第二話
注意書きは第一話をご覧下さい。
水side
お昼休み
紫「いむちゃ〜ん!また後でな!」
水「うん!またね!」
水「……よし、行くか…」
お昼休み、仲のいい人達が一緒にお昼を食べに教室を出る。
本来ならば自分もみんなと食べるべきなんだろうけど、そういう訳にはいかない。
お弁当箱の中には白米だけ。
こんなことバレて心配されたくないから、先生に分からないとこ教えてもらうって嘘をついて、1人で食べる。
水「…いただきます」
水 パクッ
水「……美味しくない…」
最近、味覚がおかしいな…。
まあ、白米以外ほとんど食べたことないけど。
?「……ほとけ…?」
水「ッ!」ビクッ
1人でボーッとしていると、聞いたことのある声が聞こえてきた。
青「こんな所でなにしてるん?」
水「あ…いふくん…」
その正体はいふくんだった。
青「先生に教えて貰ってるんじゃ?」
水「その…今日は忙しいらしくて…!!」
水「いふくんこそ、みんなで食べてるんじゃないの?」
青「いろいろやる事あって今日は1人で食べる予定やったんよ」
青「俺もここで食べてええ?」
水「…いいよ」
ここで断った方が怪しまれると思い、許可した。
青「…お前、白米しかないの?」
水「…うん、今日は…寝坊しちゃって」
やっぱり白米だけなのはバレる。
青「寝坊かいw」
良かった。嘘を信じてくれた。
青「んじゃ、これやるよ」
水「…これは、なに?」
青「唐揚げやけど…知らないん?」
水「…いやいや!知ってるよ!貰っていいの?」
青「ええよ、流石に白米だけはお腹空くやろ?♪」
水「あ、ありがとう」
唐揚げなんて、聞いたことはある気がするけど、食べたことないな…。
水「い、いただきます」パクッ
水「…!」
水「お、美味しい…」
青「ほんま?よかったわ♪」
こんなに美味しいという感情を出せたのは初めてかもしれない。
水「これ、いふくんが作ったの? 」
青「せやで、昨日の夜作って残りをおかずにした」
水「すごいね…尊敬するよ」
唐揚げがあると、何故か味がしなかった白米も美味しく感じる。
水 パクッ…パクッ
青「…ふふっ♪」
気づけば無心で食べてた。
水「ごちそーさまでした」
青「ごちそうさまでした」
水「ありがとねいふくん。美味しかった」
青「気に入って貰えてよかったわ♪」
青「まだ昼休み終わるまで時間あるし…ゆっくりしてく?♪」
水「うん」
青 ゴロンッ
青「ほとけはさ、いっつも勉強教えてもらって必死に頑張ってるの偉いよな」
水「ど、どうしたのいきなり…笑」
普段喧嘩しかしないいふくんが、なぜか褒めてきた。
青「思ったこと言っただけやで」
青「てか今日元気なくない…?大丈夫か?」
水「えっ、見ての通り元気だよ!」
青「ならええけど」
なんやかんやこの人は勘が鋭い。
自分にとって危険人物でもある。
青「ふわぁ〜…寝っ転がってたら眠くなってきた……」
水「寝てたら?予鈴がなっても起こさないけど」
青「そこは起こせよw」
水「やだもんね〜」
青「じゃあ寝ないもんね」
水「お好きにどーぞ」
青「コイツ…💢」
水「てか、こんな話してたら時間じゃん!ほら戻るよいふくん!」
青「まだ大丈夫やろ」
水「大丈夫じゃねえわ」
水「じゃあ置いていくからね」
青「えそれはちゃうやろ」
水「ふんっ」スタスタ
青「待ってやほとけ〜!」
放課後
水「…はぁ…重た……」
放課後、先生に荷物を理科準備室に持っていくよう頼まれた。
いふくんだって日直なのに、女の子に呼ばれてていないし。
自分だって、早く帰らないと…いけないのに。
水「……また、殴られちゃうなぁ…」
まったく、モテ男は大変だなとか、いろいろ文句を小声で言いつつ、運んでいく。
水「…この先、階段か…」
たくさんの荷物で前が見えづらいため、階段は自分にとって1つの試練。
下りじゃなくて登りなのが不幸中の幸い。
水「よいしょっ…」
1段1段気をつけながら登っていく。
水「……よしっ、登りきった…」
もう腕が限界なので、急いで準備室へ向かう。
ガチャ
水「ここでいいのかな……」
準備室へ入り、そこにあった小さな机に荷物を置く。
水「終わりっと……さて、早く帰らないと…」
今日は……ご飯は…いらないか、お腹空かないし。
帰って勉強しなきゃ。
ガチャ
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