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入間紫音ハ推理スル。

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入間紫音ハ推理スル。

1 - 第1話 入間紫音という人間

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2023年01月07日

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あぁ~やっぱ朝か~。これ夢であってほしい。まぁ通学路だし夢なわけないんですけどね。寝ぼけた頭でそんなことを考えながら、古谷璃空(ふるたにりく)は通学路を歩く。

ここで少し、彼の紹介をしておこう。彼は普通の家庭で生まれ、普通に育った。違うとこと言えば、よく居眠りをしてるとこだ。そして、周りからは「ぶるーく」と呼ばれている。しかし、それ以外に、彼は他の人と大きく違ってるところがあった。

sm「ぶるーく。おはよ」

後ろから声がした。振り向くと、見慣れた顔が目に写った。入間紫音(いるましおん)。あだ名は「スマイル」。あだ名の由来は、ピンポンというドラマの「スマイル」という役に似てるからだ。この人物が彼、古谷璃空の大きく違うところだった。

bl「昨日は楽しかった?」

何となく聞いてみる。

sm「ん~微妙だな。そんな難しくなかったし。ほんと、あんな簡単な『謎』で俺を使うなよ…」

少し不貞腐れたような様子でスマイルは言う。あれでも、こいつは簡単だと言うのか……。それに少し僕は驚いた。

sm「今日ぶるーく珍しく早起きだな」

bl「なんかね、早起きしちゃった」

特に意味もない雑談をしてると、いつの間にか学校についた。私立永林高校。詳しくは知らないが、長い歴史を持つ学校らしい。校門をくぐり、昇降口で靴を脱ぐ。早い時間なので、あまり人はいなかった。上履きに履き替えながら、欠伸をする。二度寝すれば良かったな~…。今更後悔する。そんな僕に対して、スマイルはいつも早起きしてるからか、余裕そうだった。

bl「ちょっと待って」

スタスタと前を歩くスマイルの横に、そう言いながら並ぶ。何気に歩くの早いんだよなこいつ。途中の階段でも、人はいなかった。僕らの教室がある二階についた。やはり、スマイルが先頭で教室の前につく。相変わらず喋らなかった。無口だからな~。がらがらと彼は、扉を開く。

bl「えっ」

思わず声が出た。スマイルも同じようで、声はでなかったが、目を見開いていた。そこには、教卓の前で目を閉じて倒れてる転校生、鈴村京花の姿があった。


bl「…だから、扉を開けたら彼女が倒れてて。僕らはなにもやってないんですよ」

もう何回言ったかわからない言葉を警察に対して言うと、僕は小さくため息をつく。あの後僕らは、彼女が生きてるのを確認すると通報をした。警察を待ってる間、スマイルは彼女の写真を撮っていた。やっぱりか…。そろそろ説明しよう。なぜ、彼がスマイルといると他の人と大きく違うか。それは、入間紫音という人間が、天才だからだ。

彼はとんでもない知能の持ち主で、授業は一度聞いたらわかるといい、授業中は屋上で、本を読んでる。実際、僕は初めて彼に会ったとき、天才だと思い知らされた。本の内容は、小説だったりカルチャー本だったり漫画だったり、とにかくいろんな本を読んでる。しかし、彼はいつもその膨大な知識をもて余しており、使う機会をうかがっている。そして、何かミステリー小説とような事件が起きると、親戚に刑事がいると言うコネを使い事件に首を突っ込み、警察を置き去りにしてあっさり解き明かしてしまう。その事件には、大体、僕も一緒に連れてかれる。理由はスマイル曰く、「コミュニケーション能力に俺は問題があるから」らしい。それは僕も理解しており、スマイルが問題を起こさないよう見張りをするのが僕の仕事。まぁ、保護者みたいなもの。

それで、今のスマイルはというと、近くの壁に寄りかかり本を読んでいる。警察が彼の事を読んでいるが、無視を決め込んでいる。やがて、警察の方が先に折れたのか、こちらにやって来る。すると、スマイルも着いてきた。

sm「この事件の詳しいことが大体分かった」

来るなりいきなりそう言う。警察にもそれは聞こえたらしく、目の前にいる二人が目を見開く。そりゃそうか。周りから見れば本を読んでるようにしか見えないが、彼は聴覚や視覚が超人並に優れている。スマイルはそれをいかし、刑事や警察の話を盗み聞きしてたのだろう。

sm「被害者は鈴村京花17歳。実の両親のもとを離れ親戚の叔母夫婦に世話になっている。今年四月にここに転校。てんかんを患ってるらしく、抗てんかん薬を服用中。本人によると、朝、教室の扉を開くと後ろから誰か来た。振り返ろうとしたら腹部に強い衝撃。多分スタンガンだな。倒れたものの意識はしっかりしていたが、薬らしきものを飲まされ意識がなくなる。そして、目が覚めたらこうなってたってことらしい。けど、このようなことは初めてじゃないらしく、最近似たようなことがよく起こってるらしい。こいつ誰かに命狙われてんのか?病院にいってるらしいが意識障害の原因は不明。もちろん犯人も」

早口で話終えたスマイルは、話疲れたように息を吐いた。ずっと本読んでたのにここまで情報を得るとは。相変わらず人とは思えない。

???「おっ、スマイル君」

後ろから声がする。聞いたことのある声だった。警視庁捜査一課、赤賀智也だった。僕らは「ともさん」と呼んでる。スマイルは彼を見ると「あなたですか」と、言い、警察も敬礼をしてた。僕も「お疲れ様です」と声をかけてみる。するとともさんは「そんなに疲れてない」と、言った。なんか相変わらずだわ。

tm「それで、スマイル君どう?何か分かった?」

sm「さすがに情報が少なすぎます。けど…」

そこで、彼は言葉を切ると口の端を上げ、ニヤリとした顔で、こう言った。なんか、嫌な予感がする…

sm「この事件。結構面白いです」

やっぱりかー!僕は暫く、スマイルに振り回されることが確定した。実はスマイルは、面白い謎を見つけると、ずっとそれだけ考えるようになる。そして、僕はそれに振り回されることがお決まりだった。

sm「この事件。俺が解決して上げますよ」

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