TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

雪は好きだ。雪の白は、本当の白だと思えるから。

でも、冬はそんなに好きではなかった。

「ゔ…寒い……」

雪を見るために外に出たが…あまりにも寒い。

今なら雪に埋もれて凍死することも可能だったが、寒さと面白みが欠けるので断念した。

死ぬなら春に死のう、そう思い帰ろうと決心した。

帰り道の途中、商店街で見慣れた人物を発見した。

「あっ!大瀬さん、どうしたんですか?」

そこにはマフラーに身を包み、両手に大きな袋を持った依央利がいた。

いつもは首輪をしている首に巻かれたマフラーがどこか不思議で羨ましい。

「っていうかさ……そんな格好で寒くない?これ着けます?」

そう言うと、依央利は素早く自身のマフラーを外し、大瀬の首に巻こうとした。

「ちょっ、いおくん!!?」

あまりに自然な動作なため反応が遅れ、無事に依央利の奉仕を受けてしまった。

まずい、これでは依央利に迷惑がかかってしまう、そう思い折角巻かれたマフラーを外そうとした。

「え?何で外そうとするんですか?」

「ぇ…だっていおくんが…」

「僕?奴隷にマフラーは必要無いですけど?」

いや、嘘つけ。寒がりなくせに…こういう時はいつも強がる。

その証拠に、今も依央利は震えていた。

「いおくん…本当は寒いんでしょ…?」

「いやいやいや!!別に全然寒く無いし、てか大瀬さんだって同じでしょ!?僕だけマフラーなんてしてたら大瀬さんに負荷がかかるでしょ?」

もう言い包められて帰る方がいいのでは?と思ってしまったがこっちはクソ吉。そんな苦行を依央利にさせるなんて事が出来ない。

じゃあこうするしかないのかな?

「いおくん、手、出して」

「……?手…繋ぎたいの?」

「うん…」

「まあいいけど…どうぞ」

大人しく出された手を握ってみた。冷たく、指の一本一本が細い。

「…大瀬さんの手、意外とあったかいんですね」

少しばかり顔が赤くなる依央利が愛おしく思えた。

帰り道、冷たい風が容赦なく僕達を襲った。

「やっぱり寒いですね」

「だから言ったじゃん…。あっ、そうだ。いおくん、マフラー…半分こしようよ」

「えぇ…それじゃ僕の負荷が……、別に良いですけど」

本当に素直じゃないなぁ…無我って何だっけ。そう思いつつ依央利にマフラーを巻く。

「今度作ってあげますね。マフラー」

「いや、自分が作ります」

「は?何で?奴隷の役目奪わないでもらえます?」

「クソ吉何で…」

そんな事を言いつつ、顔は満ち足りている依央利が、あまりにも眩しかった。

この作品はいかがでしたか?

41

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚