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#オリキャラ
夜影
109
807
94
⚠︎この作品は非公式、二次創作です。原作、公式とは一切関係ありません。誤解等ご注意ください。
⚠︎数馬と藤内が恋仲
⚠︎暗い表現
これでもいい方だけどうぞ
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▲月▲日
怖い夢を見た。
きらきらした綺麗なところにいて、水が流れてて、宝石のかけらが床に落ちててきらきら輝いてて、花畑があって。とっても綺麗だった。
そこに俺の知ってるみんながいて、話しかけようとしたら急に俺に笑顔で罵倒してきた。
数馬まで。
「お前は生まれつき弱くて」
「何もできない」
「かわいそうに」
「誰からも愛されない」
そして数馬がこう言った。
「お前さえいなければ」
それから俺は怖くて逃げ出そうと走ったら、水面から5人の手がぬぅっと伸びてきて、そのまま引き摺り込まれた。空が灰色だった。夢だった。怖かった。
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俺、富松作兵衛がその藤内の日記の文を見たのは、放課後の図書室だった。
今日は珍しく俺1人だった。いつもなら左門と三之助が遊びたいって言って裏裏裏山まで走り回り、どろんこで帰ってくるのだが。左門と三之助は補習だった。珍しく。
「はぁ〜…今日は久しぶりにゆっくりできる」
俺は廊下を歩いた。ぎし、ぎし、ぎし。そして、ぴたっ、と足が止まった。
……………図書室行こう。
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「はぁ〜!」
俺は図書室の席にどかっと座り込んだ。
「今日は1人でゆっくり出来るなんて最高だな…さて、何読もうか」
貸し出し口では松千代先生が「恥ずかし〜」と口パクで言っていた。いつもの事だな。
「よいしょ…っと、さて、何を…」
つらつらつら〜、と本棚を指でなぞった。そこで、ぴたっ、と指が止まった。
「…ん?」
ぱさ…
「なんだこりゃ」
『浦風藤内の毎日日記』
「………毎日日記?」
……あっ。そういえば。
最近、図書委員会で「日記を図書室に譲ってくれませんか〜!」ってきり丸がいろいろ宣伝してたな。そして日記は他にもあった。「左門と三之助の迷子日記」、「伊賀崎孫兵・生物観察日記、ジュンコ観察日記」、「久々知平助の豆腐日記❤︎」………
ろくでもないやつばっかり。俺はため息をついた。
「…………てゆうか、人の日記を本にするとか図書委員会もなかなかやるな…」
そう呟きながらも、俺は藤内の日記を取った。まともそうなのが藤内の日記だったから。今はゆっくりしたいから。
がたん。
そうやって俺は席に座った。
「はぁ…どんなの書いてるのか」
ぺらっ。
▲月▲日
作兵衛が俺の団子食った!!作兵衛、許すまじ…
▲月▲日
数馬が夜まで保健委員会の仕事してた。偉い。俺も頑張らないと。
▲月▲日
みんなどんどん成長してきてる。偉い。俺も変わらないと。
「……ん?」
俺は顔を顰めた。何かがおかしかった。
ぺらっ。
▲月▲日
もしみんなが危険な目にあった時は俺が守らないと。死ぬ覚悟をする予習はできてる。
▲月▲日
もしみんな死んじゃったらどうしよう。みんな離れていっちゃったらどうしよう。もっと頑張らなきゃ。それじゃないと、きっとみんながっかりする。
「…………は?」
そして、そのページが目に入った。異様に長くて、異様に線が不安定だった。
▲月▲日
怖い夢を見た。
きらきらした綺麗なところにいて、水が流れてて、宝石のかけらが床に落ちててきらきら輝いてて、花畑があって。とっても綺麗だった。
そこに俺の知ってるみんながいて、話しかけようとしたら急に俺に笑顔で罵倒してきた。
数馬まで。
「お前は生まれつき弱くて」
「何もできない」
「かわいそうに」
「誰からも愛されない」
そして数馬がこう言った。
「お前さえいなければ」
それから俺は怖くて逃げ出そうと走ったら、水面から5人の手がぬぅっと伸びてきて、そのまま引き摺り込まれた。空が灰色だった。夢だった。怖かった。
「………なんだよ、これ」
俺は冷や汗を流した。ひとつ、ふたつ。ぽた、ぽた。
生々しい。生々しすぎる。リアルすぎるのだ。夢だといえど、こんな覚えてるなんて。今にも想像ができて俺は鳥肌がたった。水。宝石のかけら。花畑。綺麗。そこに俺、左門、三之助、孫兵、そして数馬がいて。
「お前さえいなければ」?
ぺらっ。
▲月▲日
また夢だ。
今度は床に宝石が散らばってた。床が見えないくらいに。宝石に埋もれてた。その宝石の色はみんなの髪の色だった。控えめにきらっと光る紫色の宝石、熱のあるような真っ赤な宝石、無垢で純粋そうな緑色の宝石、観察眼が鋭そうな、生き物を誰よりも愛しそうな茶色の宝石。 みんなの髪の色だった。でも俺の藍色はなかった。探して探して、宝石の海をかき回したら粉々になった藍色の宝石を見つけた。砕けてた。
遠くにみんながいた。近づこうとしたら宝石が足に食い込んで痛かった。血が滲んでた。みんな笑ってた。俺のことも知らないように。空が真っ白だった。夢だった。怖かった。
「……なに…なんだよ、これ…」
俺は頭を抱えた。安易に想像できるのだ。空が真っ白で、宝石が海のように広がってて、藍色の宝石だけ粉々。
その奥では俺たちみんなが笑ってるのか?藤内だけ仲間はずれで?
冗談じゃない。ふざけてる。完全にふざけてる。
これは夢だ。そうだ、夢だ。夢なんだよ。こんなこと、起こるわけないのだ。
ぺらっ
そうやって俺はまたページをめくった。
コメント
1件
**リオン:** 読み終えました。日記という形式を借りて、日常のほのぼのとした記録からじわじわと不穏な夢の描写へ移行していく構成が巧みですね。特に「お前さえいなければ」という一文と、藍色の宝石だけが粉々になっているイメージがとても印象に残りました。作兵衛が読者と同じ目線で「なんだよこれ」と困惑する構造も自然で、続きが気になります。丁寧な心理描写と世界観の作り込み、素敵でした。