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燐音side


不思議な世界に迷い込んで三日が経った。


一彩)おはよう兄さん!今から一緒に出かけるよ!


朝から弟くんによくわからないことを言われ、気がついたらここにいた。


燐音)いや、なんでオレっちも弟くんと一緒にいるワケ?お相手さん困るっしょ


一彩)そんなことないよ。兄さんが来るのを喜んでたくらいだし


この世界に来てからまだ三日しかたってねーのに、仲を深めるのがはやぁい。


トウマ)あれ、一彩と…燐音もいんのか


燐音)トウマちゃんじゃ〜ん。いつの間におれっちの弟くんと仲良くなってたんだぁ?


肩を組み話を進める。


トウマ)別に俺だけな訳じゃねぇよ。九条と…明星と朔間と陸もいる


燐音)えー。そんなに居んならオレっちいらねーじゃん。帰る!


戻ろうとするとガシッと両腕を掴まれた。右はトウマちゃんで、左は一彩。いや何でだよ。


トウマ)別にお前に帰って欲しい訳じゃねぇよ。意外だったってだけだ


一彩)そうみたいだよ兄さん。嫌がってる様子はないし、兄さんを誘おうと思ったのもトウマさんのおかげなんだ!


トウマ)ばっ……!い、言わなくたって良いだろ!


人が多くいるのにも関わらず、大声で叫ぶトウマちゃん。案の定ファンらしき人が足を止めて、トウマちゃんの方を見る。事が大きくなる前に、オレっちはトウマちゃんを腕に抱える。


トウマ)……はっ!?


驚いて抵抗しているが、ガッチリと抱えているため、意味を成さなかった。


燐音)一彩、行くぞ


一彩)ウム!明星先輩たちが待っているよ!


一彩を先頭に行かせ、突っ走る。オレっちはどこに行くのか分からないんで。



陸)あれ、何か聞こえない?


天)…気のせいじゃない?


零)いや、多分天城くんたちが来るじゃろうな


スバル)へ〜。リッちゃんって耳いいんだね!


陸)えへへ、ありがとう!


オムライスの香りが店内中に広がる。


陸)うん、すごくいい匂い!


天)陸、はしゃぎすぎ


陸)えへへ、ごめんね天にぃ


零)くく、やっぱり仲がいいのう。ちょっぴり羨ましいわい


零さんがしょんぼりとした顔で言う。


陸)もしかして、お兄さんと仲が良くないんですか?


零)…お兄さん?


陸)えっ?


あれ、何か変な空気流れてる?


零)弟じゃ。ほら可愛いじゃろ?


天)いや、陸の方が可愛い


陸)天にぃ……!


スバル)…なんか足音を大きくない?


陸)あっ、確かに。トウマさんはいるのかな?


零)燐音くんもおるからじゃろ


店内のドアが勢いよく開く。入ってきたのはトウマさんと天城くんと───そのお兄さんの燐音さん。


零)ほれ、もうすぐ料理が来るから席につくんじゃぞ〜


ニコニコと笑っている零さんはとても楽しそうだった。


陸)天にぃ、楽しいね


天)うん。たまにはこういうのも悪くないね





ー終ー

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