初投稿
⚠iris桃赤、監禁、nmmn注意
「」 赤
『』 桃
自分の足を擦り合わせて暖を取る。
何時もと変わらない暗く、寒い部屋。
腹が立って投げた毛布に腕を伸ばすがもリギリ届かない。
自分の行動に後悔するのは何度目だろう。
「………さむい」
自分の掠れた声に驚く。
最近は殆ど声を出していない気がする。
少し前に抵抗して殴られた時、叫んだのが最後だ。
暫く虚空を見詰めているとがちゃ、と扉が開く音が聞こえる。
………彼が帰ってきたようだ。
普段、手錠や家の鍵はポケット入れる。
彼のこの癖に気付いたのはついこの間。
昨日、彼が俺に構いに来た時、手錠を取る為の鍵だけをかしゃりと外した。
手錠を二の腕辺りに上げ、鍵穴に鍵をはめ込むと、ソレは音を立てて地面に落ちる。
「あ……ほん、と…に」
この部屋には窓がある。
それがもう一つ気付いたこと。
普段はカーテンをテープか何かでしっかり固定されていたんだろう。
焦って出ていったその日は固定が緩く、窓から少しだけ光が漏れていた。
「……は、ぁ………」
大きく息を吐いてから、テープを思い切り破る。
眩しくて何度も瞬きをした。
窓を開く。足を窓に掛け、久しぶりの外に出た。
少しずつ寒くなる頃なのだろう、あの部屋が冷える理由も分かる位には寒い。
久しぶりなのに出てくる感想は思ったよりも単純だった。
手を擦り合わせ、周りを見渡す。
「あ………?」
此処は何処だ?
そういえば俺は気付いたら部屋に居た。
なのに此処が何処で、何があるのかなんて分かる訳が無い。
だけど、またあの部屋に戻るのは………
「…………」
一体何時間歩いたんだろう。毎日殆ど動けなかった俺には体力も無いし、あの部屋への帰り方も分からない。
家も殆ど無い此処に警察署はあるのかすら怪しい。
何処まで言っても同じ風景が続いた。
「ッ……ひ…く”………ぅ”〜〜……」
結局何も出来ない。何もかも無駄だったんだ。
何処から間違えていたんだろう。
分かったとしても、今更………
結道の真ん中でしゃがみ込み、頬を濡らすことしか出来なかった。
『りうら。』
後ろから聞こえる、ずぅっと聞いてきた声。
その声は昨日より優しかった。
怖い。足が震える。助けてくれるのは彼しか居ない。
なら、もういっそ………
「ない………く………」
『ないくんだよ。なんで逃げたの?』
怒ってる。目の奥が全く笑っていない。
もしかして、捨てられる?
このまま此処に。
どうすればいい?分かんない、わかんないよ……どうしよう、たすけてほしい。
「ちが、ちがう………ッ、やだ、おいてかないで”!」
『ふぅん、自分で逃げたのに?』
「ごぇんらさ、”ッ……わかんな……、たすけて………ないく”ん………」
ないくんしかたすけてくれない
りうらにはもうないくんしかいないんだ
『しょうがないなぁ……』
『俺がりうらの事好きで良かったね。俺じゃなきゃ助けて貰えなかったかもよ。』
「ぅ”、ん………ぐ”……………」
『ほら、泣かないで?』
ほっぺををさわったあと、りうらをおんぶしたないくん、
ないくんの背中ってこんなにあったかかったんだ
『ほら、お家帰ろ。もう二度とこんな事しないでね。』
「ひ”ッ……、ごべ”、ん……らさぃ”ッ!」
『泣かないでってば……笑』
ーーーーーはやっぱり最初から間違ってなかったよね。
気分で完結。
変更等有。
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