らおちぐですっ.ᐟ初めてだから多めに見てネ.ᐟ
『名前をつけないままで』
tg視点
春の終わり、放課後の教室にはもう人の気配がなかった。
夕陽が差し込む窓辺で、俺は席に座ったまま、何もない空を眺めていた。
カーテンが揺れ、風が通り抜けたそのとき。
ro …いたんだ
そう声をかけてきたのは、らお。
隣の席に、いつもみたいに座って、俺の横顔を見た。
ro ちぐさ、帰らないの?
tg …もうちょっとだけ。最後だから
ro そっか
それだけの会話で、なんだか全部わかってしまう気がした。
この距離、この静けさ、このタイミング。全部、ずっと前から決まってたみたいだった。
ro ……卒業なんだね、ほんとに
tg うん。明日から、らおに毎日会えなくなるの、変な感じ
らおは驚いたように俺を見て、それから少し照れたように笑った。
ro そう思ってくれてたんだ
tg っだって
言いかけて、俺は言葉を飲み込んだ。
“だって、ずっと好きだったから”
――その続きは、喉の奥に沈んでいく。
ro 俺さ
唐突に、らおが言った。
tg 来年も、桜が咲いたら、この席で、ちぐさとまた話したい
tg なんで?
ro んー今はまだ、なんていうか。まだ名前をつけたくない気持ちだから
俺は一瞬、息をのんだ。
“名前をつけたくない気持ち”――それが、自分と同じものを指していると、どうしてこんなにもわかってしまうのか。
tg ……らおって、ずるい
ro そっちこそ
ふたりは、笑い合った。けど、どこか寂しさの混じった、俺達だけが知っている笑いだった。
夕陽が沈み、教室が影に染まっていく。
名前をつけられなかった関係。
手を伸ばせば触れられそうで、でも、その一歩が踏み出せなかった気持ち。
――来年、桜が咲いたとき。
ふたりはまた、ここで会えるだろうか。
そのときこそ、はっきりと名前をつけられるだろうか。
そんな問いだけが、春の終わりに、教室に置き去りにされた。
リクエストありがとうございましたっ.ᐟ
rotgの絡みって尊いよね(?)
最近ハマってる.ᐟ
ほかにもリクエスト合ったらコメ欄にお願いします.ᐟ.ᐟ
コメント
2件
うん…ありがとうございます(?)