Twitterに載せた短編になります。
久しぶりです。
桃青 / nmmn
こちらの作品は創作です。ご本人様とは全く関係ありません。
拡散、スクショ等、無断転載一切禁止です。
ルールを守ってお楽しみください。
今日は一段と多忙で一日の最後の息抜の時間。明日は休み。やっと2人でゆっくり出来るなんて考えながら。
片方にはコーヒー、もう片方にはココアが注がれた暖かいカップを持ってソファに座るさとみくんの横に腰を落ろした。
「お、さんきゅー」
「くふふ、いいよ」
コーヒーの入ったパステルピンクのカップを隣の方へ差し出すと、袖に隠れていた僕より一回り大きく綺麗な手がぬっと顔を出しそれを掴んだ。使われていたスマホがカタンと机に置かれる。そのままカップが口元へ持っていかれ幾度か息を吹いたあとコーヒーが啜られた。
おいしいかと尋ねるとうまいと返事が返ってくる。僕も息を吹きながらちびちびとココアを喉に流し込む。次は彼からおいしいと聞かれ、おいしいよと応える。僕の大好きなゆっくりとした柔らかい声。笑みと同時に見えるメガネの奥の紺青色の優しい瞳。彼の全部がだいすき。
「お前、今自分がどんな顔してるかわかる?」
「、へ…え?」
「はは、心底俺のこと好きって顔してる」
理解が追いつかずにあっけらかんとしているとさとみくんの整った顔が目の前にあって。そのまま唇を奪われる。
秒単位の短く、優しい。甘いキス。
「…コーヒー、苦いんだけど」
「お子ちゃまなころんくんにはココア風味の方が良かったかな〜」
「な、僕だってオトナだし…」
楽しそうに僕をからかってくる。でもそのイタズラな笑顔も好きだよ。あぁ、僕結構重症かも。
「なぁに可愛い顔しちゃって」
「くふ、さとみくんのこと好きだなあって」
「…っあーーー、反則」
「ぉわっっ」
目の前が暗くなったかと思ったらいつの間にかソファに押し倒されていた。彼の手が僕の頬を愛撫するとそこからジワジワと顔に熱が広がって。触れては離れてを繰り返す唇に意識を集中させる。
2人の熱い息が、部屋に籠った冷たい空気に溶け込んでいく。はっと息を詰めると、ギラギラとした瞳が僕を掴んで離さなかった。その上、ころんなんて欲情した声で名前を呼ばれたらもう逃げられない。腹の奥がぎゅんと疼く。
「ねぇ、いい?」
「…ベッド、連れてって」
「ふは。仰せのままに」
もうすっかり湯気が立たなくなってしまった2つのカップは、きっと明日の朝にでも。
コメント
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つなさんの作品久しぶり…!!😵💗 つなさんの書く物語って結構比喩表現とか遠回しに言う表現多くてめっちゃ素敵だしすごいなって思う、