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初めに言っておく、
キャストと黒服の交際はご法度だ。
「初めまして。ゆうまです!」
「おねーさん、ちょー可愛いですね!」
六本木にあるホストクラブ「GALAXY」のNo.1ホスト〔ゆうま〕。
個性ある可愛めのルックスに加え、活発な性格を持つゆうまは “親しみやすい” “元気が出る” 等の理由で人気を得ている。
あんな女たらしの何処がいいんだか、
『……ゆうまさん、ご指名です。』
「ん、?ぁっ、はーい!」
〔えー、もう行っちゃうの〜?〕
「俺も悲しい。でもまた会いに来るから!」
「今度料理教えてね、!じゃあまたっ!」
店の中は、ゆうまさんの指名で絶えない。それを上手く支えるのも仕事の1つ。
『次、7番テーブルの方のご指名です。』
『水とか大丈夫ですか?ゆうまさん、』
「うん、 大丈夫。ありがとう👍🏻」
そう、俺の仕事は黒服だ。
黒服は主に、キャストを支える仕事の役割が多い。買い物に付き合ったり、家まで送ったり、何より自分の担当キャストをNo.1にする事が仕事でもあるのだ。
俺の担当キャストはゆうまさんだ。正直、担当がNo.1だと本当にめんどくさい。常に買い物に付き合わなければならないし、相談事もそれなりに多い。
その上、ゆうまさんは元気なため遊びにも付き合わされる事がしょっちゅうあるのだ。
「ねぇね、どう思う?!」
『何がですか。』
「だーかーら!あの子絶対俺に夢中だよね?!」
「まーた、今月もNo.1確定か〜!」
『……調子に乗らないでくださいっ、』
「いったぁ、酷いぞ!大輝くん!」
ゆうまさんは調子に乗りがちで、その分失敗に繋がりやすいのだ。だから、それに制裁を加えるようにデコピンをする。
だけど、相談に乗ってみる限り意外と繊細な心の持ち主でもあるのだ。
そんな、繊細で鬱陶しくて、子供っぽいあの人のことが俺はどうしても好めなかった。
冷静で賢くて、大人っぽいあの人のことが、俺はどうしても嫌いになれない。
大輝は、仕事熱心で気分を態度に出さない。だけれどやっぱり陰では疲れているみたい。休憩室でよく寝ているところを見かけるのは内緒。
見かけによらずドジっ子なところや、実は恥ずかしがり屋なところ。全てにおいて尊い。
大輝は、俺の人生の中のヒーローだ。
だけどやはり、職業柄からして、これは叶わない恋の枠に収まる恋だろう。
だって、ホストクラブには〔キャストと黒服の交際は禁止〕というルールがあるからだ。
新しいお話です。
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