大体の人には推しがいる。
そして、推しがいる人はその推しとのカップリングを考えるのである。
考えていると幸福感、愛しさで満たされる。
が!
ユウ君だ
私、尾多留 果穂は、その事で悩んでいる!
私の推しは人気歌い手グループのメンバーでユウ君という。
そのユウ君と1番人気なハツ君が個人的に熱いカップリングなのだ。
でも、ハツ君とメンバーのサキ君のカップリングの勢いがすごく、あまり人気がない。
今も動画でこの2人がピックアップしている。
「そういう事考えた時あってさ〜w 」
「マジ?俺も考えた事ある!やっぱハツと以心伝心してる気がするw」
「そうかー?w それなら嬉しいなぁw」
そんな会話をしたとたん、コメントがすごい勢いで流れだした。
「えっ!何それ ガチ尊い」
「もっとやって欲しい!なんなら2人だけとか((殴」
「2人もう付き合ってる説♡ 」
こういうコメントが続いて流れ収集付けられない。
こんな風に腐女子ウケがすごく、そこに漬け込み公式も2人の会話をよく映している。
個人的には地雷なため少し飛ばしながら見ている。
翌日
昨日のモヤモヤが残っている私は、グッズを買って発散しようと、アニ█イトに来ている。
周りを見渡すとやっぱりハツ君とサキ君のグッズばかり。
(いいもん!ユウ君とハツ君のグッズいっぱい買っちゃお! )
そうして、ハツ君のグッズに手を伸ばした時、誰かの手が触れてしまった。
「すいません!」
と言いながら、相手を見ようとした時、見覚えのある顔があった。
高い鼻、小さな顔、かっこいい切り目。
毎回ライブに行っている私なら簡単にわかる外見だった。
「こっちこそすいません」
と、ユウ君らしき人物は、聞き覚えのある声でそそくさと出ていこうとしていた。
私は、勢いで後を追って彼の前に立ち塞がった。
「ユウ君だよね?歌い手の」
すると彼は頷きもせず、人がいなさそうな場所へ手を引かれた。
「だ、誰にも言わないでね」
マスクを外しながら言った彼はやっぱりユウ君だった。
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