テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ご本人様には関係ありません
結@た に ぎ し 。
7,305
175
#ご本人様とは一切関係ありません
あんり
3,696
⚠️キャプション必読
🩷🤍
トレーに並べられた高級アクセサリーをソファに座りうんうんと吟味するはやちゃん。俺はあまり買わないブランドなので隣でスマホをいじりつつ、出されたチョコレートを口に放り込んだ。
「じゅう〜、これ良くない?」
「んー、どれ?」
指にはめたリングをひらひらと見せる彼に視線をやる。普段は大ぶりなアクセサリーばかり身に付けているから、華奢なフルエタニティリングをはめるはやちゃんは新鮮だ。
「はやちゃんにしては珍しく綺麗めだね」
「んー、まぁ普段着けるならこれかなって。お前も着けてみろよ」
そう言って俺の手を取り、着けていた指輪を俺の指にはめた。はやちゃんの指は太いから、俺の指ではどれもブカブカだ。
「柔太朗には似合うな。こっちは?」
「なんで俺に着けるのさ……別にいいけど」
されるがままにあれこれ着けられる。まるでマネキンだ。
はやちゃんはというと「これはじゅうにはゴツすぎるか?」などとぶつぶつ独り言を漏らしている。
「いや、俺に似合うかどうかじゃなくてはやちゃんに似合うかじゃない?はやちゃんの買い物でしょ」
「それはそうなんだけどさぁ」
聞いているのか聞いていないのか、空返事で俺の指を見つめているはやちゃん。こうやって手が触れ合っていると、やっぱりはやちゃんの手って大きいんだな、と実感する。
「じゅうはどっちが好み?」
「俺に聞くの?うーん……俺はこっちの方が好きだけど」
「だよな。お前指輪のサイズは?」
「へ?えっとぉ……」
指輪のサイズまで答える必要はあっただろうか。案の定「お前ほっそいな〜」って言われるし。違うよ、はやちゃんの指が太いんだ。
「じゃあこれとこれください。支払いこれで」
どうやら決まったのか、カードを出してサクサクと購入を進めるはやちゃん。指輪の試着会は終わったのに、手は握られたままだ。ここが人目につかないVIPルームだからいいけれど、はやちゃんは人目も憚らずイチャイチャしようとしてくる。心臓がいくらあっても足りない。
・・・
「いくぞ、姫」
「わっ、うん」
会計を終わらせ、手を握ったまま立ち上がるはやちゃんに引っ張られるようについていく。サングラスをかけ直して、帽子を深く被り直す。はやちゃんから呼ばれる「姫」にもすっかり慣れてしまった。俺は姫じゃないのに。
出口まで見送ってくれた担当さんに会釈をしつつ、待たせていた車に乗り込む。今日は動画の撮影も兼ねて、マネージャーを連れての買い物なのだ。
「いい買い物したなぁ。はい、これ」
「えっ……えっ?」
はやちゃんが俺に差し出したのはさっきのブランドの紙袋。頭が真っ白になり恐る恐る箱を開けると、さっき俺が好みだと言った指輪だった。
「えっ、いや、なんで……はやちゃんのじゃなかったの?」
「俺のも買ったぞ。ほら」
はやちゃんの右手の薬指には、箱の中の指輪とお揃いのものが着いていた。
「はぁ……ほんと、はやちゃんってさ……」
かっこいいことするよなぁ。王子様みたいだ。俺の右手の薬指にぴったりの、フルエタニティリング。
「左手はちゃんと一緒に選ぼうな」
「うん、ありがと。はやちゃん」
ちゃんと、って。この指輪だって俺らでもびっくりするような、とんでもない値段がするはずなのに即決だったし。この王子様には一生敵う気がしない。
今度は俺の行きたい店に向かって車が揺れる。はやちゃんに似合うものあるかな、次は俺が何かプレゼントしよう。
右手を見るたびに口角が上がるのを、必死に抑えていた。
コメント
1件
わあ、もう2話目なんですね…!(*´-`) 高級ブランドのVIPルームで指輪を試着しながら、はやちゃんがずっとじゅうくんの指に合わせて選んでたの、胸がきゅっとなりました。最後に「俺の好み」って言った指輪がプレゼントされて、お揃いをつけてるはやちゃんだなんて…ずるすぎますよ、こんなの。右手を見るたびに口元が緩んじゃうじゅうくんの気持ち、すごくわかります。 「姫」呼びも、もうすっかり日常になってるのがいいですね。次はじゅうくんが何を選ぶのか、楽しみです🌷