキーの方へ向き直す
アイ「で,僕こう見えてパルクールやってるし空手で県大会の大会優勝してる実力者なんだよね
君を羽交締めにしているリト君は筋トレが趣味で握力は70以上で有名なんだ
だからこれくらい余裕なんだよね」
他校のヤンキー「……チッ!!!!覚えとけよ!」
そうヤンキーは捨て台詞を吐いて走り去った
ウェン「ちょっと!結に謝って!
…………あ〜行っちゃった!!!!!」
ウェン君は不機嫌な顔をしながら云った
美咲「あ,逃げた
てかアイなんでメイド服なの!?」
アイ「んー……補佐みたいな?」
美咲「え……しかも意外と似合ってるんだよね……」
あれ,でも補佐の事はメンバーが決まった後の文化祭準備の時に決めてたような…?
ウェン「真っ赤に腫れちゃってる……」
イッテツ「ごめん,まじごめん……
俺庇ってこんな…顔に……」
『大丈夫だよ,ウェン君イッテツ君
もうそんなに痛くないし心配しないで』
私は心配させないように微笑みながら云った
リト「(羨ましい。テツとウェンが
俺だけに微笑んで欲しい。ずっと俺だけに……
ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい
…………俺,何考えてんだ?こんなのただの醜い嫉妬じゃねぇか……)
………… 俺,結を保健室連れてくわ」
リト君は何かを考えて顔を歪ませながら私の腕を掴んだ
そのまま保健室へと向かっていく
『リト君?は,速いよ。待って…』
リト君は人混みを掻き分けるのに夢中になっており,私の言葉が聞こえてないようだった
相変わらず顔を歪ませており,怖い
『リト君,速いって…!』
そう声をかけ続けているとリト君はハッとしてこちらを向いて申し訳なさそうな顔をして歩くペースを落とした
暫くそのまま歩いていると保健室についた
保健室の先生の健屋先生がこちらを向いた
健屋「?どうし……え,腫れてる!?」
健屋先生は私を見てギョッとしながらも湿布を貼ってくれた
健屋「あ,ちょっと職員室に行ってくるね
湿布はお風呂上がりに付け替えてね〜」
そう云いながら健屋先生は保健室から出て行った
保健室でリト君と2人きり,気まずい雰囲気が流れる
『あの,リトく……』
リト「俺さ」
私は何か話題を振ろうとすると,リト君が遮るように云った
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